2015年08月23日

旅の裏話…9 魅力的な人(女)、舟遊びの一時(2015.08.15)

ライブドアブログ(近江八幡水郷巡り)にも少し書き、重複となりますが、あの魅力的な人を書かずにはいられなくなり、書かせて頂きます。

初めは驚いたのですよ。三十代と思しき女性ですが、何しろ足がお悪いようで、一本の松葉杖を突いて乗船されたのです。斜(はす)に女座りをされて着席されました。それでも全く悪びれた風は見せず、堂々としてらっしゃいました。

気さくな人柄なのか直ぐに私と話し始め、私の住まいである横浜が話題になりました。過去に中華街で食事をされたそうで、懐かしそうにその美味を語ってくれました。私はここでは聞き役にまわり、相槌を打って差し上げ、話の運びに拍車を掛けました。そして舟が進むに従って、彼女は、自然愛好の風情を色濃く滲ませて、自然の素晴らしさを語っていました。当然ですよね。不自由な体ながら、舟で自然詣でを果たそうとする、如何にこの女性が自然愛好の意思の持ち主であるかが解かろうと言うものです。

この舟でその話に呼応できるのは私と船頭さんだけであり、水郷の自然やそこに棲む生き物たちを端から端に名を上げ連ねて語らいました。アシとヨシの事、蒲(ガマ)と素兎(因幡のしろうさぎ)と大国主命(おおくにぬしのみこと)の事、カイツブリやヨシキリの営巣の事、ウグイの事、そして琵琶湖の事、安土城址の事、織田信長の事。正に彼女は博識でした。

下船の時、下船口に座っていた足の不自由な彼女は、奥の私達を先に下ろそうと、たおやかな手招きで譲る風情を見せました。されど私達は彼女の下船を促し、静かに待ちました。彼女は礼を述べて、慌てず騒がずおもむろに首尾よく、下船を果たしました。

素敵な立ち居振る舞いでした。私の胸はズキーンと震えて、この女性にプラトニックな恋心を覚えていました。

posted by 三上和伸 at 21:59| 旅の裏話… | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする