2018年07月25日

ブラームスの名曲9 ヴァイオリンソナタ第1番ト長調Op.78「雨の歌」2018.07.25

今までライブドアブログ「葛原岡ハイキングコース」を書いていたのですが、この間、常に我がラジカセから流れていたのは、ヘンリク・シェリング(vn)とアルトゥール・ルービンシュタイン(p)の1960年録音のブラームスヴァイオリンソナタ全集でした。ブラームスには3曲のヴァイオリンソナタがありまして、1番、2番が中年の作、3番が老境の作で、3番だけ短調で書かれています。古今東西のヴァイオリンソナタの中で、このブラームスの3つ作品は傑作で、他に並ぶ作品は少ないと思われます。

1番は「雨の歌」と題されていて、第3楽章に自作の歌曲「雨の歌」のテーマが使われています。「タンタターン」この雨垂れのテーマです。このテーマが変容されて、澱みなく展開されて行きます。これほど流動的で無駄のない音楽は、ブラームスとしては稀で、インスピレーションに溢れています。全作品の中でも最も爽やかな曲の一つです。

でも私が好きなのは第2楽章、ブラームスの緩徐楽章では珍しい”アダージョ”が使われています。しっとりと歌われて行きます。まるで夢見るように...。木陰のテラスで物思いに耽るように...。そして中間部では、追憶が追いかけます。それはレクイエムのように哀悼に満ちて…。今は亡き、花嫁に寄せる哀悼歌…。心が捩れるほどに狂おしいレクイエム…。これがブラームスの感情、これがブラームスの精神。

シェリング、ルービンシュタイン、これ以上の演奏はありません。絶妙のブラームスです。
posted by 三上和伸 at 22:36| ブラームスの名曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする