2008年12月22日

自然通信55 秋谷立石より相模湾を望む2008.12.16

 この日私は来年の年賀状のテーマ写真を撮るべく湘南海岸を訪れました。それは仕事の合間の一寸した時間を活用したため時間に余裕はなく、テキパキと事を進めなければなりませんでした。まずは湘南国際村から西を眺め富士を確認しました。ところが何故か富士は機嫌が悪く、雲の空き間にしばしば顔を覗かせるだけで、これは使えないと決断しました。しかし相模湾は穏やかに凪いで紺碧の水を湛えており、すかさず私は直ぐ近くの秋谷立石海岸へ降り、ここからの相模湾の風景を選ぶ事にしたのです。目論見は見事に当たり、美しい相模湾と溶け合う漁の小舟の床しさと、子産石に纏わる地の優しい人との出会いに楽しい思い出を刻む事ができたのです。そしてこれを自然通信55としました。

立石からの相模湾
 自然通信55 秋谷立石より相模湾を望む 2008.12.16
 日本は四方を海に囲まれています。その意味するところは想像に敵わない長大な海岸線を有していると言う事です。しかし様々な理由で自然の海岸は少なく間近まで堤防が迫っています。ここ秋谷立石もそれを免れてはいませんが、相対的に見てより美しく自然が残っている方でしょう。特に岩礁は無傷であり、それに溶け合い続く相模湾は滑らかに広がり、正に浮世絵の如く優美な景色を現わしています。日がな一日、そこでは小舟を使い覗き眼鏡漁が行われており、過酷な労働の漁師には悪いのですが、それは一服の絵のようで私は心洗われました。
 私はこの地で産出される子産石(こうみいし)と呼ばれる安産のお守りとなる石を見たくて、祀ってある場所を住民の一人に教えを請い、訪ねてみました。そこには球形の巨大な子産石が丁寧に飾られ鎮座していました。帰り掛けにその方が私に小さな子産石を一つ分けてくださり、この善良な優しい人は「撫でてあげてね」と笑顔でおっしゃいました。私は「ありがとう、お世話になりました。」と感謝を込めて礼を言い、そこを立ち去りました。手には子産石、胸には温もりがありました。
posted by 三上和伸 at 09:10| 自然通信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする