2009年06月27日

野の花17 プラハに咲く花 2009.6.17

プラハに咲く花
プラハに咲く花
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2009年05月09日

野の花16 カタバミ 箱根山 2009.5.9

カタバミ
カタバミ(傍食) カタバミ科カタバミ属
 美しく整った三つ葉の葉姿、脇芽を出して横に殖える性質、そして莢を弾かせタネを遠くへ飛ばす更なる繁殖への姿勢、子孫繁栄を家の大事とする昔人の思惑がこの草の葉を家紋の図案に取り上げる由縁となりました。
 このカタバミは、山のホテルのツツジの足もとに咲いていたもので、かがんで撮影している私を見物客は怪訝な顔つきで眺めて行きました。絢爛のツツジを撮らずに、僅か二輪の小さな花を写している私は、さぞや不思議な男に思えたのでしょうか。
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野の花15 ミツバアケビ 箱根山 2009.5.9

ミツバアケビ
ミツバアケビ(三葉木通) アケビ科アケビ属
 皆様はアケビの花を見た事はありましたか?。私は今回で二回目です。もう二十年くらい前、山梨の農家の庭先で見つけました。それは実を取るために栽培されていたもので、しっかりとした棚造りでした。その棚からは沢山の花が垂れ下がり、紫褐色の独特の風情を表していました。その時、美しいと思ったか否か、それは今は定かではありません…。
 今回はその時以来の花であり、最初何の花か分かりませんでしたが、しばらく考え込み、ようやく思い出しました。そして図鑑で調べて確信したのでした。
 垂れた花茎の上の方にはミッキーマウスに似た萼片を持つ雌花があり、そこに付く突起(4個)が熟して実となるのです。下には多数の雄花が鈴生りに付いており、花粉を出します。これがアケビの花の全形です。今回改めて見て、美しいと思いました。 
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野の花14 カキドオシ 箱根山 2009.5.9

カキドウシ
カキドオシ(垣通し) シソ科カキドオシ属
 つる性の多年草で、花の咲いた後は茎が倒れて這い、横に伸びて行きます。節からは発根しその増殖の速度はかなり高く、あっと言う間に群落を作ります。その群落は翌年沢山の花を咲かせ、見事な景観を見せてくれるのです。その名の“垣通し”は垣根を越えて隣家に侵攻し、大きな群落を作る事から名付けられたと言われています。
 乙女峠の山の端に咲いていたもので、かなり大きな群落を形成していました。小さな花ですが沢山集まれば様子は一変し、人目を惹きつける魅力が生まれるのです。
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野の花13 マルバスミレ 箱根山 2009.5.9

マルバスミレ
マルバスミレ(丸葉菫) スミレ科スミレ属
 日本はスミレの王国であるそうで、各地に様々な形態のスミレが自生しています。花の色、葉の形、棲む場所、それぞれに個性が際立ち魅力的な存在と言えます。それらを訪ね、観察し、愛でる、また旅の途中で出会い見える、それは中々に楽しい大人の遊びです。
 マルバスミレ、それは丸い葉に白い花、その白い花弁には紫の脈が入り、鮮やかなアクセントを演出しています。殊のほか清楚な雰囲気を魅せるスミレで、妖精のようです。会えて良かったと思わせてくれる、小さな命です。
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2009年04月10日

野の花12  シロバナノヘビイチゴ 明日香村 2009.4.5

シロバナノヘビイチゴ
シロバナノヘビイチゴ(白花の蛇苺) バラ科オランダイチゴ属
 野苺の一種であり、白色のやや大振りな美しい花を咲かせます。その名の蛇苺とは人の食べるものではないの意で、鳥や獣の食べるもの…、美味しくないよ、お腹壊すよ…。私にはこの名にそんな大人達の子供への戒めが感じられました。ところがこの苺の実はとても甘くて美味しいのです。真に自然は豊かなもので、蛇苺であろうと木苺であろうと美味しく、戒めなどは直ぐに解け、昔の田舎の子供達には素敵なおやつになったのです。初夏には立派な実が生ります。私達も食べてみましょうか?。鳥や獣の分は残してね…。
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野の花11 ナズナ 明日香村 2009.4.5

ナズナ
ナズナ(撫菜・ペンペングサ) アブラナ科ナズナ属
 「ペンペングサも生えない」などと俗に言われるペンペングサでイメージは悪いのですが、撫菜(なでな・ナズナ)と呼ばれれば愛らしい…と思われますよね?…。しかもナズナは食用や薬用に用いられ、極めて有用な草と言えるのです。アブラナ科特有の四弁の十字花は小さいけれど、沢山集まれば白いレースのようで涼しげで美しい…。本当によく見るとその真価が分かります。果実が三味線のばちのようなのでペンペングサの別名となりましたが、実の茎の付け根を割いてくるくる回すとザラザラと音がします。この辺もペンペングサの名の由来かも知れません。とにかく楽しい草で、私は田舎道を歩けば何時の間にかこの草を探してしまいます。ここは群生していたので美しさが際立ち、とても嬉しかったのでした。
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野の花10 キンポウゲ 明日香村 2009.4.5

キンポウゲ
キンポウゲ(金鳳華、別名・ウマノアシガタ) キンポウゲ科キンポウゲ属
 キンポウゲ科は美しい花の集まりです。どれもこれもが極めて個性的で強く美しい、人の鑑賞に耐え得る特別の一群と言えます。このキンポウゲはその一群の代表で、テカテカと光る黄色の花弁を金の鳳凰の羽に見立てた命名と思われます。正にこの黄金色は遍く人を魅了し、金鳳の名に相応しいと実感させます。
 別名のウマノアシガタはこの草の根生葉が馬の足形に似ているところから名付けられたものですが、図鑑には余り似ていないと記されています。古くから使われた馴染み深い名らしく、昔の書物にはこの名が記載されている事が多いようです。
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野の花9 カンサイタンポポ 明日香村 2009.4.5 

カンサイタンポポ
カンサイタンポポ(関西蒲公英) キク科タンポポ属
 日本に自生するタンポポの中では小振りであり、随分華奢な感じを受けます。花色もこころなしか薄いようでレモン色に見えます。名の如く近畿以西に多く自生し、東のカントウタンポポと棲み分けをしています。因みに東海地方にはトウカイタンポポがあり、日本のタンポポは比較的狭い範囲で生き継いでいるようです。
 写真のタンポポは今し方、蕾から開き始めたばかりであり、まだ受粉はしてないようです。その清らかさ愛らしさに思わず私は声を掛けてしまいました。「頑張れよ!、沢山子孫を残せよ!」と…。
 
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野の花8 レンゲソウ 明日香村 2009.4.5

レンゲソウ
レンゲソウ(蓮華草・ゲンゲ) マメ科ゲンゲ属 
 昔、日本の水田を紅紫に染めていたレンゲソウ。田植え前には土に梳き込まれて田の肥料(緑肥)となりました。そして肥えた土になって豊かな実りの約束を果してきたのです。ところが現代の農家は化学肥料に頼ってレンゲソウを使いません。敢え無く、春の農村の風物詩・紫雲棚引くレンゲ畑は少なくなってしまいました。ここ明日香村も菜の花畑は作ってもレンゲ畑はありません。美しき棚田も何もなく土が見えているか、菜の花畑だけでした。でも僅かでありますが、畦にはレンゲソウも咲いていました。昔植えられた一部が野生化し、しぶとく生き残っていたのです。毎年少しのタネがこぼれてはこうして芽を出し花を咲かせ、命の糸を繋いでいるのです。頑張れレンゲソウ!、何時までもそこにいてくれ!。私は君たちを愛で眺め、写真に撮ったのだよ!。
 レンゲソウは中国原産のマメ科の草で、マメ科特有の根粒バクテリアを根に持ち、空中窒素を固定する事ができます。すなわちレンゲソウは土中に窒素分がなくても生育でき、しかも土中の窒素分を増やす働きを持つのです。長く水田の土壌改良に役立ってきたのです。

 山渓「日本の野草」より
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野の花7 キランソウ 明日香村 2009.4.5

キランソウ
キランソウ(金瘡小草、別名・ジゴクノカマノフタ) シソ科キランソウ属
 何処の田舎にも見られる多年草です。立ち上がらずに四方に這い、多くの花で株を覆います。その花はシソ科特有の唇弁で濃い紫は美しく、春の道端でよく目立ちます。私は思わず目を奪われて見惚れてしまいました。人には名も知られない花と言えますが、世には美しい花も多々あるものです。
 別名のジゴクノカマノフタは「地獄の釜の蓋もあく」の慣用句から取られたようですが、私にはその名付けの根拠は不明でした。因みにこの慣用句は盆と正月の休み・藪入りを指す句と言われています。私は地獄の鬼も釜の蓋を開けて休むのだから、世間の働く人も休ませようと言う意と解釈しましたが、如何でしょうか?。
 キランソウと言い、ジゴクノカマノフタと言い、面白い名を付けるものですね。感心します。

 参考図書 山渓「日本の野草」 広辞苑
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野の花6 スミレ 明日香村 2009.4.5

スミレ
スミレ(菫) スミレ科スミレ属
 この花に会えるのもほんの一時、僅かな間に花開き散り失せる花です。丁度桜の咲く季節に咲き、桜と同様に瞬く間に散り行くものです。皆様も花見のついでにこの花を見つけては如何ですか?。上ばかり見ずに下も覗けば、きっと路傍の日当たりに咲いているでしょう…。
 地方の花見では必ず見つけられますよ…。
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2009年02月23日

野の花5 タチツボスミレ 2009.2.22

タチツボスミレ
 タチツボスミレ スミレ科スミレ属
 “スミレは春の花”、その掟は絶対でそれに背くスミレはおりません。スミレは春しか咲かず、僅かな花を付け瞬く間に散り失せてしまいます。正に泡沫の春の花なのです。しかし夏にもタネは作られ繁殖を図ります。それは閉鎖花(へいさか)と言う花弁のない閉ざされた花の中で行われ、自家受粉で子孫を残すのです。真にスミレは賢い草で、今日この日まで生き残ってこれた所以がそこにあるのです。
 このスミレの薄紫は美しい乙女の象徴…、仄かな優美を私は愛して止みません。
posted by 三上和伸 at 23:28| ☁| 野の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

野の花4 オオイヌノフグリ 2009.2.22

オオイヌノフグリ
 オオイヌノフグリ ゴマノハグサ科クワガタソウ属
 松田町あぐりパーク嵯峨山苑の道端にはオオイヌノフグリが咲き始めていました。畦に陣取りチカチカと青い光を発し、私達にサインを送ってきました。これは、まだ寒い早春から春本番の頃まで咲く継ぐ道端の雑草で、その青い小花は美しく、私は「路傍の青い星」と称して愛でています。毎年のように写真に撮りますが、この花は写真映りが悪く私を悩ませています。でもその一筋縄では行かないところが小憎らしくて愛しいのです。「上手く撮れますように」と願いながらシャッターを切りました。
posted by 三上和伸 at 18:40| ☁| 野の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月09日

野の花3 榛名山の花

野の花3 榛名山の花
 盛夏の候、私達は榛名神社に詣で、その合間に榛名湖の周辺で憩いの一時を持ちました。そんな真夏の暑い中、健気にも夏の野花達が辺りに潤いを捧げており、私達を喜ばせてくれたのでした。

イワタバコ
 イワタバコ(岩煙草) イワタバコ科イワタバコ属 
 このイワタバコは日陰の湿った岩壁に生息する野生の草花で、てかてかと光沢を放つ大きく広い美しい葉を持っています。その葉の上には紅紫色の妖艶な花を咲かせ、何とも隠微で濃厚な色香を匂わせています。花とは正に世の美女の類いない姿態と重なり、その魅力はうぶで純な私を惑わし狂わせます。最も不可思議な存在と申して偽りはありません。

山百合 
 ヤマユリ(山百合) ユリ科ユリ属
 この花との出会いは何時も驚きに溢れています。その大輪の白花は薄暗い林内に浮き立っており、はっとする鮮烈が待ち受けているのです。そしてそこはかと匂う芳香は第二の鮮烈であり、辺りの空気を浄化し清々しさを作り出しています。姿、形、色彩、そして芳しい香り、何一つ不足するものはなく完全無欠であり、正に草の女王の名を欲しい侭にしています。

ユキノシタ
 ユキノシタ(雪の下) ユキノシタ科ユキノシタ属
 地面や岩壁、また苔の上にも生える強い生命力の持ち主です。常に緑を保ち地にへばり付く厚手の広い丸葉は美しく、薄雪にも隠れるのでこれを昔人は雪の下と名付けたのです。とても素敵な名前です。花は大の字や人の字を筆で書いたように見えるすっきりとした形です。仲間には人字草や大文字草があり、こちらの名は見た目そのものであり、なるほどと合点がいきます。薬にも食用にもなります。

