2012年01月07日

ピアノの話33 これぞ、アメリカン・スピネット

1、シェイファー&サンズ社のアメリカンスピネット・ピアノ
シェイファー&サンズのスピネット
鍵盤と屋根との高さの差が極めて小さい、スタイリッシュなデザインをしています。エレガントな居間に程良く溶け込んで様(絵)になるので、アメリカ人は殊の外このタイプを好むようです。ピアノ造りの盛んなアメリカでも取分け人気の高い売れ筋の商品です。

シェイファー、比較的デザイン優先のスピネットピアノの中では、弾き易い、安心のピアノ造りをしているメーカーです。

2、スピネット独特のドロップアクション
背の低いピアノ(打弦点が低い)本体と普通の高さの位置にある鍵盤とを融和させるには、アクション(ハンマーの位置)を低い位置に下げざるを得ません。ピアノ造りの職人はその昔、ドロップアクションを発明しました。需要に応え限界を突き破る職人魂、素晴らしいですね。
スピネットピアノのドロップアクション
やや見にくいですが、写真下部の鍵盤面よりアクションの位置が相対的に低く、アクションの半分以下が下に沈み込んでいます。鍵盤と同じ高さにあるのは、ハンマー辺りだと言えます。一般のアップライトピアノでは、鍵盤最奥部にキャプスタン(ダウル)があり、その上部に全アクションがあります。鍵盤のキャプスタンにはウィペンヒールが接しており、それらが連動してアクション上部のハンマーに動力を伝えます。しかしドロップアクションの鍵盤最奥部にはロッド(竿)状の梃子であるアブストラクトの最上部が固定されているゴムの固定具のみが見えます。そのロッド状のアブストラクトは、その下に深く沈み込んでいるウィペンに固定されており、鍵盤の動力をウィペンに橋渡しします。そしてアクションを作動させハンマーを連動させ打弦するのです。

従って、ドロップアクションとアップライトアクションの比較は、ウィペンからハンマーまでの上部の構造は殆ど同じですが、鍵盤と低いアクションのウィペンとを繋ぐアブストラクトの部分が異なるのです。

その結果、ドロップアクションは動力の伝達に間があり、ロストモーション(空・遊び)が出易く、シャープなタッチやバランスにやや劣る面があります。
posted by 三上和伸 at 22:39| ピアノの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする