2008年05月07日

調律師の休日・自然通信

フジ足利フラワーパ−クの藤
 初夏は私にとって中秋と同様に暑からず寒からず、最も気持ちの良い季節です。体が軽く伸び伸びとし、そのお陰で心までも軽く健やかになる気がします。ところが今年の私は連休後半に風邪を引いてしまい、いま一つこの麗しい季節を堪能できませんでした。それでも足利のフラワーパークに行き、数々の見事な藤の花を観賞できた事は、塞いだ気持ちを晴らせましたし、良い思い出にもなりました。特に家族四人で行けた事、そして鉄道を利用した事がその楽しさを倍増させたのでした。
 またそれよりも四日前の五月一日に、私は仕事の合間を縫って、磯子の里山に咲く野生の藤(ノダフジ)を撮影しました。前日にこの付近を通った際にその美しさに心惹かれ、是非この藤で自然通信を作りたいと願ったからでした。写真は希望に沿わず、出来は悪かったのですが、ご容赦頂いてここに掲載いたします。

 自然通信50 初夏の訪れ・藤(ノダフジ) 横浜市 2008/05/01
ふじ横浜市磯子の里山の藤
 八重桜は散り、庭のツツジが満開になると、いよいよ八十八夜の頃となり、立夏を迎えます。この初夏の季節には、都会近くの森山でも若葉が生気を帯びて萌え盛り、瑞々しい光彩を放ちます。ほんの少し前までは春のか弱い幼芽だったのに、初夏は正に命輝く隆々たる色彩の中にあります。そして今、その輝きの中にしっとりとして馴染む、藤の紫が溶け込んでいるのを私は見逃す事はありません。藤は山桜と並びまだまだ身近な里山に残る美しい原生花木なのです。雄大に伸ばした蔓の先には数多の花房が群れて垂れ下がり、豊かに揺らめいて薫風に踊ります。その佇まいは花の多さに関わらず決して重苦しいものではなく、むしろ静けさと清涼感を湛えて軽やかです。それは花形の虎の尾の、たおやかに緒を引く優美さと、紫の気品ある花色に基ずくものでしょう。青の清らかさと紅の情熱、この二色融合は、気高くも豊潤な女性の魅力へと収斂して行きます。美女と花、それはこの世の不可思議であり、最も男を熱狂させる絶世の宝物だと私は確信しています。
posted by 三上和伸 at 08:26| 自然通信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする