2008年03月14日

調律師の休日・自然通信

人生50年を過ぎ、次第に還暦が近づいている私ですが、毎日楽しく生きて行けるのは、家族の支えと共に幾つかの楽しみを持つからです。それは音楽に自然、旅、そして旅して出会った自然の風物を、文と写真で絵葉書にして紹介する自然通信等々。仕事も遊びもひたすら頑張り、充実の日々を送っている今日この頃の私です。ところでその自然通信とは、友人の少ない私にとって交友の窓口であり、語る喜びを得る手段でもあり、またそのお返事に耳を傾ける大切な場でもありました。今回ブログ開設に当たり、この自然通信もブログに投稿し、是非皆様にもお目に掛けたいと思いました。新作は勿論の事、旧作(52作)も、順次季節を見計らい送らせて頂きます。楽しんで頂けたら幸いです。今日は5年前の早春のオオイヌノフグリの号を送ります。
 
自然通信18 春を待つ青い星・オオイヌノフグリ 横浜市 2003/3/2
イヌフグリ                        写真 2008/3/16
 私が昔、愛読していた漫画に「小さな恋の物語」があり、その主人公にはチッチとあだ名された可愛らしい少女が描かれていました。彼女はカッコいいがつれない少年サリーに恋して、様々なお付き合いの計画を立て夢見ていました。しかし思いが叶う事は少なく屈折した片思いでした。そんなチッチの悲しい心をある花が慰めたのです。
 早春のある晴れた日、サリーと喧嘩をしたチッチは寂しく道をさ迷っていましたが、ふと道端の土手に青い光を感じ立ち止まりました。よく見ると、そこには春を待ち切れずに咲いた小さな青い花が、まるで夜空の星のように輝いていました。驚いたチッチは「こんなに寒いのに、あなたたち頑張って咲いているのね、よーし、私も負けずに頑張るぞ!」と言って元気を取り戻したのです。この健気な花こそ路傍の青い星・オオイヌノフグリでした。
 作者のみつはしちかこ氏はこの花を自身の分身であるチッチと重ねて描く事で、少女時代にこの花を愛し、それが大切な心の拠り所であった事を告白しているのです。何時の時代も花は人を慰め、人はそれで力を得ますが、人は何をしたら花に報いる事ができるのでしょうか?
 私はこの花に出会うと何時もチッチを思い出します。そして青春と言う甘酸っぱくもほろ苦い香しい季節にふと迷い込みます。是非、皆様もチッチに会いに行かれたらいかがでしょうか。それぞれの青春の思い出が、きっと貴方を待ち受けているでしょう。

 今このオオイヌノフグリは満開を迎えています。それは美しい野に咲く青い星です。




posted by 三上和伸 at 18:38| 自然通信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする