2010年05月20日

とっておきの花2 アヤメの花比べ

 いずれはアヤメかカキツバタと言われるように、アヤメの類は見分けが付き難いと人は言います。そこでそんな方々に私がアヤメ科アヤメ属の花を一堂に集めて、お教え致しましょう。何れも美しい花ですが、ここに載せるのは日本に自生する野生種であり、花菖蒲やアイリスなどの園芸種は入れていません。
 
シャガ(射干、胡蝶花) 2009.04.07
シャガ
美しい花模様が蝶のように見えたのでしょうか。胡蝶花、素敵な名前を付けたものですね。またシャガの名は桧扇に似る葉から導き出され、桧扇の漢名の射干(しゃかん)を当てたものです。
花は一日花であり、朝開いて夕刻には萎みます。美人薄命ですかね。

ヒメシャガ(姫射干) 2009.05.01
ヒメシャガ
シャガより更に紫が濃い美しい花です。小振りですが多花性であり、株一面を花が覆い尽くします。誰をも惹きつける魅力ある花です。

アヤメ(文目) 2010.05.18
アヤメ
はなびら(外花被片)の基部には黄色と白及び紫色の虎斑模様があります。これが文目の名の所以です。湿原の縁や草原に多く、良く群生します。アヤメ(菖蒲)の中の正真のアヤメです。

カキツバタ(杜若、貌佳草) 2010.05.18
カキツバタ
外花被片には虎斑模様がなく、白色の楔模様があります。故にシンプルな作りであり、明るい紫の色と相俟って端麗な佇まいを魅せます。湿原に群生する花で、一度は観る価値があります。それは驚愕の紫の海となります。

ヒオウギアヤメ(桧扇文目) 2010.05.18
ヒオウギアヤメ
最も高山型のアヤメで、湿原の地塘などでよく見られます。その外花被片には立派な虎斑模様があり、自らアヤメである事を主張しています。高山の透明な光の中でその薄紫は冷気を誘い、山人に暫しの涼みと安らぎを与えてくれます。

キショウブ(黄菖蒲) 2010.05.18
P5181562.JPキショウブ
明治の頃に渡来した外来種です。初めは鑑賞用に育てられていましたが、やがて半野生化し都市近郊の水田や沼に自生しています。五月の陽光に照り映える黄色は正に金色へと昇華し、圧倒的な輝きを呈します。

ノハナショウブ(野花菖蒲) 2009.06.10
ノハナショウブ
菖蒲園などで見られる園芸種のハナショウブの親(原種)です。この親子、基本は同じ性質なので花時は六月で一緒です。普通のアヤメ類に比べ一月前後遅く咲きます。
 京紫と呼ばれる赤みの強い紫と外花被片基部の黄色の楔模様、そして無駄を排したスレンダーな立ち姿、誠に気品に満ちた出で立ちです。子孫の花菖蒲達にはない野生の輝きがあります。
 私は京紫の貴婦人と称してこの花を称えたいと思います。
posted by 三上和伸 at 00:36| とっておきの花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする