2017年07月08日

音楽夜話31 古楽器によるブラームスの室内楽 浜離宮朝日ホール 2017.06.30

今日ではその音楽がその創られた当時の楽器で演奏されるコンサートが増える傾向にあります。近年、古楽器の修復がとみに盛んになり、年代物の楽器が調整されて使われる演奏会が音楽界を賑わせつつあります。一般にはバロックバイオリンやヴィオラ・ダ・ガンバ及びチェンバロを使ったバロック音楽に主体がありますが、19世紀の初頭から造られたフォルテピアノ(19世紀前後に作られた古いピアノ)によるピアノ演奏会(モーツアルト・ベートーヴェン以降の音楽)も頻繁になされつつあります。そんな時勢を踏まえて、今回のオール・ブラームス・プログラムは、古楽器・フォルテピアノを使ってのブラームス生前の当時の音を再現すべく、催されました。

シュトライヒャーのフォルテピアノ
フォルテピアノ、J.B.シュトライヒャー7150(ウィーン製)
総木製で平行弦張り、シングルエスケープメントのウィーン方式のアクションを持つピアノ。鉄骨が無いので、標準ピッチはa≒338Hzを採用しています。1871年製で、ブラームス38歳の時にウィーンで造られたことになります。これとほぼ同時期に造られた同じシュトライヒャーのピアノを引っ越したばかりのウィーンカールスガッセのアパートにブラームスは搬入(1871年)しています。そしてそれはブラームスが死ぬ(1897年4月)まで使われました。

製造されてから146年を経過したフォルテピアノ・シュトライヒャー7150、良く調整されており、調律も確かでした。 

ヴァイオリンとチェロ
今回の演奏会のヴァイオリニストの佐藤俊介の言う事では、一番低いG線以外はピュア・ガット(銀線を巻かない裸のガット弦)を張って演奏に臨んだそうです。

チェロも高弦の2本をピュアガット弦に、そしてエンドピン(床に突き立てて楽器を支える棒)無しで、足で包み込むように支えて弾いていました。

*ガット弦=羊の腸を撚り合わせたもの、柔らかく自然な音色を持ち、弦楽器の最高の弦、しかし大変切れ易い。

曲目は、ヴァイオリンソナタ第2番イ長調作品100、チェロソナタ第1番ホ短調作品38、そしてピアノ三重奏第3番ハ短調作品101でした。

以上の華やかさを抑えた楽器仕様、当然出てくる音はしっとりと静か目、しかし重厚な音塊を持つ、この音響がブラームスの思い描いた音色。

あのヘルミーネ・シュピースの色香が香るヴァイオリンソナタイ長調(1886年)、美しさこの上ない絹の肌心地がする演奏でした。

チェロソナタホ短調(1865年)は、あのフーガが唸りを挙げて邁進するもの、圧倒的な迫力で走り去りました。

ピアノ三重奏曲ハ短調(1886年)はアンサンブルを楽しむ曲、三者のビロードの音が交錯し、最もブラームスの息吹きを感じさせました。目を閉じればブラームス(ピアノ)、ヨアヒム(友人のヴァイオリニスト)、ハウスマン(友人のチェリスト)が目の前で私の為だけに弾いてくれている感じ、130年のタイムスリップ、贅沢な時間でした。

フォルテピアノ:スーアン・チャイ
ヒストリカル・ピアノ(歴史的なピアノ)の演奏に定評のあるピアニスト。フォルテピアノによるベートーヴェンピアノソナタ全集のCDを発表し、高い評価を得ています。

ヴァイオリン:佐藤俊介
モダン、バロックの双方のヴァイオリンをこなすヴァイオリニスト。アムステルダム音楽院の古楽科教授。

チェロ:鈴木秀美
チェロ奏者及び指揮者として活躍しています。主にバロックが専門で、バッハの権威として知られています。


                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                
posted by 三上和伸 at 20:00| 音楽夜話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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posted by 三上和伸 at 07:49| 一日の初めに… | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする