2020年09月24日

ブラームスの名曲56 歌曲「言伝て(言って)」 Op47-1 2020.09.24

「言伝て」 詩:ハーフィズ(ゲオルク・フリードリッヒ・ダウマー訳)
そよ風よ、和やかに愛らしく、
あの娘の頬をそっと撫でて、
あの巻き毛をやさしくなぶり、
あまりいそいで吹きぬけるな。

哀れなわたしがどうしているかと、
もしあの娘が尋ねてくれたら、
「あの方はひどく思い悩んで、
とてもみじめな身の上ながら、

あなたのやさしいお心を知って、
いまは再び爽やかな気持ちで、
生きる希望が湧きました」と伝えよ。

ペルシャの詩人・ハーフィズの詩をダウマーがドイツ語に訳したテキストに依ります。優しくて爽やかな恋の歌です。そよ風を仲立ちにして、色香漂う娘の心を知り、異性を愛するときめきを知った男、この想いをまたそよ風に託します。幸せに溢れて…。

冒頭に、グラツィオーソ(優雅に)の指示があります。そよ風を模したアルペジオの伴奏が軽やかに進み、それに乗って恋心が優雅に歌い出されます。娘の肌と髪の匂い、それらを孕んだ風(はらんだかぜ)が心地よい、深く息を付けば、最早、男の心と体には幸福が漲ります。ブラームスは見事に風をつかみ、恋の奥義を開きました。

posted by 三上和伸 at 20:55| ブラームスの名曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする