2008年10月08日

自然の風景6・秋の乗鞍岳

 秋の乗鞍岳 2008.10.04
 乗鞍岳は自然の宝庫と言われ、様々な風物や動植物に満ちています。そしてそれは四季折々の姿を現し、一時も止まる事を知らず移ろい行きます。自然を愛する者に変化に富んだ風景を見せてくれるのです。今は秋、この季節の素敵な乗鞍の一齣を、ここで皆様もご覧になってください。

1、乗鞍の花 
 高山の花の季節は夏ですが、秋にはその名残とも言える跡形が残っています。今回はヤマハハコとチングルマの成れの果てをご紹介致します。
 @ヤマハハコ(山母児・キク科ヤマハハコ属)
ヤマハハコ
 ハハコグサ(オギョウ)やエーデルワイス(ウスユキソウ)の親戚に当たる草で、背はやや高く多くは叢生し群生もします。白く乾いた総苞片が美しく、ドライフラワーとして好まれます。この写真の株もかなり乾燥が進んでおり、ドライフラワーの一歩手前と言ったところでしょうか。
 亜高山帯に多く、高原や山の斜面などに見事に群生した姿が見られます。

 Aチングルマ(稚児車・バラ科ダイコンソウ属)のそう果
チングルマ 
 高山のお花畑によくある草で、写真にある秋の実成りのこの姿こそがチングルマの名の元となりました。これは子供の風車に見える所から名付けられたものですが、皆様は如何思われますか? 私には小さな風車に見えます。稚児の風車が訛ってチングルマ、何て愛らしい名前なのでしょう。
 夏早くここを訪ねれば、一重の白薔薇に似たこの草の花に出会えます。それは清楚な高山の名花です。

2、乗鞍の紅葉(高山帯)
 @ダケカンバ(岳樺・カバノキ科カバノキ属)
ダケカンバ写真中央の針葉樹はシラビソ(白檜曾)です。
 この標高(2300M)になると最早、緑のシラビソは疎らとなり、その隙間を黄色く色着いたダケカンバが埋めています。ダケカンバは高山に生える樹木なのです。白樺とは兄弟の関係にある種で、白樺より標高の高い所に生育し、白樺に比べ幹の色が濃く灰褐色に見えます。また葉の光沢も勝り数も多く、その質感は確かなものです。高山の黄葉の代表と言えます。

 Aウラジロナナカマド(裏白七竈・バラ科ナナカマド属)
ナナカマド
 高山の紅葉の赤色を代表する品種で、説得力のある紅は秋の高山の華と言えます。その燃え滾る様は鮮烈であり、正に圧巻です。またその果実は紅葉より先に赤く色付き、たわわに実り、葉が落ちた後も残り紅に輝きます。

3、雪渓
雪渓
 岩の露出した登山道を登って行くと視界が開けてきました。そこには雪渓(残雪)が垣間見え、数人が夏(秋)スキーをしている所でした。本日は晴れで温かく、眼下の紅葉を望みながら、最高の気分で滑れたのではないでしょうか?

4、剣が峰(3026M)
剣が峰
 沢筋のガレ場から見上げた乗鞍岳の最高峰・剣が峰です。その左右の裾には二つの雪渓が残り、笑窪のようで、風景に愛らしいアクセントを添えています。手前の植生は這松帯で、そこに岳樺(黄)と七竈(赤)が棲み分けをしています。数日前に降雪があったそうで、岳樺と七竈はやや痛んでおり、この辺りは本来の錦織り成す素晴らしい景観とはいかなかったようです。
posted by 三上和伸 at 08:42| 自然の風景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする