2011年07月26日

野の実7 スミレの実 2011.07.26

スミレの実 スミレ
スミレの果実とタネ        春のスミレの花
私のウォーキングロードの一角に生えたスミレ、スミレ科スミレ属の野(野生)のスミレです。濃い紫の花を咲かせるスミレで、名は何も冠が付かないただのスミレ…、スミレと言えばこの草を指します。こんなアスファルトの割れ目の隙間を好むのがこの草の性質で、ここは春の一時、割れ目伝いに紫が群れていました。その時、写真は撮り損ねましたが大変美しいものでした。

今は夏、夏のスミレはこの写真で分かるように花はありません。花は春の盛りの一瞬で終わります。でも果実(右上の紡錘形の莢)とタネ(左上の莢が三裂してタネが見えている)は確かにあります。この三裂した莢は乾燥と共に収縮し上に乗せているタネを次々に撥ね飛ばします。タネはここより遠くへ飛んで行き、スミレはより広範に繁殖する事が出来るのです。

ところでこの果実とタネは春に咲いた花のものだと思われますか? 先程申したようにスミレは春の一時しか咲かない花なのですから…。でも春四月に咲いて出来たタネ(五月頃には飛散する)はもうとっくに新天地に降り立ち芽を出して成長中です。では今のこの果実とタネは何処から来たのでしょうか? 実はこの果実とタネは咲かない花・閉鎖花(へいさか)から実ったものなのです。スミレは花弁を持って咲くのは春だけ、その後秋口まで蕾は出来ますが、花弁の無い閉じた花で、その中で自家受粉をしてタネを作るのです。何とも…謎めいた花なのです。

スミレは面白い性質を持つ特別の草。変な所に生え、変な繁殖をし、変に居たり居なくなったりの神出鬼没の草。でもとっても愛くるしい妖精のような不思議花…。
posted by 三上和伸 at 23:04| 野の実 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする