2012年06月09日

音楽の話72 キムタク・たけし出演のトヨタのCMに使われた音楽、ラヴェルの“亡き王女のためのパヴァーヌ”について 2012.06.09

 キムタクの信長とたけしの秀吉が現代に蘇ってトヨタの車に乗って被災地の石巻を訪れるCM。たけしが海に向かって「馬鹿野郎!」と叫ぶのが印象的ですが、それよりももっと素晴らしいのが、その背後に流れる柔和な音楽(演奏は今一つ)。それはヴァージンロードを行進する時に使われる舞曲・パヴァーヌのリズムに乗ってホルンが慰めを籠めて切なく歌い出します。正にロマンティックにして厳かな哀悼の曲。きっと被災者だけでなく、多くの日本人がこの音楽から慰安を受け取っている事でしょう。私もこのCMを聴く?と何時も胸がジーンとなり、感動で涙ぐんでしまいます。

 亡き王女とは誰の事か? モーリス・ラヴェルはその問いに、こう答えたそうです。「それは単なる修辞句に過ぎない」と…。まあ、詩的で流れの良い語呂合わせ的なものと申して良いかも知れません。されど、ここにある亡き王女に捧げた憧れに満ちた優しい感情、それは紛れもなくある人を思っての結果だと私は直感するでしょう。例え、それが架空の恋人であったとしても…。
posted by 三上和伸 at 22:32| 今宵の名曲・音楽の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする