2010年11月09日

音楽の話31 ファドの女王・アマーリア

 妻がポルトガルから買ってきてくれた土産の中にファドのCDがありました。勿論、妻はリスボンのレストランでライブを聴いたそうで、興奮冷めやらぬ思いを私にぶつけてきました。ギターラ(ポルトガルギター)とヴィオラ(クラシックギター)の二本のギターの伴奏で歌われ、男女の歌手が出演していたなどと教えてくれました。そしてその歌の内容も男女の下世話な痴話から人生の哀歓を滲ませる真面目なものまで幅広く奥行きがあるなどと申しておりました。私は羨ましく思い、早速そのCDを車に持ち込み、それから毎日仕事や買い物の移動時間に聴き続けました。

 CDのタイトルには英語で「ファドの女王・アマーリア」と書かれてあり、後は曲目ほか全ての活字がポルトガル語で私には全く意味不明でした。仕方なくネットで調べたところ、ファドの女王と呼ばれているのはアマーリア・ロドリゲス以外になく、このCDはこのアマーリアの歌のものであると分かりました。全十三曲の歌が入っており、どれもこれも素晴らしく私はこの歌姫に魅了され魂を奪われました。

 歌姫、それは私にとって特別の存在、オペラのマリア・カラス、ドイツリートのエリザベト・シュワルツコップ、ミュージカルのジュリー・アンドリュース、ポップスのカレン・カーペンター、歌謡曲のテレサ・テン、そんな女性たちが想い浮かびます。うぶな少女、輝く乙女、貞淑な妻、優しい母、そして魔性の女、女の喜びと悲しみ、その全てを持ち合わせその全てを歌い出せるのが歌姫。このアマーリア・ロドリゲスもそんな歌姫の一人であると私は断言できます。

 ファドは運命とか宿命を表すポルトガル語、イタリアのカンツォーネやフランスのシャンソンと並ぶポルトガルの民族歌謡です。ファドは1820年頃に生まれ、やがて多くの名歌手が生まれ隆盛を極めて行きます。そして遂に二十世紀半ばにアマーリア・ロドリゲスが現れ、絶頂を極めます。アマーリアの歌は半世紀を過ぎた今日でも全く古さを感じさせない、最も新しい今生まれたばかりのような音楽です。

 参考:ウィキぺディア・ポルトガルファド
 
posted by 三上和伸 at 09:22| 今宵の名曲・音楽の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする