2020年05月17日

ブラームスの名曲42 歌曲「ぼくが思い違いをしていたときみは言う」 Op.32-6

激情の果てから落ち着いて、思いを馳せれば、色々と思い浮かび、合点がいきます。されど絡まった糸のように恋の行方に確かなものはありません。悩み、傷つき、絡んだ糸を解して行きます。葛藤を繰り返し、大人になってゆくのです。

「ぼくが思い違いをしていたときみは言う」・ハ短調 詩・アウグスト・プラーテン
ぼくが思い違いをしていたときみは言い、
きっぱりとおごそかにそれを誓っている。
だがぼくは知っているよ、きみはぼくを愛していたが、
今はもう愛していないのだ、ということを。

かつてきみの美しい眼は燃えていたし、
きみの口づけもとても熱く燃えていたよ、
きみはぼくを愛していたことを告白したまえ!
それなのにきみはぼくをもう愛していないのだ。

新たな愛の誓いを繰り返すことを
ぼくが期待しているわけではない。
さあ、ぼくを愛していたことを白状したまえ、
そして今はもうぼくを愛してくれるな!

愛の苦悩に押し潰された若者が、少しずつ正気を取り戻しつつ、己を自問自答します。思い違いと言われましたが、現実は思い違いでなく、思った通りの事でした。あの日は確かに、きみがぼくを愛していたことを信じたい、でも時はもう遅い、恋の炎は脆く消え易い、恋は終わったのです。

三節の歌曲ですが、一節ごとに少しずつ、旋律を変えています。微に入り細をうがった歌曲です。
posted by 三上和伸 at 11:42| ブラームスの名曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする