2020年07月12日

ブラームスの名曲46-G 歌曲集「ティークのマゲローネのロマンス」Op.33 第7曲「この唇の震えはあなたのためか」 2020.07.12

あらすじF
約束の時間に、秘密の通路を伝って乳母の部屋を訪ねたペーターは、マゲローネと再開する。口づけをして愛を確かめ合った後、ペーターはマゲローネに、第三の指輪を捧げる。マゲローネは、ペーターの首に金の鎖を掛け、もう一度口づけをする。時間が来て別れるとペーターは自室に戻り、愛の興奮に悶えながら幸せに浸る。そしてリュートを爪弾き、第7曲「この唇の震えはあなたのためか」を歌う。

第7曲「この唇の震えはあなたのためなのか」
この捧げる甘い口づけは、
この唇の震えて求めるはあなたのためだったのか。
この世がこんな快楽を与えてくれるのか。
ああ、目の前に何と光と輝きがただよい、
何とあらゆる官能が唇を求めたことか!

澄んだ目の中に憧れの色が輝き、
それがわたしをやさしくさし招き、
わたしが目をふせると、
微風は愛の調べを奏でた。

双子星のように
瞳は輝き、頬には
黄金の髪が波打ち、
眼差しと微笑みが羽ばたきし、
さらに快い言葉が
深い想いさえも呼び起こした。

おお、口づけよ、貴方の口が何と燃えるように赤かったことか!
わたしが死んだら、
死の中にこそ生をみたことだろう。

歌を聴く前に、この詩を朗読してみましょう。何と美しい言葉が羅列していることか。ティークはペーターに雄弁な舌を与え語らせています。マゲローネが美しさだけでなく、豊麗な官能性までも備えている女性でした。もうペーターはメロメロ、この先死んでも好いと錯覚してしまうほど、マゲローネは稀なる美女でした。

ブラームスの音楽は、こってりと重ったるい豊満感は無く、”微に入り細をうがつ”表現で、サラリと歌わしています。詩の色濃い官能性には惑わされず、清潔にあっさりと歌わせます。後味が好いですね。第2の傑作です。
posted by 三上和伸 at 13:11| ブラームスの名曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする