1994年のサンレモ音楽祭で新人賞を獲得したアンドレア・ボチェッリの「君と旅立とう」が下敷きにある曲で、翌年、タイム・トゥ・セイ・グッバイ(さようならを言う時)の名で発表されました。イタリア語の歌詞の一部を英語に直したバージョン。イタリア歌曲(カンツォーネ)が下地にある力感あふれる歌です。
弦楽器の美しい序奏で始まるダイナミック(活動的)な曲。先ずはソプラノのヘイリーが歌い出します。正に天国的な天使の歌声に魅了されます。ヘイリー、細く伸びやかなソプラノ、ぶれない音程、私は好きですね。
ヘイリーで十分な満足を貰った後、ラッセル・ワトソンが歌い出します。暖かいテノールの声、男性歌手にしては特筆ものの音程の良さ、ソプラノのヘイリーと遜色のない音程で歌います。完璧な歌唱の一曲。
ラッセル・ワトソン=イギリスのテノール歌手。元は旋盤工で全くの素人だった人。されど素晴らしい音感で、見事な音程の美声を持つ人、今日の成功は当然の結果と言えます。
ヘイリー(ヘイリー・ウェステンラ)=以前ここで紹介した「私を泣かせてください」を歌った歌手。ニュージーランド・クライストチャーチ出身のソプラノ歌手で、クラシカルクロスオーバーが本領と思われる美しいソプラノの持ち主。
二人の圧巻の声、男女の声の素晴らしさ、二重唱の醍醐味を堪能できる傑作でした。快い清涼感が広がりました。
ヒーリング・ボイスCD1-10
*クラシカル・クロスオーバー=クラシックやポピュラーなどの、ジャンルの垣根を越えて、両者の音楽を融合させたスタイルを言う、1990年代より盛んになり、優れた歌手が現れた。