2021年04月25日

ブラームスの名曲71 歌曲「森で囲まれた頂きから」 Op.57-1

半年前に、ブラームスの初期の歌曲(op.3.6.7.14.19.32.33.43.46.47.48.49)の紹介を済ませて、暫く休んでいましたが、今回より、中期の歌曲(op.57以降)の紹介をしようと思っています。

op.578つの歌曲は、これまでのブラームスの歌曲からは少し逸脱した画期的な作品群で、全音階的進行が主流だったブラームスの歌曲に、新たに半音階的旋律を使用した歌曲群になっています。当時、仲間内では喧々諤々のオブジェクションとなり、話題となったのでした。

「森でかこまれた頂から」 詩:ゲオルグ・フリードリヒ・ダウマー
森でかこまれた頂きから
私は愛の涙で濡れた瞳の
熱い視線を、あなたを緑で包む
故郷の野の方へ投げている。

私は泉の上に視線を投げる、
ああ、この泉と共にひと波でも、
おお、友よ、故郷にいる
あなたの方へ流れてゆけたら。

頭上の雲の去来に
私は視線を向けている。
ああ、友よ、故郷のあなたの許に
雲のように漂ってゆけたら。

立の幸せと苦しみの種なるあなたを
私はどんなに魅惑したいことでしょう。
この唇で、この眼差で、この胸で、
あなたの心と魂を!

女歌です。女から遠く離れて住む男への、強烈な愛が迸り溢れる歌です。男は故郷に住む幼馴染かしらね。ある時は、泉の流れに乗って、またある時は、雲に乗って空を漂い、貴方の下に戻りたい。女のダイナミックな愛欲、唇・眼差・胸の膨らみ、全てを使って貴方と一緒になりたい。切ない女の思いの丈をぶちまけた歌です。

posted by 三上和伸 at 17:41| ブラームスの名曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする