2011年05月24日

今宵の宿 飯田城温泉・天空の城三宜亭本館 2011.5.14

私達が利用宿泊した飯田城温泉は今から十余年ほど前に掘削湧出した新しい温泉です。高台の飯田城跡に隣接した立地にあり、崖下の飯田市内のみならず、東面に優れた眺望があるのが特徴です。伊那谷の背後には南アルプスが控えており、南アルプスを一望出来る宿が謳い文句となっています。但し、南アルプス前衛の伊那山地が本峰主脈への視界を遮っており、残念ながら一部仙丈ヶ岳や間ノ岳が観えるのみで、看板に偽りありと言うのがある意味妥当かも知れません。でも観える事は観えるので許してやりましょう。

また、城下町を今に伝える飯田城跡ですが、美術館などの公共施設がそこを占め、これもまた残念ながら城跡とは言っても名ばかりであり、かなり寂しいものがあります。唯一、旅館のすぐ向かいにある長姫神社だけが昔日の面影残しているのみです。この長姫の名は一時期、城の名に使われ、この飯田城は長姫城と呼ばれる事もあったと言う事です。この社の手水舎の水(湯)も飯田城温泉が使われています。温かいのです。

1、夕餉
鯉の甘煮
懐石料理でしたので妻は大喜び、大変満足したと仰せ?でした。しかしブロガーの私にはこの料理、厄介なものなのですよ〜。小出しに出される料理、食べるのと写真を撮るので大忙し、中々落ち着いて深く味わう事ができないのです。但し、この鯉の甘煮(うまに)だけは十分堪能しました。甘辛の濃厚な味付け、金目鯛などもこのようにしますが、鯉も独特の旨味を出し素晴らしい味わいがあります。私は妻と正反対で生ものが今一つなのですが、その代わり熱を加え調理した肉に魚介は大好物なのです。我が意を得たりで得心し賞味しました。

 *温泉
 どうも南信州はかけ流しではない温泉施設が多いようですが、ここ飯田城温泉は源泉かけ流しと循環の併用のようで、内湯には二か所に源泉の湧出口があり、飲用が可能でした。宿の主人に「何故、100%源泉かけ流しではないのですか?」と聞いたところ、「湯量は豊富なのですが、源泉温度が39度と低いため、広い湯舟では冷めてしまうので、循環加温をしています」との事でした。泉質は単純泉と言う事で、成分の種類は多いのですが、総含有量は少ないのだそうです。だから刺激が少なく肌に柔らかい入り心地の良い湯だそうです。確かに何時までも入っていられる実に安心な楽しめる湯でした。私は夕食前に1回、夕食後に1回、寝しなに1回、翌早朝に1回と、都合4回の湯浴みをしました。正に極楽の一夜を過ごさせて貰いました。
 
 温泉の効能は浴用では神経痛、リュウマチ性疾患、骨折や外傷の療養に効果があるそうで、飲用では胃炎の緩和に効果的との事でした。

 深夜の湯浴みは露天の星空の下で…、得も言われぬ眺め、素晴らしいの一語に尽きました。たった一人で湯舟に横になり、天を仰ぎました。東天に高く夏の大三角が…、この日は殊の外白鳥座が見事で、白鳥のくちばしに当たる三等星のアルビレオも良く観え感動しました。横浜では余り良く観えないのに…。更に南天にはさそり座が美しい…、さそりの心臓に当るアンタレスが赤々と煌めき更に美しい…。私は自分の心臓の辺りを押さえていました。

 私の心臓もあんな風に赤く美しいのかな…。もう何十分入っているのかな? あぁ、この幸せを終わらせたくない! 実を言えば、この宿泊費は次女が捻出してくれたのでした。それは私達夫婦の結婚記念日のプレゼントとして…。長女はスカンディアの食事を次女はこの宿泊費を…。私は幸福に酔いしれ湯舟でつらつらとそんな事を考えていたら、大好きな星星は次第に滲んで観えてきたのでした。私は既に朦朧としていました。ふっつと眠りそうになりました。危ない危ない、さぁ、出るとしますか…。


2、朝の散歩の折に偶然見付けて、市立追手町小学校
追手町小学校
昭和4年に建てられた鉄筋コンクリート3階建ての校舎。文化庁の登録有形文化財に指定されています。そして何より素晴らしいのはこれが現役で小学校として使われている事なのです。このような古い校舎が現役で使われているのは珍しいそうで、他に松本の深志高校があるそうです。

私達は朝の散歩で見付けました。年季の入った重厚な佇まい、古き良きものを観ると何故だか心が和みますね。よくぞ風雪を耐え忍んで来たものだと…。人間もそうありたいと今、この記事を書いてふと思いました。

実はこの散歩は名物?の金鍔焼き(きんつばやき)を買う目的もあったのです。愛らしい仲居さんに道順を聞いて飯田市街を下駄で漫ろ歩き、金鍔屋を目指したのです。朝早かったのですが、丁度店主が出勤してきて首尾よく買い求める事ができました。十万都市とは言えそこは田舎町、田舎者の私には大変歩き心地のよい愛らしい街でした。

*金鍔とは刀の金の鍔(つば)の事、他に銀鍔もあります。その鍔を模して焼いたのが金(銀)鍔焼き。米粉を煉り餡を包み、油を引いた金属板で焼いたもの。
posted by 三上和伸 at 22:57| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする