2014年10月26日

音楽の話104 Nちゃんへのプレゼント、ウィーンフィル・ベスト&グレーテスト 2014.10.23

 嘗てNちゃんに贈ったCDで唯一無かったのが、オーケストラのジャンル。ピアノ曲に様々な楽器のそれぞれの合奏曲、そしてイギリス(スコットランド)民謡の歌がありましたが、管弦楽作品はありませんでした。そこで今日、横浜高島屋の”竹久夢二展”を観覧したついでにCD屋によって、この”ウィーンフィル・ベスト&グレーテスト”なるCDを買ってきました。この記事を書き終えた暁にはNちゃんに手渡しましょう。

 交響曲、交響詩、序曲、バレエ、ダンス、ウィンナ・ワルツとポルカにマーチなど。全24曲が入っているCD2枚組のものです。演奏は勿論ウィーンフィルですが、指揮者が13人とバラエティーに富んでいます。これはベスト&グレーテストのタイトル通りに優れたものです。それぞれの曲の第一級の演奏と言って過言はありません。NちゃんはきっとCDを破壊するほど?気に入ってくれるでしょう。

CD1
@バレエ〈くるみ割り人形〉作品71〜行進曲(チャイコフスキー)指揮・カラヤン
タンタタタタンタンタンタターで始まるお馴染みの曲。少女クララのくるみ割り人形が、夢の中で王子様に変身し、クララをお菓子の国に連れて行ってくれるクリスマスの晩の物語…。チャイコフスキーのメロディーのアイディアが光る名曲。お菓子のように愛らしい曲で一杯!

Aワルツ〈美しく青きドナウ〉作品314(ヨハン・シュトラウスU世)指揮・ボスコフスキー
ヨハン・シュトラウスU世の最高傑作、知り合いのブラームスも羨んだそのメロディー、絶品です。ララララー、ファン、ファン、ララララー、ファン、ファンで始まる単純なメロディーですが、メロディーなんて複雑に書けばいいものではないようです。単純にして明快、軽快にして華麗、ワルツを超えた芸術の域に達したワルツです。

Bトリッチ・トラッチ・ポルカ作品214(ヨハン・シュトラウス二U世)指揮・クナッパーツブッシュ
鞭を打ち鳴らして軽快に始まるトリッチ・トラッチ・ポルカ。ポルカとはチェコに起源を持つ2拍子乃至3拍子の舞曲。速度を上げた快活なダンスです。このヨハン・シュトラウスの時代には、ワルツと並んで沢山のポルカが作られました。ワルツもポルカも所詮は軽音楽、ブラームスの芸術(重)音楽とは成り立ちが違いますが、同時代をウィーンで生きた二人、当然名士の二人は知り合いでした。しかしその関係はブラームスの片思いであったらしい…。ヨハンの音楽を愛したヨハンネス…。されどヨハン(シュトラウス)は全然ヨハンネス(ブラームス)なんか理解していませんでした。重苦しい詰まらぬ音楽だと思っていたらしい…。トリッチ・トラッチとはドイツ(語)のお喋りの擬音らしい、日本語にしてみればペチャクチャペチャクチャ。

Cバレエ〈白鳥の湖〉作品20〜情景(チャイコフスキー)指揮・レヴァイン
オーボエがラーラララララーララーララーララララララーと歌い始める哀愁に満ちたメロディー、誰でも知っているメジャー中のメジャーな音楽です。もうこれを聴いたら一気に森に囲まれた美しい湖に連れ去られてしまいますね。もう私達は湖畔の乙女?ですよ。劇的な感情移入の仕掛けに満ちた魔術師的な作曲技法、天才です。

D交響詩〈はげ山の一夜〉(ムソルグスキー/リムスキー・コルサコフ編曲)指揮・ゲルギエフ
これも天才が作った野心作。聖ヨハネ祭の夜に妖怪達が集ってドンチャン騒ぎをしている様子を描いた音楽。野蛮が渦巻く下品で狂気に満ちたエンタテイメント(娯楽・楽しみ)。天をも揺るがす熱狂のダイナミクス(活動性)。全てを忘れて怪しい快楽を爆発させます。されど、末尾は眠るように上品に終わります。否、朝の訪れかな? 狂宴?に酔い痴れて朝寝するのかしら?

E交響詩〈ツァラトゥストラはかく語りき〉作品30〜導入部(リヒャルト・シュトラウス)指揮・マゼール
ブー………(超低音)、ジャ−ジャージャーーー、ジャジャーーーーン、ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン、ジャージャージャーーー、ジャジャーーーーン、ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン、ジャージャージャー−−、ジャジャーーーーン、ジャジャジャーー、ジャー、ジャジャジャー、ジャジャジャー、ドン、ジャジャジャー、ジャーーー、ジャーーーン、ジャーーーン、ブーン(オルガンの余韻)
導入部だけなんですけれど、キューブリック監督の映画「2001年宇宙の旅」に使われ、一躍有名になりました。管弦楽の真の天才R・シュトラウス、これ程雄弁にしかも鮮やかにエポック(新時代の言論)を表現しえたとんでもない導入部、何時聴いてもスカッとしますね。ツァラトゥストラ(ニーチェ作の主人公の名・ゾロアスター教の預言者、ゾロアスターをドイツ語読みにするとツァラトゥストラ)はこう語り出したのですね。

F交響曲第2番ニ長調作品43〜フィナーレ(ヤン・シベリウス)指揮・マゼール
ヤン・シベリウス、才能もありましたけど、殆ど祖国愛だけでフィンランドの楽聖になりました。長命で晩年は完全に創作から足を洗い、悠々自適の老後を送ったそうです。巨額の年金を貰っていたそうで、それで遊んで暮らしていたらしい?…。まあ、インスピレーション(着想・霊感)の枯渇もあったかも知れませんね。何しろ人間の業に深く関わった作曲家ではなかったようでしたからね。ただ祖国愛だけで?…。素晴らしく涼しい巧みなオーケストレーション、それは冷気漂うフィンランドの自然そのものですね。そこに熱い祖国愛、涼しくて熱いこの第2は彼の最高傑作の一つ(他に傑作として第7がある)、フィナーレは本当に力強い堂々たる音楽で、私は力瘤を作りながら聴いたものでした。私が若かりし頃(中学生)の好きな作曲家でした。何と1957年没、これは私が7歳の時でしたのですよ。つい先日?まで生きていた伝説の楽聖、私と同じ空気を吸っていた方、本当に憧れました。

G歌劇〈フィガロの結婚〉序曲(モーツァルト)指揮・プリッチャード
歌劇の序曲としては傑作であり、度々オーケストラの演奏会でも取り上げられる名曲です。これを聴けば後の本編が如何に面白いか、聴衆に強い期待感を抱かせます。エンタテイナー(娯楽提供者)として抜群の巧みさを魅せたモーツァルトの面目躍如たる一面を垣間見せていますね。正にモーツァルトとはオペラの人、これを聴く限り、その観が強いですね。

H交響曲第40番ト短調作品550〜第1楽章:モルト・アレグロ(モーツァルト)指揮・カラヤン
ラララ、ラララ、ララララン、ラララ、ラララ、ララララン、ラララ、ラララ、ララララン、ラララ、ラララ、ララララン、ララララララララ、ララララララララランラララララーーーララランランラ…ラララン、ランラン、ララランララランラララン…、と始まる第1楽章。速いテンポで悲しみが走り抜けていきます。モーツァルトの一つの本質が観えた曲。そうモーツァルトの本質は、この曲で色濃く表した涙の人…。人間を知り尽くし、悟りの末に辿り着いた諦観の人。明るく快活な曲の中に秘めた涙、大抵のモーツァルトの音楽は秘められた隠し涙の音楽でしたが、この曲は涙を前面に押し出した悲しい曲です。悲劇の交響曲と言っていいでしょう。大方の人間は孤独で悲しいものだ、モーツァルトはそう見抜いていて、そこに深い共感を抱き、涙で迷える子羊達に語り掛けます。迷える子羊達はそこで諭され、慰められて、力を貰います。そしてまた明日を生きるのです。私もそんな人間の一人です。モーツァルトは私の守り神です。私は泣きながらモーツァルトを聴きます。

I喜歌劇〈こうもり〉序曲(ヨハン・シュトラウス二世)指揮・カラヤン
ワルツやポルカの名人、娯楽音楽の達人が書いたオペレッタ(喜歌劇)、軽快この上ない娯楽作品に仕立て上げられています。ホント、聴けば聴くほどに楽しくノリノリになっちゃう、娯楽作品の傑作です。この曲で楽しくならない方は音楽鑑賞の才能がないと悲観してください…

Jディヴェルティメント第17番k.334〜第3楽章:メヌエット(モーツァルト)指揮・ボスコフスキー
これは何の曇りのない音楽。愛らしさと楽しさに溢れています。けれどよくよく聴いてみてください。私は、その美しさに聴き惚れた先に、その美しさに涙してしまうのです。きっと皆様もそうであろうと想像します。モーツァルトは涙の天使なのです。
 因みに指揮のボスコフスキーは当時のウィーンフィルのコンサート・マスターです。ウィーン流の名の知れたヴァイオリニストでした。

Kアンネン・ポルカ作品117(ヨハン・シュトラウス二世)指揮・カラヤン
アンネンとはオーストリア・グラーツにあったアンネン・ザール(ホール)のアンネンだそうです。ここで友人の祝賀行事があったそうで、そのためにヨハンはわざわざこのポルカを作って、友人のために演奏をしたのでした。昔、大相撲に安念山と言う力士がいたのですが、私はこの曲を聴くと何時も安念山を思い出してしまいました。アンネン、音は同じでもまるで違うものですね、アンネン!

*CD2記載中に誤作動をしてしまい、CD2の記事を消してしまいました。仕方がないので、今夜のところはCD1だけの掲載と致します。何れCD2も書き直します。どうぞお待ちください…
posted by 三上和伸 at 22:24| 今宵の名曲・音楽の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする