2009年12月07日

音楽の話12 「ドリー」と「ワルツ」

 少し前まで放映されていた保険会社のテレビCM、宮崎あおいがパーソナリティーに扮して海を望む木立の中のスタジオから柔らかなナレーションで語りかけていたもの…。その背後をたゆとう美しい二つのピアノ音楽、皆様は誰の何という楽曲だかお分かりでしょうか?

 一つはガブリエル・フォーレが作曲した組曲「ドリー」op56 の中の第一曲「子守歌」、静かで穏やかな響きを持ち時間がゆっくりと過ぎゆくような優しい曲です。
 曲名の「ドリー」はこの曲を捧げられたエレーヌ・バルダック嬢の愛称「ドリー」に因んだものです。正に曲の愛らしさにピッタリのうってつけの名前ですね。フランスの作曲家らしくフォーレは奥床しくて上品です。そしてその上善意に溢れていて素敵な人格者ですね…。

 もう一つはヨハネス・ブラームスの「16のワルツ第15番変イ長調」op39-15、無骨なブラ-ムスにしては上品な曲であり優雅ささえ湛えています。でもやはりそこは北ドイツ人、その底に熱情と哀愁が潜んでいるようです。力強いセンチメンタリスト、それがブラームスですね…。

 正反対のように見える二人の音楽家、でもそこに人間の情と言う尊い感情で繋がっているように私には見えます。人間への深い共感とでも言いましょうか…、信頼とでも言いましょうか…。それはあの天才・モーツァルトにも繋がる精神です。涙無くしては聴けない音楽…。

 このCMの発案者の見識に敬意を表します。
  
 
posted by 三上和伸 at 22:52| 今宵の名曲・音楽の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする