2008年03月31日

調律師の休日・自然通信

 今日は自然通信の新作を紹介いたします。
最初に枝垂桜についてお話しします。枝垂桜とは江戸彼岸桜の変種を指します。江戸彼岸桜は日本の深山に自生する野生の桜で、最も長生し老成する種です。その一種である枝垂桜もそれと同様に長生し、巨木となります。数え切れぬ程多い垂れた長枝には無数の花房が付き、四方に大きく張り出して壮麗に咲き誇ります。正に豊饒の木であり、名木の名を欲しい侭にする品種です。全国の桜の名木はこの枝垂桜と江戸彼岸桜が大半を占めます。

枝垂れ桜
   自然通信49 長興山の枝垂桜 小田原市 2008/03/30
 今年の三月は格段に暖かく春は駆け足でやって来ました。その為、桜は開花から五日で満開を迎えてしまい、私はこの日慌ただしく、予てより花見に予定していた長興山紹太寺へ赴きました。何故なら私は、この地にある樹齢 320年の枝垂桜に憧れを抱いていたからであり、漸くそれを成就すべく、この日この地を周遊しました。
 枝垂桜へ向かう道のりとは、箱根登山鉄道の入生田駅を下車し、しばらく路地を進むと紹太寺の門前に出ます。ここは花の美しい寺で、境内には寒緋桜や三椏(ミツマタ)の花が咲き競っていました。寺の前からは石段が続き 300段余り息を切らして上り詰めると、やがて小田原城主稲葉一族の供養塔に行き当たります。そこから先はさらに山道を辿るとやっとの事で枝垂桜の下に至ります。袂に着いて眺めれば、それは辺りの空気を和ますように、優雅にたおやかに、麗しい花笠を一杯に広げていました。

posted by 三上和伸 at 22:57| 自然通信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする