2019年06月03日

東京漫歩 グスタフ・クリムトの「女ともだちT」 2019.05.24

女ともだちT(姉妹たち)
1873年5月1日から10月31日まで、ウィーンでは「文化と教育」がテーマで、万国博覧会が開かれていました。この地に住んで後に名を挙げたのが、ブラームス(当時のウィーン学友協会芸術監督、作曲家、40歳)、フロイト(精神医学者、17歳)、マーラー(作曲家、13歳)、そしてグスタフ・クリムト(画家、11歳)でした。この4人は当然、この万博に参加(ブラームス)乃至観覧をした者達で、初参加の日本に強い興味を持ったのでした。

ブラームスは知古を頼って箏曲の演奏を聴き、音から写譜し、楽譜(遺品に存在する)を起こしたりして、その後の創作の一助にしたと言われています。晩年の作・クラリネット五重奏ロ短調などに、その片鱗(尺八をクラリネットに見立てた)を覗かせています。第2楽章中間部の、クラリネットの尺八風エキゾチシズムは、正にブラームスのジャポニスムの表出でした。

そして最もそのジャポニスムの影響を受けたのが画家になったクリムトであり、日本美術の紹介に努めたり、強い浮世絵の影響下に創作活動をしていました。この1907年作の「女ともだちT」にも強い浮世絵の影響が観えており、顔の輪郭の表面的な筆致や衣装の裾に観える市松模様など、まさに浮世絵の技法を踏襲しています。クリムトの日本趣味の奥床しい絵画です。
posted by 三上和伸 at 21:50| 東京漫歩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする