2009年04月30日

’09 庭の花44 スズラン 2009.4.29

スズラン
スズラン(西洋鈴蘭、君影草) ユリ科スズラン属
 スズランは思い出深い花…。少年の頃のテレビニュース(北海道の風物詩として毎年この時期に紹介された)で良く見た花でしたが、その花がその当時の私の初恋と渾然と絡み合い、今も私の心の片隅に根付いています。あの美少女と鈴蘭…、その愛らしい姿と清雅な香り…、私を恋に目覚めさせてくれた愛しい対象、それは美しい鈴蘭の様な少女でした。
 鈴蘭には君影草(きみかげそう)と言う別名があります。大きな葉の影にささやかに咲く花のシルエット、その横顔が愛する君(乙女)に似ているからでしょうか?。文学の香りのする素敵な名だと思います。
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2009年04月27日

’09 庭の花43 オダマキ 2009.4.24

オダマキ
オダマキ(苧環) キンポウゲ科オダマキ属
 美しい花の集まりキンポウゲ科…、その中でもオダマキは特別に個性的と申せましょう。この花は名の元となった糸掛けの苧環に似た珍しい形をしており、他の花にない味わい深い魅力があるのです。オダマキには西洋種もあり、大振りの立派な身の丈を持ち、色鮮やかな花を咲かせます。しかし残念ながら、その花では私の美意識を満足させてはくれません。やはりオダマキは日本苧環でなければならないのです。その粉白の柔和な葉、くすんだ青紫の渋い花色、そして燻し銀の床しい佇まい、そんな美はこの日本種にしか存在しません。これこそが私の美意識に適う苧環です。
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’09 庭の花42 サクラソウ 2009.4.24

サクラソウ
サクラソウ(桜草・紅花) サクラソウ科サクラソウ属
 日本のサクラソウは古くから園芸栽培が盛んで、多くの品種が作出されてきました。これを日本桜草と称し、その作出品種には源氏名もどきの名称が付けられたりして、趣味人達の思い入れたっぷりの遊びでした。されど、私はそうした趣向に与する事は避け、ひたすら野生種の美しさにこだわってきました。無駄な装飾は廃し、ぎりぎりのところまで削った完成度で勝負する、この野生の誇り高い振る舞いこそが、私の最も尊重するところなのです。この紅花には微かに紫が潜んでいます。それが生存にかかわる野生の野生たる証明であり、そこに仄かな蠱惑の色香が匂います。昆虫を含む雑念のないもの達だけがその美に惹かれそれを獲得でき、心ゆくまで酔いしれる事ができるのです。そんな幸福が訪れます。
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’09 庭の花41 ヒメウツギ 2009.4.24

ヒメウツギ
ヒメウツギ(姫空木、姫卯木) ユキノシタ科ウツギ属
 ウツギは空木と書きます。それは、ウツギは枝の髄が中空だからで、パイプやストローのようになっています。その強度は力学的にも証明されており、中空だからと言って決して強風で折れる事はありません。中空は重量を減らす事ができ、風をしなやかに受け流せるからです。
 数ある空木の中でも、このヒメウツギは春に咲く種類で、長い枝をたおやかにしならせて美しい白花を咲かせます。その清楚にして優雅な花は誰の目にも好ましく映るようで、この花の前で佇む人は多いのです。勿論、私も大好きな花で、毎日眺めては溜息をついています。花期は短い花ですが、ここしばらくは楽しめます。≪一般のウツギは旧暦の卯月(今の五月)に咲き、空木の名の代わりに卯の木・卯木(ウツギ)・卯の花とも呼ばれました。初夏に咲く花で、夏の季語です。≫
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2009年04月25日

’09 庭の花40 マイヅルソウ 2009.4.23

マイヅルソウ
マイヅルソウ(舞鶴草) ユリ科マイヅルソウ属
 標高1500メートル以上の深山幽谷に自生しています。針葉樹林内の岩盤に這って生え、柔らかい緑で岩板を覆い尽くします。上高地には大群落があり、花時(6−7月)に訪れれば、緑の絨毯の上に白い花が煌めきます。明神池経由の徳沢まで、その梓川左岸を歩けば、山の端の薄暗い林内に必ず見つけられます。但し、盛夏では遅く見られないかも知れませんが?。
 名の舞鶴は葉の構図が鶴の繁殖の舞いで見せる胸を反らした時の羽の形状に似ているからで、葉の形と葉の平行脈が滑らかに湾曲した様を見事に言い当て見立てたものです。
 やはりこの花もユリ科の地味な花の一つです。決して彩色とは申し難い風情ですが、その清らかな白と潤む緑は精気に満ちており、観る者の心を洗い流し清め、明日への活力を蘇らせてくれます。
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’09 庭の花39 コデマリ 2009.4.23

コデマリ
コデマリ(小手毬) バラ科シモツケ属
 これは日本に自生はなく、中国原産の花木です。人の庭に植えられ鑑賞されるためだけに渡来してきました。バラ科シモツケ属は細かい花を数多付ける多花性の類で、このコデマリもその代表であり、無数の小花を手毬状に付け、株を覆い尽くします。その華やぎは荘麗極まり無く圧倒的に咲き誇り、真の春、正に春たけなわの宴と言ったところです。
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’09 庭の花38 ユキザサ 2009.4.23

ユキザサ
ユキザサ(雪笹) ユリ科ユキザサ属
 花の名の起こりとなった笹に似た平行脈の葉…、そして雪のように白く細かい花房…。何て美しいのでしょう。少し前のチゴユリを思い出します。私の長い花暦で培ってきた観察眼が、私をこの類の花の趣味に走らせました。その渋く地味な佇まい、しかしきらりと光る清潔な精神性、この奥床しい風情こそが私の最も愛する花の姿です。
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’09 庭の花37 ユキモチソウ 2009.4.23

雪餅草
ユキモチソウ(雪餅草) サトイモ科テンナンショウ属
 この草もテンナンショウの仲間の一つで、花は奇怪ですが黒白の対比は美しくもあり、一族の中では最も鑑賞に耐え得るものでしょう。斑入りの豊かな葉の上にスッキリとした花序を頂き…、それらが相俟ってその立ち姿には怪しくも形容しがたい気品が漂っています。その神秘的な際どさこそがこのテンナンショウの骨頂と言えます。
 その花序の付属体の雪の様に白い球、そして球の餅のような膨らみがこの名雪餅草の起こりとなりました。これは見て直ぐ、誰にでもよく分かりますよね?…。
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2009年04月24日

間奏曲113 好感、女性進出

 今日は川崎の仕事。市街地なので電車、バス、徒歩で行きました。JR東海道線の混雑に辟易した私は、腹立たしく思いながらも、地上にあるが?、地下から上る?バスターミナルに着きました。
 川崎駅のバスターミナルは複雑で分かりにくく、ボタン式の案内板はありますが、これが更に分かりにくく、目的地へのバス乗り場が判明せず、難渋しました。結局、警備員のお兄さんに尋ねたところ、彼は手引きを出し即座に教えてくれました。やはり、人に優る応対はないのですね…。そしてもう一つ言いたい事は、地下から地上のバス乗り場への階段は長く辛いこと。7kgの道具を携帯する私には正直きつく、お年寄りには更に苦労を強いるものと思われます。川崎市よ!、もっと親切な町作りを願います。”エスカレーターで下させて、階段で上らせるとは何事か!…”。
 さて川崎大師行きのバスに乗り込んだところ、運転手さんは若い女性でした。親切に発車の案内をし、滑らかな運転でしたが適度にスピードも上げて快適な乗り心地でした。帰路の男の運転手のギクシャクした苛立つ運転に比べ、雲泥の差でありました。女性運転手の落着き、繊細な動作、お客への優しさ、真に素晴らしく女性こそこの仕事の適任と確信しました。もっと女性が様々な職種に進出する事を願って止みません。男はもっと反省するように!。お客を嘗めないように。お客は何もかも全て見抜いているのですよ!。
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2009年04月22日

’09 庭の花36 ウラシマソウ 2009.4.22

浦島草
ウラシマソウ(浦島草) サトイモ科テンナンショウ属
 この花もグロテスクなテンナンショウの仲間、恐らくテンナンショウの中でも最も奇怪な雰囲気の花でしょう。でも私は大好きです。よくよく見れば、その破れ葉傘を差した姿はユーモラスであり、気取った見栄張りは粋でもあります。だんだん好きになってくると私はそれを愛してしまう性格なのかも知れません?、困ったものかもね? 時と場合によっては???…。
 その名の謂われは、花の肉穂花序から伸びる長大な糸状の付属体を浦島太郎の釣り糸に喩えたもの。それは真に長く、放物線を描いて地面に到達しています。驚きです!。(写真をクリックしてください)  本当に楽しい草で、思わず浦島太郎の伝説を思い出してしまいます。…お爺ちゃんの太郎さんを…。
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’09 庭の花35 コバノタツナミ 2009.4.22

コバノタツナミ
コバノタツナミ(小葉の立浪、ビロードタツナミ) シソ科タツナミソウ属
 もう二十数年も前、私は我が子と旅をするようになり、野を歩いては野の花を見つけ、愛するようになりました。スミレ、タンポポ、ツメクサにホタルブクロ。若い頃には見向きもしなかった花達でした。我が子と共に摘んで帰ると、花はくたっと萎れてしまい、子は悲しみ、「もう摘むのは止めようね」を合言葉にし、一つ学びを得たのでした。
 そんな折、ある方にこのコバノタツナミを頂きました。その方の家は花の溢れた庭を持ち、私が褒めるとその方は「どれでもお好きなものを差し上げます」と言ってくれました。私はこのコバナタツナミに魅せられて、迷わずこの花を指名しました。体は小さいのに花は体に比べてとても大きい、そしてこの上なく美しい。その方は「これも自然が育てた野生の花、野生は人の手垢の付かない純粋なものです」と説き、私はそこに底知れない気品と優美を見ました。
 この花も我が庭に来て早二十年になろうとしてます。今やあの時の百倍に増えてすっかり我が家(庭)の家族となって、毎春彩りを添えています。この前を通る通行人は遍くこの花に目を留め、しばし足を止めて愛でて行きます。そして一様に「美しい!」と褒め称します、コバノタツナミもさぞや嬉しい事でしょう。一際丈夫な草であり、恐らく私より長生きをする事でしょう…。未来の人からも愛されたらいいね…。 
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’09 庭の花34 ミツバツツジ 2009.4.18

東国三葉躑躅
ミツバツツジ(三葉躑躅、東国三葉躑躅) ツツジ科ツツジ属
 ミツバツツジには幾つかの種類があり、雄しべの数の違いなど、遺伝子的に見て若干の差異があるようです。それは自生地の棲み分けにより区別されており、西国三葉躑躅や東国三葉躑躅、清澄三葉躑躅に大山三葉躑躅等と地域に因んだ呼び名が付いています。この写真の三葉躑躅は雄しべが10個なので、恐らく東国三葉躑躅と思われます。
 葉の出る前に咲き、その紅紫色は極めて美しく、よく庭に植えられています。本来は山に咲く野生の躑躅で、関東甲信越の山地では春のゴールデンウィークの頃に咲き、山の斜面や断崖を色鮮やかに染め抜きます。とにもかくにもその鮮やかさは圧巻であり、桜とは違った鮮烈の色彩が楽しめます。
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2009年04月19日

’09 庭の花33 ヤマブキソウ 2009.4.14

ヤマブキソウ
ヤマブキソウ(山吹草、別名・草山吹) ケシ科クサノオウ属
 照り映える黄色を大判小判に見立てて黄金色と言うようになりました。同様に、山吹の花の色も黄色が照り映えて見え、この黄色を山吹の花の色に因んで、山吹色と称しました。結局、世間は黄金色も山吹色も同色と定め、小判の事を山吹と称したりもしたようです。(参考・広辞苑) そしてこの山吹の黄金色にそっくりな花を持つ草が野にあり、これを山吹に名を借りて、山吹草(草山吹)と名したのです。
 山吹はバラ科で花は五弁、山吹草はケシ科で四弁、似ていても、違いは歴然と花弁の数に表れていました。但し、美しさは甲乙付けがたく痛み分けと言う事にしましょう。姿もたおやかで両者とも風情があり、山吹は立派に、草山吹はひっそりと慎ましく…、どちらも美しい咲き振りです。
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’09 庭の花31 ムサシアブミ 2009.4.14

ムサシアブミ
ムサシアブミ(武蔵鐙) サトイモ科テンナンショウ属
 サトイモ科テンナンショウ属はとてもグロテスク…、しかし不思議な気品があるのです。私はどちらかと言えば変わり者なので、この種の花に興味があり育てています。花序を宮本武蔵の馬の鐙(あぶみ、乗馬の際に足を乗せる器具)に喩えたもので、この草の毅然とした猛々しさが武蔵の名に相応しく、素敵な名前だと思います。
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’09 庭の花30 チゴユリ 2009.4.14

チゴユリ
チゴユリ(稚児百合) ユリ科チゴユリ属
 美しい葉、愛らしい花、小さいが上品な姿。こんな草もあるものですね。これは私の宝物で、何時も気に掛けその無事を確認しています。そして今年は花を見られるかな?と、一生懸命辺りを探し回りました。…ありました「良かった、嬉しい!」… たった一輪でしたが、今年も咲きました。
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’09 庭の花29 スミレ 2009.4.12

スミレ
スミレ(菫、変種白花) スミレ科スミレ属
 以前、園芸屋から買った野草のタネにコモロスミレなる野生のスミレのタネがありました。咲かせてみると、二つの形態のスミレが現れました。一つは濃い紫の八重咲きの品種、もう一つはこの写真の白花のもの。どちらも可愛かったので庭に植えていましたが、紫の八重咲き種は絶えてなくなり、この白花だけが残り、今も美しく咲いています。スミレは極めて偏屈な草で、ある年は大挙して発生し、芝生の庭一面を彩りますが、しばらくすると全くいなくなり、庭はもぬけのからとなるのです。でも、庭にはスミレ達自らが産み残した大量のタネはばら撒かれています。ですから何時かは発芽をし、紫の八重咲き種も元気な姿で帰ってくるかも知れません。気儘で偏屈なスミレ達はきっとしぶとく時を待ち、復活してくるに違いありません。その時私は「お帰り!」と声を掛けてやるつもりでいます。その苦労を労うように…、その愛しい気質を愛しむように…優しく、力強く。「早く帰ってこないかな…」。
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2009年04月18日

’09 庭の花28 サクラソウ 2009.4.12 

サクラソウ
サクラソウ(桜草・白花) サクラソウ科サクラソウ属
 一般に桜草と言われているものは、越年草(一年草)としてタネ蒔きをして育てられているプリムラマラコイデスで外来の園芸草花です。肥料を多く施し大きな株に育てれば、花は何段にも咲き上り、花期は数か月に及びます。反対にこの日本桜草は多年草であり、花は一段咲きで花期は短く、一週間の命です。やや物足りなく思われますが、これが野生の倣い、僅かの間に繁殖を済ませ、潔く散り失せます。正にこの季節を知らし示す春の使者で、春の野を喜びで満たすのです。マラコイデスに比べれば花の質感は高く、存在感に優れて美しいものです。
 後日、紅花を紹介します。お楽しみに…。
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2009年04月15日

’09 庭の花27 ニリンソウ 2009.4.10

ニリンソウ
ニリンソウ(二輪草) キンポウゲ科イチリンソウ属
 美しい花の仲間・キンポウゲ科の一属。その内のイチリンソウの姉妹であり、花茎の一茎に二輪の花を咲かせるので二輪草の名になりました。この写真でお分かりのように、上の花は最初に咲いた花で背が高くて大きく、下の花は遅れて咲いて背も低くやや小さ目です。何となく夫唱婦随を感じさせ、演歌に歌われるのも分からないではありません。群生すると夫婦が大挙して居並びますが、その美しさも尋常でない格別のものになります。我が庭のものは小さな群れですが、野には巨大な群生地があり、その光景は正に春の饗宴です。
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’09 庭の花26 アズマギク 2009.4.10

アズマギク
アズマギク(東菊) キク科ムカシヨモギ属
 東日本の北部から北日本にかけての海岸に生える菊で、ハルジオンなどと同じムカシヨモギ属の仲間です。然るに雑草のハルジオンとは流石にその存在感は異なり、美しくふくよかで気位の高さが感じられます。実は私はこの花の自生を確認した事はないのです。花の写真集で見て強い憧れを抱き、海辺に咲くこの花の群生を想像しては悦に入っていたのです。とこらが、そうこうしている内に私はある園芸屋でこの花を見つけてしまいました。それは山野草の棚にちょこんと座っており、一際眩い薄紫の光を発していました。私はすぐに手に取りレジまで走り、買い求めました。心臓が高鳴っていました。
 今もご覧のように恙無く咲いています。この薄紫は特別で、私の大切な喜びの色です。
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’09 庭の花25 ドウダンツツジ 2009.4.10

ドウダンツツジ
ドウダンツツジ(灯台躑躅) ツツジ科ドウダンツツジ属
 ドウダンとは灯台が転じた呼び名…。そして灯台は海洋を照らす大きな灯台ではなく、古き日本で使われた室内照明用の燭台を指すのです。その枝先に杯状に付く輪生した葉を、灯台に見立てているのです。よく見ると皆様もその様に感じられると思います。如何ですか? 昔の人は実に怠りなくその対象を観察し想像を膨らませているのであり、本当に感心する次第です。
 花は白く小さい壺形で垂れてうつむいており、愛らしさがこぼれます。花の開口部が五裂しくるりと反り返るなど、間近で接しなければ見えぬ魅力があり、虫眼鏡を使えばさらに驚きは増します。ぼんやりと見るのではなく観察眼を持って望めば、新な花の世界が広がって来ると言うものです。
 またこの花は蜜が豊富らしく、引っ切り無しに蜂が飛来してきます。顔を近づけるとブンブンと羽音が聞こえ、うるさくもあります。暫しも休まず蜜集めをする様は感動的ですが、決して私には真似できないと脱帽をしました。そして蜂に生まれなくて良かったと思いました。…でも人間も働き者ですよね…、誰かさんと違って。
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2009年04月14日

’09 庭の花24 ハルユキノシタ 2009.4.7

ハルユキノシタ
ハルユキノシタ(春雪ノ下) ユキノシタ科ユキノシタ属
 本家のユキノシタは普通初夏から夏にかけて咲きますが、このハルユキノシタは読んで字の如く春咲きのユキノシタです。本家のユキノシタに比べれば全体に柔らかい質感を持ち、純白の花穂はふわりと軽やかでいかにも春らしい風情です。観ているこちらも緩々と力が抜けて怠け心が頭をもたげ、春の夢を貪ってしまいそうです。本当に春は心地良く眠い季節ですね!。皆様は如何ですか?。
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’09 庭の花23 シャガ 2009.4.7

シャガ
シャガ(射干・胡蝶花) アヤメ科アヤメ属
 鎌倉にはこの花の大群落を持つ寺(浄智寺など)があり、そこを訪れればこの季節、それは見事な光景に出合う事ができます。その場合、やや遠くからの観望が普通ですが、近付いて一輪を熟視するのも一興です。それはこの花のデザインが素晴らしいからで、その純白の花弁に黄と紫が淡く滲んで溶け込んでいる様は、夢見心地で極めて美しい…。真に春の花と申してよいでしょう。

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’09 庭の花22 ソメイヨシノ 2009.4.7

ソメイヨシノ
ソメイヨシノ(染井吉野) バラ科サクラ属
 他事にかまけて庭の花シリーズの記述が遅れ、この染井吉野は今や葉桜となってしまいました。大変恐縮ですが、私の染井吉野への思いを今、述べさせて頂きます。
 桜は数々あれど、その色、その姿、そしてその散り行く風情、この染井吉野は何処をどう見ても一流であり、文句のつけようがなく、桜の傑作と言えます。特に自然に枝垂れる裾周りの優雅さは傑出しており、遍く人をこの桜に熱狂させる所以でありましょう。そして色。薄紅の底に幽かな紫、それは光の加減で時に姿を現し、絵にも描けない妖艶な色香を漂わせます。その麗しさ愛しさは艶やかな美女と遜色はなく、私はただただ悶え、絶句し、心でそれを味わい尽くすのです。何よりも深い満足を覚えます。
 欠点は二三ありますが、ここでは言わぬが花でしょう…。
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’09 庭の花21 シロバナタンポポ 2009.4.7

シロバナタンポポ
シロバナタンポポ(白花蒲公英) キク科タンポポ属
 白いタンポポ、これは決して人間が手を掛けて作り出したものではなく、自然が自然に生み出したものです。自然は優れた命の揺り籠であり、私達に必要最小限の美しい色彩を提供してくれるのです。野でこの白を見つければ春の清新を感じ取る事ができるでしょう。春の隆盛を誇示する黄色に比べ、白は春の精神を主張する色…、そこからは春の底光りが感じられます。私には四季の第一位にある春の誇りと歓喜が伝わってくるのです。
 
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’09 庭の花20 カントウタンポポ 2009.4.7

カントウタンポポ
カントウタンポポ(関東蒲公英) キク科タンポポ属
 横浜で見られるタンポポは、ほぼ二種類あります。在来の日本種のカントウタンポポと、外来の西洋種の西洋タンポポがそれです。都市化が進んだ横浜では在来のカントウタンポポは減り、西洋タンポポが増殖しています。その理由は生殖機能の優劣の差と開発による土壌のアルカリ化です。アルカリ土壌を好む西洋種は自家受粉と言う優秀な生殖器官まで持ち、繁殖に長け、殖え続けています。日本種は酸性土を好むため、その現状に劣勢で都市部では皆無となり、郊外の一部に僅かに生き残っています。しかししぶとく生き継いでおり、郊外の雑木林の縁などをこまめに探せば必ず見つけられます。この写真のカントウタンポポも、近所の道の土手からタネを採取して育て上げたものです。我が庭では大分増え、西洋種と共生しています。普通の人はこれらを見て「フン」と一瞥するだけですが、私には大切な我が子です。この黄色を見ると、私は嬉しくてたまりません。本当に幸せな気分にしてくれるのです…、「大好き!」
 両種の見分け方は簡単です。花と茎をつなぎ花を包んでいる総苞片の鱗片が完全に閉じて重なっているのがカントウタンポポで、鱗片が開き離れ反り返っているのがセイヨウタンポポです。
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2009年04月11日

日本の景色12 飛鳥漫遊 明日香村 2009.4.5

 1、菜の花咲く棚田
菜の花の棚田
 大和の旅二日目は飛鳥を巡りました。まずは早朝に朝飯前の散歩をしました。宿の周囲は里山に棚田が段を成して並び、日本の田舎の原風景が広がっていました。決して晴れ渡ってはいなかったのですが空気が透明で旨く、私達は清々しい気分に浸りました。正に“早起きは三文の得”を久々にこの地で体得したのでした。朝食後身支度を済ませた私達はこの日の予定を確認し、気持ち良い宿泊に感射を抱きながら宿を出ました。
 最初の目当てはこの宿と山続きにある石舞台古墳で、我らが飛鳥観光の幕は開かれました。石舞台古墳の周囲もやはり棚田が山の裾まで広がっており、そこに鮮やかな黄色の菜の花が植えられていました。その風景はやはり日本そのものであり、日本人の私には懐かしい、心和む優しさがありました。



 2、石舞台古墳
石舞台古墳
 まるで重戦車の趣があります。遠くから眺めても力強い存在感があり、近付くにつれてはその岩の巨体に圧倒されました。横穴式の石室が露出しており、皆、中に入っていましたが私は止めました。何だか気持ち悪かったからなのです。こう申せば皆様は、私がかなりの意気地なしと思われるかも知れませんね?…。そうです、私はとても怖がりなのです…。とにかく中に入るのは嫌で、外から惚れ惚れと眺めました。その花崗岩の岩の質感が素晴らしかったのです。
 日本の代表的な方形墳で、盛り土が風化で失われたため、天井石が露出した姿になっています。石の形状により、この名が付いたそうですが、他にも旅芸人がこの石を舞台代りにして演じたとか、狐が女に化けて石の上で舞いを見せたとか、名に纏わるささやかで楽しい言い伝えもあるそうです。被葬者は蘇我馬子ではないかと言われています。   
 参考 飛鳥保存財団発行「飛鳥」 

 
 *高松塚古墳
 国営飛鳥歴史公園館の駐車場に車を置いて、だらだらと十分ほど歴史公園内を歩くと高松塚壁画館に行き当たりました。周辺は里山のもと田園が広がっており、高松塚古墳は壁画館の裏山に当たる丘にありました。周囲を工事壁で囲われ、今正に修復工事中でした。私達は辺りを散策し、文武天皇陵まで足を伸ばしました。天皇陵からは田圃が続き、ここで私はレンゲソウとキンポウゲを見つけたのでした。この二つの花はブログ“野の花”で紹介したものです。そちらをご覧ください。
 壁画の模写は素晴らしいの一語に尽きます。男子群像、女子群像、日像、月像。青龍(東)、白虎(西)、玄武(北)の方位を示す四神の図(南の朱雀はないようです)。星座を示す星宿図等。色彩の鮮やかさ、筆致の精妙さ、真に美しく驚くに値します。私は感動しました。何時か本物が観られると良いですね!。
 参考 高松塚壁画館のしおり


 *キトラ古墳
 宿でキトラ古墳の有様を尋ねたところ、現在は修復中で見られないとの事、残念ながら現地を訪れるのは止めにしました。宿でその壁画のあれこれを少し学びました。


 *キトラ古墳壁画
 高松塚古墳壁画に続き、それと並ぶ美しさを持つのがキトラ古墳壁画です。こちらは人の群像の図は無いようですが、四神は全てあり、四神の周りの十二支の獣頭人身像もあり、そして天井の天文図があります。写真を見ただけでもその美しさ素晴らしさが判ります。私は何時かは見たいと思います。特に美しい朱雀を…。そしてその日は必ず来ると信じています。
 今年の五月には青龍、白虎の特別公開があるそうです。場所は飛鳥資料館です。遠いので再びの飛鳥詣では、私には限りなく不可能ですが…。
 参考 朝日新聞“キトラBOOK”


 3、亀石
亀石
 可愛らしい亀が彫られた巨岩、人家のすぐ傍にあり、隣は素朴なお店でした。自転車が幾らか停めてあり、サイクリングの若者たちが見学にきていました。やはり亀石は人気があるようです。この場所を探すのに、チョイと苦労はさせられましたが、頑張って探し当てられてよかった!。我が娘達のたっての希望の対面でもありましたから…。良かったね…。
 おまけにこの近くで、涼しげで美しいナズナの群落も見つけたのですよ!。嬉しかった…。


 4、飛鳥寺
飛鳥寺
 明日香の沃野にしっとりと佇む飛鳥寺、今はこじんまりとした寺ですが、創建当初は壮大な大伽藍であったそうです。度重なる火災で荒廃し修復を繰り返し、今日のこの姿に収斂されました。日本最古の仏教寺院であり質素な構えですが、その姿には当時の乱れた世を仏教の教えで治めようとした、時の権力者達の強い熱意が偲ばれました。
 参考 飛鳥寺のしおり


 5、飛鳥大仏(釈迦如来坐像・銅像・重要文化財)
飛鳥大仏
 推古天皇が聖徳太子や蘇我馬子らと誓いを立てて発願し、鞍作鳥(くらつくりのとり・止利仏師)によって造られた日本最古の大仏です。高さ3メートル、銅15トン、黄金30キログラムを用いて造られました。そして天皇を始めとした歴々の居並ぶ前で、大仏開眼の法要は行われました。皆、どれ程の感動を持ってこれを見たのでしょうか。恐らく万感迫るものがあったでしょう。大きな満足、掛け替えのない心の宝を得たに違いありません。天下国家を治めるため、その一念、その鴻鵠の志こそがこの大仏開眼を可能にしたのでした。
 それから1400年、今もこの大仏は多くの人々を慰め、救っています。この大仏を眺めるにつけて、私は確たる思いが巡り、閃きました。人の志の大切さ偉大さ、これこそが人を生かし救う道であると…。
 この大仏は二度の火災により大破しており、殆ど原型を留めていません。それ故に、飛鳥の様式を備えておらず、国宝になれないそうなのです。しかしそんな事は、私達にはさしたる問題ではありません。何はともあれ今日までそこに存在していた事実だけでも、1400年の大きく重い価値があるのです。
 参考 飛鳥寺のしおり
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2009年04月10日

野の花12  シロバナノヘビイチゴ 明日香村 2009.4.5

シロバナノヘビイチゴ
シロバナノヘビイチゴ(白花の蛇苺) バラ科オランダイチゴ属
 野苺の一種であり、白色のやや大振りな美しい花を咲かせます。その名の蛇苺とは人の食べるものではないの意で、鳥や獣の食べるもの…、美味しくないよ、お腹壊すよ…。私にはこの名にそんな大人達の子供への戒めが感じられました。ところがこの苺の実はとても甘くて美味しいのです。真に自然は豊かなもので、蛇苺であろうと木苺であろうと美味しく、戒めなどは直ぐに解け、昔の田舎の子供達には素敵なおやつになったのです。初夏には立派な実が生ります。私達も食べてみましょうか?。鳥や獣の分は残してね…。
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野の花11 ナズナ 明日香村 2009.4.5

ナズナ
ナズナ(撫菜・ペンペングサ) アブラナ科ナズナ属
 「ペンペングサも生えない」などと俗に言われるペンペングサでイメージは悪いのですが、撫菜(なでな・ナズナ)と呼ばれれば愛らしい…と思われますよね?…。しかもナズナは食用や薬用に用いられ、極めて有用な草と言えるのです。アブラナ科特有の四弁の十字花は小さいけれど、沢山集まれば白いレースのようで涼しげで美しい…。本当によく見るとその真価が分かります。果実が三味線のばちのようなのでペンペングサの別名となりましたが、実の茎の付け根を割いてくるくる回すとザラザラと音がします。この辺もペンペングサの名の由来かも知れません。とにかく楽しい草で、私は田舎道を歩けば何時の間にかこの草を探してしまいます。ここは群生していたので美しさが際立ち、とても嬉しかったのでした。
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野の花10 キンポウゲ 明日香村 2009.4.5

キンポウゲ
キンポウゲ(金鳳華、別名・ウマノアシガタ) キンポウゲ科キンポウゲ属
 キンポウゲ科は美しい花の集まりです。どれもこれもが極めて個性的で強く美しい、人の鑑賞に耐え得る特別の一群と言えます。このキンポウゲはその一群の代表で、テカテカと光る黄色の花弁を金の鳳凰の羽に見立てた命名と思われます。正にこの黄金色は遍く人を魅了し、金鳳の名に相応しいと実感させます。
 別名のウマノアシガタはこの草の根生葉が馬の足形に似ているところから名付けられたものですが、図鑑には余り似ていないと記されています。古くから使われた馴染み深い名らしく、昔の書物にはこの名が記載されている事が多いようです。
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野の花9 カンサイタンポポ 明日香村 2009.4.5 

カンサイタンポポ
カンサイタンポポ(関西蒲公英) キク科タンポポ属
 日本に自生するタンポポの中では小振りであり、随分華奢な感じを受けます。花色もこころなしか薄いようでレモン色に見えます。名の如く近畿以西に多く自生し、東のカントウタンポポと棲み分けをしています。因みに東海地方にはトウカイタンポポがあり、日本のタンポポは比較的狭い範囲で生き継いでいるようです。
 写真のタンポポは今し方、蕾から開き始めたばかりであり、まだ受粉はしてないようです。その清らかさ愛らしさに思わず私は声を掛けてしまいました。「頑張れよ!、沢山子孫を残せよ!」と…。
 
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野の花8 レンゲソウ 明日香村 2009.4.5

レンゲソウ
レンゲソウ(蓮華草・ゲンゲ) マメ科ゲンゲ属 
 昔、日本の水田を紅紫に染めていたレンゲソウ。田植え前には土に梳き込まれて田の肥料(緑肥)となりました。そして肥えた土になって豊かな実りの約束を果してきたのです。ところが現代の農家は化学肥料に頼ってレンゲソウを使いません。敢え無く、春の農村の風物詩・紫雲棚引くレンゲ畑は少なくなってしまいました。ここ明日香村も菜の花畑は作ってもレンゲ畑はありません。美しき棚田も何もなく土が見えているか、菜の花畑だけでした。でも僅かでありますが、畦にはレンゲソウも咲いていました。昔植えられた一部が野生化し、しぶとく生き残っていたのです。毎年少しのタネがこぼれてはこうして芽を出し花を咲かせ、命の糸を繋いでいるのです。頑張れレンゲソウ!、何時までもそこにいてくれ!。私は君たちを愛で眺め、写真に撮ったのだよ!。
 レンゲソウは中国原産のマメ科の草で、マメ科特有の根粒バクテリアを根に持ち、空中窒素を固定する事ができます。すなわちレンゲソウは土中に窒素分がなくても生育でき、しかも土中の窒素分を増やす働きを持つのです。長く水田の土壌改良に役立ってきたのです。

 山渓「日本の野草」より
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野の花7 キランソウ 明日香村 2009.4.5

キランソウ
キランソウ(金瘡小草、別名・ジゴクノカマノフタ) シソ科キランソウ属
 何処の田舎にも見られる多年草です。立ち上がらずに四方に這い、多くの花で株を覆います。その花はシソ科特有の唇弁で濃い紫は美しく、春の道端でよく目立ちます。私は思わず目を奪われて見惚れてしまいました。人には名も知られない花と言えますが、世には美しい花も多々あるものです。
 別名のジゴクノカマノフタは「地獄の釜の蓋もあく」の慣用句から取られたようですが、私にはその名付けの根拠は不明でした。因みにこの慣用句は盆と正月の休み・藪入りを指す句と言われています。私は地獄の鬼も釜の蓋を開けて休むのだから、世間の働く人も休ませようと言う意と解釈しましたが、如何でしょうか?。
 キランソウと言い、ジゴクノカマノフタと言い、面白い名を付けるものですね。感心します。

 参考図書 山渓「日本の野草」 広辞苑
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野の花6 スミレ 明日香村 2009.4.5

スミレ
スミレ(菫) スミレ科スミレ属
 この花に会えるのもほんの一時、僅かな間に花開き散り失せる花です。丁度桜の咲く季節に咲き、桜と同様に瞬く間に散り行くものです。皆様も花見のついでにこの花を見つけては如何ですか?。上ばかり見ずに下も覗けば、きっと路傍の日当たりに咲いているでしょう…。
 地方の花見では必ず見つけられますよ…。
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今宵の宿と明日香村の花々

宿の膳
祝戸荘の夕食 アマゴの塩焼きなど
 雨の吉野を発ったのが夜の六時過ぎ、最早薄暗くなり闇は降り始めました。今宵の宿の“飛鳥の宿・祝戸荘”に電話を入れたところ「初めての方は暗くなると迷われるので気を付けていらしてください。石舞台古墳までいらしたら電話してください、誘導します。」と言われ、嫌な気になっていたら案の定、迷子になりました。皆でああだこうだと言い合いもめながらも、やっとの事で宿に辿り着く事ができました。もう私達以外の宿泊者は全員夕食をとっていて、私達も早速、食卓に着き料理を賞味しました。メインの品はヤマメの南日本型であるアマゴの塩焼きで、香ばしく中々の珍味でした。風呂は温泉ではありませんが、よく温まる清潔な湯で、思う存分足を伸ばして極楽気分を味わいました。また部屋は二十畳の広大な畳敷きで、中央に三人の女子がのうのうと寝て、私は隅でひっそりと寂しく、しかし安らかな眠りに就いたのでした。ここは国営飛鳥歴史公園祝戸地区内にあり、飛鳥保存財団が運営する宿舎です。

 翌日は飛鳥の遺産を巡りました。そしてその合間には明日香村の野に咲く花々を愛で、写真に収めました。このあと順次、その素敵に愛らしい花達を紹介して行きます。お楽しみに…。
posted by 三上和伸 at 21:02| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

間奏曲112 桜散る

 今、庭の染井吉野が散っています。はらはらと淡雪のように…。昨日は風も強く、もっと盛大に吹雪のように…、前が見えない位に舞っていました。それを見るにつけては、現代人の私でも何か切ないものを感じ、胸が痛みました。もう標高を上げ、緯度を遡る以外に桜に会う事はできません。この思いこそが春愁と言われる言葉に置き換えられたのでしょう…。昔の人と今この刹那、心一つに結ぶ事が出来た気がしました。
posted by 三上和伸 at 08:03| 間奏曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月08日

日本の景色11 吉野山漫遊 2009.4.4

 私達一家四人は長女の誘いに乗り、吉野、飛鳥(明日香村)に旅をしました。初日の吉野は生憎の雨で苦難の旅となりましたが、荒天の旅も乙なものと覚悟を決め、霞むおぼろ気な桜を愛で、神社仏閣の佇まいを楽しみました。日本の歴史の表舞台となった記念すべき名所であり、その時の重さを感じ取る事ができました。

 
 1、吉野の山桜・下千本の桜
下千本の桜
 吉野山は金峯山寺(きんぶせんじ)を主とする信仰の山です。その金峯山寺の御本尊・蔵王権現像は桜の木で彫られていました。それ故に桜が珍重され保護・献木が行われ、吉野山一帯に植えられ吉野は広大な桜山となったのです。桜木は古来より白山桜が選ばれ、それは今日までも変わらず、この山桜が植えられています。江戸期に生まれた染井吉野の遥か昔から植えられていたもので、伝統は違えずに守られています。葉と花が同時に出る山桜は深い色彩の陰影に富み、山を晴れやかな春色に染め抜きます。この日は雨に煙り春色とは申せませんでしたが、幽玄な佇まいを見せ感動的でした。
 尚、金峯山寺の案内には、新たな献木を募る記事がありました。桜山は益々絢爛を極め、私達を誘う事でしょう。私も三度目の逢瀬を今から楽しみにしています。


 2、金峯山寺(きんぶせんじ)・蔵王堂(国宝)
金峯山寺の蔵王堂
 紀伊半島の中央を占める大峰山脈、その端緒が吉野山で、そこから山上ヶ岳に至る金峯山の道は、万葉の頃より山岳信仰の聖地でした。七世紀末、修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)がこの金峯山で修業をし、蔵王権現を頂き、その姿を桜の木で刻み、お堂を建てて祀りました。それが金峯山寺であり、蔵王堂です。但し、蔵王堂は後に戦で焼け落ち、現在の蔵王堂は豊臣秀吉が安土桃山時代に建立したものです。
 今回は金峯山経塚遺宝特別展が開かれており、参拝と同時に多くの宝物を閲覧しました。


 3、柿の葉寿司
柿の葉寿司
 雨の中傘を差し、歩いて観光をしていると疲れも出、また腹も減り、私達は茶店で昼食を取る事にしました。私は冷えた体を温めるため、狐うどんを所望しましたが、後の三人は名物の柿の葉寿司を注文していました。うどんは薄口の関西風で汁が旨く、私は「うどんはこうでなくちゃならない!」と一人納得し、すこぶるご機嫌でした。皆がたのんだ柿の葉寿司の味は如何かな? 勿論大変美味しく頂けたそうです。素朴で温かみのある見るからに美味しそうな寿司ですよね!…ね!…?
 ところで私のうどん指名は正解でした。体が温まり、その後の体調は優れましたが、妻は旅行後風邪をひき苦しみました。気の毒な事をしました。無理にでもうどんを勧めておけばよかったのにね…。
 追伸 妻の御膳には温かいソーメン(ニューメン)が入っていたそうです。風邪ひきを悪化させたのは冷えた食べ物ではなかったようです。悪しからず。


 4、吉水神社(重要文化財)
吉水神社
 吉水神社は明治維新に神社と名が改まりましたが、それまでは吉野修験宗の僧坊(元吉水院)でありました。この元吉水院が最初に歴史の表舞台に上ったのは、頼朝に追われた弟の源義経の亡命先となった折節でした。弁慶と静御前を連れ、この院を頼り潜伏したのでした。後の彼らの命運は皆様良くご存じの顛末ですが、この夫婦の、この地での今生の別れは哀れ極まりなく、正に悲劇的ですね…。
 また後醍醐天皇の南朝の皇居としても、この院は重要な役割を果たし歴史に名を刻みました。この地での後醍醐天皇の心持は如何なものであったか? この歌が何がしかの思いを表していると思われます。“花にねて よしや吉野の吉水の 枕の下に石走る音”。義経の時と同様に、やはりこの吉野の院は潜伏、遷幸の地となり、歴史の悲劇の舞台となりました。今、様々を想えば、何ともその時の重さと空気の重さが感じられる、雨の降り止まぬ吉水神社でした。 
 更に豊臣秀吉もこの院の歴史の舞台に登場しています。この院を本陣として、秀吉自らが花見の宴を開いたのであり、それは末代まで語り継がれる前代未聞の花見でありました。先の二人の英雄の時代とは趣を異にした登場であり、この元吉水院は豪華絢爛の輝かしい舞台ともなり得たのでした。
 そして更なる舞台は、一目千本の現代の桜の舞台。それを望む最高の「見わたしの いとよき所」の広場がすぐ傍にあります。この日は雨霧に何も見えず、ただ虚しく乳白色が広がるばかりでした。多くの旅人は皆、呆然とそこに佇んでおりました。私もその内の一人として「残念!」…。
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2009年04月06日

自然通信56 愛しの山桜 吉野山 2009.4.4

吉野の山桜
自然通信56 愛しの山桜 吉野山 2009.4.4
 この季節、誰もが桜を想い、お花見をする事でしょう。私も娘の誘いに乗り、勇んで再びの吉野山へ出向きました。しかし私の日頃の行いの悪さからか、本降りの雨に山は乳白色のベールが掛かり、一目千本の絶景は望めませんでした。悔しいやら情けないやらで悲しみに沈みましたが、こうして間近の桜が雨の中に幽玄に浮かび上がり、嘆きの私を慰めてくれました。胸に熱いものが込み上げてきました。
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2009年04月02日

間奏曲111 か弱き桜の女王・染井吉野

 開花より十日以上も経過して、ようやく東京の染井吉野が満開を迎えたそうです。ところが、我が住まいのある横浜の郊外ではまだ三分咲き程度で極めて遅れています。開花当時の花は最早虚しくも散り、地を艶美な敷き花弁で彩っています。昨年は開花から五日で満開を迎えたのに、この激しい落差は何なのか? 我ら花狩人には何とも苛立たしく切ない日々が続いているのです。
 桜の女王は殊の外温度に敏感なようです。この染井吉野の思いもよらぬ屈折も地球の規律の狂い、地球温暖の前兆の一つの表れと言えなくもありません。か弱き女王・染井吉野からはそう言った意味でも、毎年目が離せなくなったようです。我らが庭の大木の染井吉野は裾と上部では花期が違うのです。もう十日余りもすれば裾は葉桜となり、上部は満開となる筈です。恐ろしい事ですが、真に可笑しな景色が現れるのです。
 
 今は夜の十一時過ぎ、上弦の月が冴え渡っています。日中の強い北風に空が澄んだお陰です。私の染井吉野によるもやもやをこの月が晴らしてくれました。上弦の月とは、満ちて行く過程の半月を指します。今回は七夜の月です。
posted by 三上和伸 at 23:24| ☔| 間奏曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする