兎に角、幾つかの宿の電話を箇条書きにして、片っ端から掛けてみました。そして早くも四件目にしてこのドン・キホーテに当たりました。まあ、急場凌ぎなので大した期待も抱かずに行ったのが正解でした。まあ、正解不正解は共々ありますが、期待をしなかった分ガッカリもしないし、反対にチョイと良ければまずまずだねと言えるのです。
白樺の美しい幹と葉が出迎えてくれたペンション・ドン・キホーテ。私はベッドから落ちましたが、案外居心地が良かったのでした。清潔だし、オーナーやその他の従業員も気さくで気安く、ダイニングではコーヒーを啜りながら長話も楽しめました。その点では満足満足。但し、食事は今一つでした。家庭料理から少し背伸びをした料理、だけどやや冷めていた料理、これではいけません、クレームを出そうかと思いましたが、止めました。折角の良い雰囲気を壊したくなかったのでね…。
この日は夏さんの誕生日、テーブルにはバースデイケーキがありますが、私が部屋予約の際頼んでおいたもの。夏さんは殊の外喜んでくれ、心遣い冥利に尽きました。ローソクフッーもやったのですよ。楽しい一夜となりました。ケーキはフルーツ沢山の高級なもの。この夜で一番のグルメでした。良かった良かった!
風呂は温泉でした。温泉旅館ではないので、温泉の効能書きなどはなかったのですが、サラリとした良い湯で風呂上りが格別でした。でもこの光景、かなりワイルドですよね。それでも我が家の二人のレディーはご機嫌でしたね。ワイルドが好きなんですかね? そう言えば横須賀走り水の“かねよ食堂”もお二人とも大変気に入っていましたね。何?“かねよ食堂”って?、フフフ、超ワイルドな美味い食堂でしたよ。
我等三人は夜半に懐中電灯を携えて散歩を試みました。その目的は星空ウォッチング! 夕立上がりだったので雲も多い空でしたが、観えました。織姫・彦星・鵲(カササギ、白鳥座・デネブ)の夏の大三角、それに微かでしたが天の川。そして二等星以下の星々までもギラつく、まるで*ゴッホの絵のような星々の世界。原村は星降る山里、ご機嫌な一夜でした。
*ゴッホの絵=“星月夜”、“糸杉のある麦畑”