2012年06月21日

音楽の話75 今日は夏至、最も“ブラ2”の似合う頃 2012.06.21

 夏至、嬉しいですね。私は根が寂しがり屋の所為か、上げ潮の盛んな賑わいのある春分から夏至の季節が大好きです。正に緑萌え立ち生命の息吹きが湧き立つ頃、この陽性な爆発する気分に最も相応しいシンフォニーと言えば、何と言っても“ブラ2”ことブラームスの交響曲第二番ニ長調OP73ですね。毎年この明るい季節になると、聴きたくなる曲です。

 優雅で繊細な恋人を愛撫するようなテーマ(主題)とそれとは正反対の武骨な舞踏が弾ける第一楽章、エンディングのホルンの求愛の歌は山の彼方まで響き渡ります。続く第二楽章は田園(自然)の中の幸福と追憶。チェロがこの上ない自然への賛歌を歌い、ホルンが優しくそれに応えます。それは田園に暮らす人の喜びで満ち溢れています。しかしやがてメランコリーの伴った短調の追憶に導かれ、思いの丈をぶちまけた分厚いロマンティシズムで覆われます。それでも最後は諦めて、名残惜しげにコーダ(終結)に向かい、静かに消えてゆきます。第三楽章は愛らしい舞曲、されどブラームスらしく何処か武骨、それでもやはりブラームスはブラームス、結尾には仄かに諦観が忍びより印象的…。そして歓喜の爆発の終楽章。これほど溌剌とした音楽が他にありましょうか? イントロからエンディングまで、息つく暇がない究極の絶好調音楽、最後のトランペットのファンファーレは、正にこの時期のブラームスの勝ち誇った心境を余すところなく表わしていて強烈です。

 第一シンフォニーで圧倒的成功を収めて、当時のヨーロッパ楽壇の第一人者となったブラームス。その直ぐ後で自信満々の内に書いたのが、この第二シンフォニー。これは誰も言わない事ですが、このシンフォニーこそ、ブラームスの「勝利の交響曲」だと私は確信しています。もしこの交響曲に私が名を着けるとするなら、交響曲第二番ニ長調「田園の歓喜」とするでしょう。田園(自然)はブラームスの創作の最大の泉(原点)、そこからブラームスは愛を育み、音楽へと変貌させ、哲学(人生・シンフォニー)を語るのです。
posted by 三上和伸 at 23:00| 今宵の名曲・音楽の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする