夏の終わりに咲いている花は以外に少なく、数えるほどしかありません。まあ、サルビアやペチュニア等の定番のタネ蒔き一年草は多々ありますが、それは季節を代表するものではないと私は思っています。たとえ人に植えられたものであっても、人に阿ず季節が来れば自然と咲き出し観る者に季節を感じさせてくれる、そんな花が私は好きです。
晩夏に一際目を引く花はキョウチクトウにサルスベリ、他にはフヨウやムクゲ等がありますね。ここでは過去に紹介した事のないキョウチクトウとサルスベリ、そして西洋撫子のダイアンサスを取り上げました。
キョウチクトウ サルスベリ

ダイアンサス
@キョウチクトウ(夾竹桃) キョウチクトウ科キョウチクトウ属
インド原産の常緑樹、江戸中期に渡来しました。極めて強権な植物で公害や大気汚染に耐えられると言う事で、庭木や街路樹の外に工業団地の敷地内にも多く植えられています。少々植えられ過ぎの観は否めませんが、ピンクに白や黄色とその美しさはやはり侮りがたく、青空に映える様は夏の風物として大きな存在価値を誇示しています。名う手?の有毒植物で、樹液に触れたり、茎葉を燃やしたりしない方が無難です。皮膚の爛れや煙り吸引による肺疾患心疾患が懸念されます。強心剤の原料にされるくらいですから、その毒性は半端ではないのです。
Aサルスベリ(百日紅、ヒャクジッコウ) ミソハギ科サルスベリ属
中国南部原産の落葉小高木、日本には江戸期以前の渡来と言われています。長い間のお馴染みの花木、もうすっかり日本の木として認知されています。見事な花序の麗しい花、晩夏を彩る名木ですが、その花の美しさも然る事ながらそれを支える幹の美しさこそがこの木の本領、剥げ落ちた白褐色の滑らかな樹皮を猿も木から滑り落ちると喩えた命名こそが、見事にそれを象徴しています。
小さな恋の物語のチッチ(作者・みつはしちかこ)もこのサルスベリの花を愛していました。「サルスベリさんの花のお洒落なフリフリが可愛くて大好き!」と申しておりました。
Bダイアンサス ナデシコ科ナデシコ属
日本には名花・河原(大和)撫子があり、日本のナデシコが一番美しいと主張する私の思い込みは病膏肓に入るで呆れられていますが、世界に目を開いて観れば世界には多くのナデシコが存在し(約300種)、妍を競っているのです。ダイアンサス(Dianthus)とはナデシコ科ナデシコ属の学名(ラテン語)、日本では主に外来の園芸ナデシコ類の総称に使われています。この写真のダイアンサスも恐らく個別の園芸品種名はあるかも知れません。でも、ダイアンサスと呼ぶのが無難と言うものでしょう。一々誰それが名付けた品種名なんぞ、そんなに細かく憶え認識するのは無理ですものね…。近年は益々記憶がおぼつかなくなりましたし…。