「日曜日の朝に」 詩:ハイゼ訳のイタリア民謡
日曜日の朝に、美しく着飾った
きみがどこへ行ったのか、知ってるよ。
また、きみを見かけた人たちも大勢いて、
きみのことを告げ口しに来てくれた。
みんなの話を聞いて、大声で笑ったが、
わたしは夜自分の部屋で泣いた。
みんなの話を聞いて、歌い始めたが、
ひとりになると、切なく手をもみ合わせた。
恋愛は自由ですからね。この場合は裏切られたのか、まだそこまでの浅い恋だったのか。それでも詩を読むに従って、この男にとっては深刻な恋で、裏切られたのですね。多かれ少なかれ、こんな恋は経験済みの人が多いですよね。それなりにつき合ったとしても、周りは常に誘惑が溢れています。素敵な人ほど、求愛されることは多いですね。そんな女を手に入れるには、真心を尽すしかありません。そして自由を保障する事です。広い寛容の心を持つ事です。振られたって好いじゃないですか。許しましょう。
このハイゼの詩集には、フーゴ・ヴォルフも関心があったようで、「日曜日の朝に」は避けていますが、他の詩には曲を付けています。ヴォルフは既にブラームスがこの詩に曲付けした事を知っていたようでした。鉢合わせをしないように賢明にこの詩を避けたようでした。ヴォルフにとっては目の上のたん瘤だったブラームス、一時期、ブラームスをこき下ろすのにヴォルフはその時間と労力を浪費してしまったのでした。音楽的立場の違いが生んだ悲劇でした。
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