2010年04月22日

音楽の話20 生誕二百年の不平等

 皆様もご存じかと思われますが、今年は生誕二百年の大作曲家が二人います。ショパンにシューマンですが、どうもシューマンはショパンに比べ人気の面で旗色が悪いようです。新聞のコンサート広告などを見てもショパンの記念演奏会は沢山ありますが、シューマンのは余り見かけません。残念な事です。

 ショパンはピアノの詩人と呼ばれていますが、シューマンは何と呼ばれているか分かりますか? 実は何もないのです。シューマンこそはショパンに負けず劣らずのピアノの詩人であると私は確信しているのですが…。その作品の交響練習曲やクライスレリアーナはピアノ音楽の傑作であり、ショパンのエチュードやバラードなどに比べ、なんら遜色はありません。ただ一つ言える事はショパンの圧倒的な娯楽性の説得力による人気の高さが優る事でしょう。そのピアノの響きの甘い陶酔は他のどんな作曲家にも真似できない唯一無二の天分でしょう。しかしシューマンには優しい心があります。そっとピアノに触れる繊細で奥床しい溜息のような音があります。あのトロイメライを思い浮かべてください。そこには誰をも安らかな夢に誘い込む慈しみの愛があります。
 もっとシューマンに注目してください。
posted by 三上和伸 at 22:45| 今宵の名曲・音楽の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする