2021年04月29日

ブラームスの名曲74 歌曲「ああ、この眼差を背けたまえ」 Op.57-4

「ああ、この眼差を背けたまえ」 詩:ゲオルク・フリードリヒ・ダウマー
ああ、この眼差、この顔を背けたまえ!
常に新たな情熱と悲嘆をもって
わが心中を満たしたまうな!

悩める魂がいつか安らぎ、
熱い血潮がわが血管の中を
熱病のような激しさでめぐらぬ時、

きみの瞳の輝きのたまゆらな閃きが
極度の苦痛を呼び覚まして、
蛇のようにわが胸を咬み破る。  訳詩:志田麓

*たまゆら=一瞬 一説に かすか

ヘ短調で書かれた悲観的な歌曲。かなり劇的な音楽です。一人称は「わが」ですから、男でも女でもどちらでも当て嵌まります。恋い煩う自分を、もう見詰めないで欲しい…。折角心を鎮めているのだから…。それでもあなたの瞳の一瞬の閃きが、われを襲い、地獄へ突き落とすのです。蛇のように、我が心に咬み付くのです。恋は幸福ばかりでなく、不幸ももたらします。このエキセントリックな心境をどうたち直せるか、人間の力が試されるのです。考察が必須です。


posted by 三上和伸 at 13:45| ブラームスの名曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする