2018年07月09日

伊豆東海漫歩6 願成就院と北条時政の墓 2018.06.17

韮山反射炉から反射炉カノン道路(大砲のカノン砲が由来)を継いで下田街道(136号線)を少し戻ったところの西側に願成就院(がんじょうじゅいん)があります。ここは静岡県伊豆の国市寺家83−1に存在する高野山真言宗の寺院です。山号は天守君山で、寺号が願成就院です。鎌倉幕府一代執権・北条時政が開基となって所領地に建てた寺院で、名目は頼朝の奥州制覇の願掛けのために建てた寺でしたが、実質は北条家の氏寺です。この辺りが北条家の所領で、頼朝が伊豆に流された韮山にあります。時政はそんな若い頼朝に仕え面倒を視たそうです。この寺の本尊・阿弥陀如来坐像は何を隠そう、あの天才仏師・運慶作です。運慶の若い頃の作品で、それは確かな真作と定められており、5体の仏像が国宝となっています。これらを観るためだけでも、ここを訪れる価値はあります。

願成就院の大御堂
大御堂(おおみどう)
このお堂には、運慶作の国宝仏像5躯が安置されています。それは中央にある本尊の木造阿弥陀如来坐像、左にある木造不動明王二童子立像、右に木造毘沙門天立像があり、眼前で手に取るように眺められます。不動明王像と毘沙門天像の胎内(内部)には、塔婆形名札が忍ばされてあって、そこには「文治2年、北条時政の発願により、運慶が造り始めた」との趣旨の記載があるそうです。これにより運慶の真作と判明し、国宝に格上げされ指定を受けたのです。大御堂の中には案内人がおり、これらの仏像の成り立ちや価値を詳しく述べ教えてくれます。大御堂の先には宝物館もあり、多くの品々により往時を偲ぶことが出来ます。

願成就院本堂 
本堂
お寺の本堂とは本来御本尊をお祀りする場所ですが、願成就院の本尊・阿弥陀如来は大御堂にありますので、ここは単なる書院、住職が住んで雑務をこなす場所のようです。大御堂は瓦葺きですが、ここは茅葺、好い雰囲気で並んでいます。

北条時政の墓
北条時政の墓
若き頼朝を支え、しかも頼朝に娘・政子を嫁がせた幸運もあり、時政は鎌倉幕府の中でも実力者となりました。頼朝亡き後、更に実権を握って初代の執権に上り詰めました。しかし、権力への欲望が強く悪だくみが過ぎ、子・政子と義時の姉弟に鎌倉から追放され、祖国の伊豆に戻りました。結局時政はこの地で亡くなりました。14代続いた執権政治の端緒を開いた時政、その墓もその名に相応しい立派な墓でした。
posted by 三上和伸 at 18:05| 伊豆・東海漫歩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする