2011年12月10日

音楽の話60 ブラームスの歌曲「霜が置いて」について 2011.12.10

 今朝の降霜で想い浮かべたブラームスの歌曲「霜が置いて(降りて)」。素敵な歌なので紹介します。燻し銀のような渋い歌ですが、そこに凍てつく冷涼な空気とその反対の切なくも優しい心の温もりが感じられます。嘗て北国に住んでいた人間の故郷を想う歌です。

 作詞者のK・グロートと作曲者のブラームスは共に北ドイツのホルスタイン地方の出身、そこの冬は雪と氷の世界。秋の終りに霜が降るともう冬はそこまでやって来ています。長く辛い遣る瀬ない冬、作者二人の冬に対する想いが重なりあい、無常観を醸し幻想的に綾なして行きます。

霜が置いて クラウス・グロート詩 ブラームス曲 OP106-4

ぼだいじゅの木に霜が置いて,
銀のような光を放っていた。
夢の中で明るく輝いている
妖精のような, きみの家を見た。

そしてきみの部屋の窓が開いていたので,
きみの部屋の中を見ることができた。
すると, きみは陽の光の中に歩み入った,
妖精の中でいちばん暗い感じのきみよ!

ぼくは幸せな歓びに震えた,
春のように暖かく, すばらしい気持ちで。
そのときぼくはすぐきみの挨拶に
霜と冬の気配を感じとっていた。 志田麓 訳詩
posted by 三上和伸 at 23:34| 今宵の名曲・音楽の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする