2013年03月16日

ピアノ曲を聴きましょう2 ノクターン第1番 変ロ短調 OP9-1 フレデリック・ショパン 2013.03.16

 ノクターン、夜想曲と題されたショパンのピアノ曲集は、全二十数曲ありますが、作曲年代は全生涯に亘っており、最もショパンを知る上で大事なジャンルと言えるでしょう。遅いテンポで静かに夢見るようなセンチメンタルな旋律、ゆったりと幅広い音域を行き来する伴奏、ペダルの効果を最大限活用するその協和音の響きは正に夢幻的と言えます。時にゆっくりと静かに囁き、時にきらびやかに上下する音階、ピアノの美音をこれ程までに意識し作られたピアノ曲は空前絶後でしょう。

 1830年から翌年にかけて作曲されたノクターン第1番変ロ短調は三部形式の曲。一部の冒頭は甘く切ない右手の旋律だけで始まり、直ぐにアルペジオの左手の伴奏が追いかけます。協和音の澄みきった響き、下降音階を挿入した美しいとしか言いようがない旋律、これこそがピアノエンタテイメントショパンの極致と言ってよいでしょう、そのピアノの美音に身も心も痺れます。

 中間部は雰囲気を変え、夜のしじま(無言)に一人囁くような風情で進み、次第に思いは乱れ高揚しピークを迎えますが、やがて今度は尚も静かに消え入るように終わります。

 三部では再び冒頭の旋律が表れ、今度は一部よりやや力強く華麗に響かせ、最後に胸にわだかまる切なる想いを刻印して名残惜しげに終ります。その時結尾では一瞬不協和音が鳴るのです。意味深で興味深い不協和音ですね。何を意味している事やら…
posted by 三上和伸 at 21:59| ピアノ曲を聴きましょう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする