2020年07月17日

ブラームスの名曲46-L 歌曲集「ティークのマゲローネのロマンス」Op.33 第12曲「悲しい別れに」 2020.07.17

あらすじK
漂流したペーターは命からがら出くわしたムーア人(北アフリカの黒人イスラム教徒)に捕らえられた。屈強な騎士のペーターの、その体躯の良さから、ムーア人はバビロンのスルタン(国王)にペーターを差し出した。スルタンはペーターを気に入り、庭番に任命する。それでもペーターは片時もマゲローネを忘れられず、思いの丈を歌い、ツィターを掻き鳴らす。第12曲「悲しい別れに」。

第12曲「悲しい別れに」
まことの心をも破るような
別離は避けられないものなのか。
いな、わたしはこれを生きることとは呼ばない。
死ぬことはこれほど辛いことではないのだから。

わたしが羊飼いの音をきくと、
心から悲しくなってしまい、
夕焼の空をみると、
たまらなくきみを想い焦がれる。

いったいまことの愛情はないものだろうか。
苦悩と別離は避けられないものだろうか。
もしわたしが愛されないままでいるとしても
それでも希望の幻影を抱いているのだろうか。

しかし今はこんなに嘆かずにはいられない、
墓場のほかどこに希望があるだろうかと。
遠く離れて惨めさをかこって行かねばならない、
ひそかにこの心は破れようとするのに。

バビロンのスルタンの宮殿の庭で、ペーターはマゲローネを思い、身悶えをします。心を決めてひたすら待っているマゲローネの心根に比べれば、男は弱いものです。ボロボロのペーター、ここにはサルタンの娘ズリマが手ぐすね引いてペーターを誘惑しようとしているのです。さて、ペーターの男の価値が問われる運命が押し寄せています。ツィターのアルペジョオに乗って、ペーターの嘆き節が聴かれます。ペーターは、マゲローネの愛に応えられるのでしょうか。第6の傑作

posted by 三上和伸 at 20:42| ブラームスの名曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする