2019年10月25日

音楽夜話 ワーグナー「ジークフリート牧歌」 2019.10.16

先日の16日に東京漫歩を試み、その仕上げの終着点が東京赤坂のサントリーホールでした。この日のサントリーホールの演目は、小泉和裕指揮の東京都交響楽団が演奏したワーグナーのジークフリート牧歌とブルックナーの第7シンフォニーでした。この二人の作曲家は、我が愛するブラームスとは対極にあった作曲家たちで、ブラームス(派、孤高の作家で独りで対抗)に敵対していたワーグナー派の代表的な作曲家達です。

「ジークフリート牧歌」作曲:リヒャルト・ワーグナー
ワーグナー一族は不倫の果てに作られた家族です。妻のコジマは、フランツ・リストとマリー・ダグー伯爵夫人(既婚だった)の娘で不倫の子です。コジマは大指揮者・ハンス・フォン・ビューローと結婚しますが、やがて既婚のワーグナーとダブル不倫をし、ジークフリート(長男)を生みます。こうして不倫に不倫を重ねた夫婦の子がジークフリートなのです。

でもワーグナーはコジマを愛し、ジークフリートも愛しました。ジークフリートを生んだコジマのために、ワーグナーは内緒で、コジマの誕生日とクリスマスを祝う、プレゼントを用意しました。それがこの「ジークフリート牧歌」でした。1870年12月25日、ワーグナーの私邸で、ワーグナーと関係が深い楽員に依って初演されました。家の階段で演奏されたそうで、二人の娘は「階段の音楽」と称していたようです。

ワーグナーの深い感謝の気持ちと愛が溢れた作品、コジマの喜びは一入の物がありました。

フルート:1、オーボエ:1、クラリネット:2、ファゴット:1、ホルン:2、トランペット:1、弦楽5部の所謂1管編成の曲。優しく、愛おしい曲、ワーグナーの男の子の誕生の喜びが伝わります。コジマへの感謝が滲み出ています。


posted by 三上和伸 at 20:43| 音楽夜話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする