2010年12月31日

音楽の話35 大晦日の第九

 寅年の私の還暦の年である今年も後数十分足らず、大晦日の夜も更けて行きます。今第九を聴き素晴らしい演奏に感激していたところです。これぞベートーヴェンと称えられるべき演奏で、大袈裟な振りもなくとても端正でした。

 音楽を他の芸術に負けない地位に築き上げたベートーヴェン、その最大の証がこの第九です。ベートーヴェンは常々「わたしは音の詩人になる」と公言していました。それは詩人のゲーテやシラーを意識しての言動でした。果たしてベートーヴェンは詩人になれたのか、現代ではそれを疑う者は皆無でしょう。人類の平和を命がけ(自身の病気や反動勢力からの弾圧)で音楽に表したのですから…。「大詩人」です。

 その後はクラシックハイライト2010を視聴しました。小澤征爾のチャイコフスキーや佐渡裕のヴェルディのレクイエム、樫本大進他のブラームスのピアノ四重奏曲ト短調も素晴らしかったです。でも私を虜にしたのはロイヤルバレエの吉田都のジュリエットでした。こう申すと私の女性の好みがばれてしまいますが、えっ、もうとっくにばれている? ほんともう骨抜きにされちゃいました。バレエ、オペラ、フィギュアスケート、これらは正しく女性のものですね。勿論鑑賞の側からすれば絶対に男のものですけれどね…。男に生まれた幸福を最大限に味わえる瞬間ですよね。

 最後に一言。庄司紗矢香のヴァイオリン・ストラディヴァリウスの以前の持ち主は何と彼のブラームスの盟友のヴァイオリニスト・ヨーゼフ・ヨアヒムだったそうです。凄い事ですね、十九世紀後半のヴァイオリンの権威の持ち物だったんですものね。因みにヨアヒムはあの傑作・ベートーヴェンのヴァイオリンコンツェルトを世に広めた立役者です。また更に、ブラームスがヴァイオリンコンツェルトを書いている間にブラームスが辟易するほど「未だか未だか何時完成するのか」とおねだりの催促をした人でもあるそうです。既に第一楽章のカデンツを自ら作曲し初演の段取りまで決め、曲が完成するのをひたすら待っていたそうです。ヨアヒムとはそんな男です。勿論、この曲はヨアヒムに捧げられ、ヨアヒムは全ヨーロッパにこの曲を知らし示しました。
posted by 三上和伸 at 23:23| 今宵の名曲・音楽の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする