2013年12月31日

私の歳時記 2013.12.31 大晦日、紅白第九よりもブラームスドイツレクイエム

 災害であったり貧困であったりストーカー殺人であったり子殺しであったり、本年も悲しい話題は尽きませんでした。理不尽な不幸、世も末ですね、余りにも可哀想過ぎます。そんな世で今年聴く最後の音楽は、命を失った人々の魂を鎮めたいと思い、また私も聴きたいと願い、ブラームスのレクイエム(死者のためのミサ曲)を掛けました。

 世に優しい音楽は掃いて捨てる程ありますが、人間の最も深いところにある琴線を震わす音楽はそう多くはありません。昼のテレビで美輪明宏が言っていた“無償の愛”を感じさせるのは、このレクイエムのような曲。ここには野心や媚びが全く無く、唯一、亡き母(1865年没)を想う息子の切ない愛があります。やがて推敲を重ねる内にその愛は大きな愛へと昇華し、全人類への慰めのレクイエム(1868年完成)となります。母のため人類のため未来のため、10年に亘り命を掛けて書いたレクイエム、これはブラームスの最高傑作の一番手であり、人類の宝です。
posted by 三上和伸 at 22:29| 私の歳時記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする