400年の歴史がある甘酒茶屋、旧箱根街道の中腹にあります。400年、家康が死んで10年程しか経っていない江戸初期の事始め、東海道が開通して直ぐに開店したようですね。参勤交代や旅人のお休み処して繁盛し、諸国に知れ渡っていたとか、箱根関所の少し下、丁度良い距離にあったのですね。私も過去に数回訪れていましたが、混雑の中の立ち寄りで、余り思い出がありませんでした。そこで今回、ゆったりとじっくりとこの江戸の昔の旅風情を楽しみたいと、平日の午後の暮れ泥む中を訪ねたのでした。
色付く椛(もみじ)を傍らに、茅葺の古民家が現れました。これまで何度も改築され、創業当時の面影は無いそうですが、やはりこの辺りはタイムスリップしたような鄙びた異空間が感じられました。赤穂浪士の神崎小五郎も立ち寄ったと言われる甘酒茶屋、まるで私は江戸の町人、お伊勢参りの弥次喜多同様の風来の旅人、時代錯誤の空想に耽り、夢心地で過ごしました。
お品書きと囲炉裏の板の間
ここの現在の経営者は創業当時からの血を引く13代目の主人。代々伝統を守り、看板の甘酒を造って来たそうです。これも知って驚きの現実ですね。400年、一族で続けて来られたその秘訣?、何なんでしょうね。
米と米麹だけで造る甘酒、一切の添加物を使わないそうです。優しい甘さ、不思議ですね、砂糖も入っていないのだそうです。ホッと一息、安堵の溜息が漏れます。鶯餅は青大豆を挽いた黄な粉で造るそうです。もっちり餅々、美味し!