「すみれによせて」 詩:ルートヴィッヒ・クリストフ・ハインリッヒ・ヘルティー
すみれよ、あのこがこの泉を訪れるまで、
きみの青いうてなのなかに
この哀愁の涙をかくしておくれ!
あのこがわらってきみを芝生から摘みとり、
その胸をきみの花で飾ろうとしたら、
おお、あのこの胸に縋って(すがって)いいたまえ、
きみの青いうてなのなかの滴は、
一生泣きながらすごして、
死ぬことを望んでいる、
誠実な若者の心から湧きでたものと。
*うてな(臺)=花の萼、花の基
ロマンティックと言うよりもセンチメンタルと称した方が適切と思われます。まあ、すみれと言う花は、人をこんなにもセンチメンタルにさせる魔力がある花と言えますね。私も大好きな花、この花を観ると、何か懐かしい故郷へ帰って来た喜びが湧き出ます。音楽は澱み無く軽やかに流れます。優しい風の中で憩う歌。
【関連する記事】
- ブラームスの名曲70 歌曲「たそがれ」 Op.49-5
- ブラームスの名曲69 歌曲「ゆりかごの歌」 Op.49-4 2020.10.14..
- ブラームスの名曲67 歌曲「日曜日の朝に」 Op.49-1
- ブラームスの名曲66 歌曲「秋思」 Op.48-7
- ブラームスの名曲65 歌曲「涙の慰め」 Op.48-5
- ブラームスの名曲64 歌曲「黄金が愛情にまさる」 Op.48-4
- ブラームスの名曲63 歌曲「娘の愛の歎き」 Op.48-3
- ブラームスの名曲62 歌曲「心変わりした男」 Op.48-2
- ブラームスの名曲61 歌曲「あの娘のもとに」 Op.48-1 2020.10.0..
- ブラームスの名曲60 歌曲「恋する女の手紙」に付いての追伸 2020.10.04..