コバギボウシ
 コバギボウシ(小葉擬宝珠) ユリ科ギボウシ属
 夏に田舎へ行けば、必ず会える花がこの小葉擬宝珠です。なぜならそれは、田の畔や小川の縁等、比較的人間の近くに多く咲いているからです。花は観葉として庭に植えられている園芸種に比べれば濃色の紫であり、中々に美しい花なのです。私はこの花に出会うと何時も懐かしさが込み上げてきます。どっこい、田舎育ちでもないのにね…。きっと真夏の暑い旅先でよく見掛け、その青に癒されていたからでしょう…。

タマアジサイ
 タマアジサイ(玉紫陽花) ユキノシタ科アジサイ属
 紫陽花は日本の花であり、西洋人はこれを愛しハイドランジャーと称す西洋種を作り上げました。中々に美しく、今日本の庭には多くが植えられています。西洋の園芸種ではユリのように下品なものは少なく、品があり、華やかな品種が多いようです。しかし、もっと野山に目を向けてみましょう。日本の山野には素晴らしい野生の紫陽花が幾種も咲いています。この玉紫陽花もその一つで、比較的身近な山野の沢筋に生えています。この写真は榛名神社の沢筋の参道で撮影しました。写真左が花で薄紫色をしており、それは淡く上品で美しいものでした。右は蕾で、質感の豊かな玉形で総苞に包まれています。これが玉紫陽花の名の起こりで、中に花が隠されています。やがて機が満ちれば総苞は割れて開いて花はおのずと顔を出します。可愛くて素敵な花でしょう? 野生は個性極まり、完璧なのですよ!

ユウスゲ
 ユウスゲ(夕菅) ユリ科ワスレグサ属
 カンゾウやニッコウキスゲの仲間のユリ科ワスレグサ属の一つです。仲間の他の草と違いこの花は夕方に咲き、翌午前中に萎むのです。だから夕菅、真に自然はよくしたもので、咲き分けて異なる昆虫で繁殖を図っているのです。時間の棲み分けをしているのですね。花は薄黄色で品があり、皇室のあの方のお好きな花だそうです。
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2008年07月31日

野の花2 霧ケ峰の花

野の花2 霧ケ峰の花 2008/07/28
 霧ケ峰はアスピ−テ型火山と言われており、溢れ出した流動性の溶岩が辺りを覆い尽くし冷え固まって形成されたものです。なだらかな起伏が何処までも続く流れの如く柔らかなスカイラインを描く高原状の山岳です。その地表は溶岩であり、標高が高く冷涼な気候も相俟ってその風化分解は極めて遅く、巨岩がゴロゴロとした硬く薄い土壌をしています。従って植物の生育分布は限られたものとなり、樹木が少ない草ばかりの広大な草原となっているのです。その草の花々は、春から夏の数ヶ月間に亘り、様々な形態を見せ順次咲き継いで行きます。盛夏(八月)には百花繚乱の体をなし、色彩で溢れます。近年は雑草(帰化植物等)も多くなり困りものですが、この地の草の大半は、在来の高山、亜高山の貴重な花々です。今回の訪問でも数々の花が咲いていました。でもまだまだ盛りは先であり八月が楽しみです。私は再び八月に訪れるつもりでいます。
 因みに今回は一眼レフカメラではなくデジカメで撮りました。花の撮影は難しく、デジカメでは余り美しく写っていませんが、ご容赦頂いてここに掲載いたします。

クガイソウ 
クガイソウ ゴマノハグサ科クガイソウ属
 夏の高原では必ず見掛ける花です。その名の起こりとは、六枚で輪生する葉の塊が何段にも付くもので、多いを表す九を用い、九階草(クガイソウ)の名となったと言う事です。花は極々小さな小花が虎の尾状に付いており、下から順に咲き上がります。この写真の花は、既に青く美しく見えますが、まだ蕾の様であり、これから下部より開き始め雄しべ雌しべを伸ばしてゆきます。高原の夏の花にふさわしく、青紫が涼しげで、見る者を清涼感に誘います。

カワラナデシコ
カワラナデシコ ナデシコ科ナデシコ属
 夏の高原の花の中で一際美しく咲くのが、この河原撫子です。姿、形、色彩と三拍子揃った美花ですが、更にこの花にはもう一つ素晴らしい持ち物があるのです。それは知る人ぞ知る優しく清らかな香りであり、その極上の香りを味わうのも花追い人には大きな楽しみとなります。私はこの花を見付けると迷わず花の前に立ち、微風が吹くのを待ちます。するとやがて風に乗った香気は静かにたゆたい、私の鼻先をかすめます。その刹那、私は深呼吸をするのです。撫子の甘く爽やかな芳香が全身を駆け巡り、私は身を癒され心軽く夢心地となるのです。それは有り難い一服の幸福です。この奥ゆかしい花は大和撫子とも呼ばれ、淑やかな日本女性の代名詞になりました。何時までも日本女性がこの花のようであって欲しいと私は願わずにはいられません。

ヨツバヒヨドリ
ヨツバヒヨドリ キク科フジバカマ属
 フジバカマ属のヒヨドリバナの仲間では、輪生した四枚の葉が段階になって付いているのはこの種だけであり、見て直ぐに他種との見分けが着きます。従って、この草はその美しい四葉に因んで四葉ひよどりの名を頂戴したのです。高原のやや湿った所に生え、その渋い薄紫の花は地味ですが野趣豊かであり素敵に思います。私はその葉姿と共に好んでいます。

チダケサシ
チダケサシ ユキノシタ科チダケサシ属
 この草の茎は細く真っ直ぐでしかも強靭、昔のある村の農民には、採取したチダケ(茸の一種)をこの茎に指して家へ持ち帰る習慣がありました。このチダケサシの名はそれに因んで付けられたものです。古からの名称で日本の農村の在りし日の様子までも感じさせてくれるものです。園芸種のアスチルベの仲間であり、アスチルベに比べやや地味ですが、極く淡いピンク色(写真の花は限りなく白いですが?)は中々に愛らしいものです。

シモツケソウ
シモツケソウ バラ科シモツケソウ属
 亜高山の湿地では特に多く、群生している様をよく見掛けます。野生の草では花の美しいのが特徴で、その大きな群落は正に桃源郷の有り様です。見ている誰もが旨酒を飲んだように陶然としてしまい、ひたすら酔いしれるだけなのです。シモツケソウに乾杯!

ニッコウキスゲ
ニッコウキスゲ ユリ科ワスレグサ属
 ご存知、誰もが知っている高原の名花、ここ霧ケ峰でも代表的な花の一つです。近年は大分数を減らしてしまっているようで、昔の霧ケ峰を知っている私は少々心配しています。三十年前は、高原が黄金色で埋め尽くされ、黄金の光がさざめいているくらい燦然と輝いて見えました。その圧巻の光景に私は言葉なく、ただ茫然と佇んでいた事を記憶しています。今もあの色とあの輝きは脳裏に焼き付いて離れないのです。
 この日はニッコウキスゲの花時には既に遅すぎて、寂しい限りのものでした。
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2008年07月16日

野の花1 山百合

ヤマユリ 
野の花1 日本の名花に風が吹く・山百合 鎌倉市十二所 2008/07/14
 昔、この山百合の球根が海を渡り、はるばるヨーロッパに持ち込まれたそうです。西洋人達はこれを大切に育て、花を咲かせました。するとその花の巨大さと強い芳香に彼等は度肝を抜かれ驚嘆し、一躍この花はヨーロッパ園芸界の話題をさらったと言う事です。賛美の嵐が吹き荒れ、欲しがる愛好家が続出したそうです。後に、この出来事はヨーロッパ園芸史上の三大センセーションの一つと数えられ、日本特産の山百合は歴史にその名を刻みました。
 ユリ類は進化的にはやや古い形態と言われており、それはこの草の生態から容易に察しがつきます。この類は葉で生成した養分を球根に蓄え、これを肥大させて翌年の根、茎、葉、花の素とします。球根は栄養価に富み極めて美味な為、人や獣の好餌となり易く、ユリは常に食害との戦いを強いられてきました。これが生存競争の劣勢を表し、進化の遅れた古い形態の草と見なされているのです。ところが近年私は都市近郊の限られた場所で山百合をよく見掛けるのです。それは線路際の土手や自動車道路の側面の土手、そして急峻な断崖などです。獣が去った近郊では花盗人が近付けない限りこの草の適地であり、このような所では山百合の繁殖の余地は拡大しており、今、山百合に風が吹いているのです。
 香り高く美しい花、そして美味い球根。こんな草が今の日本で生き延びてこられたのは奇跡としか言い様がありませんが、しかし、その奇跡の裏側には知られざる真実が存在していたのです。秋にこの草の実りを見に行けば、それは合点がいくでしょう。巨大な莢には無数のタネがひしめいており、完熟すれば莢は弾け、タネは風に乗って遠くへ運ばれて行きます。そして何年も土中で眠り続け、じっくりと目覚めを待つのです。やがて適地ならば発芽生長をし、巨大輪の花を咲かせ、その芳しい香りは辺り一面を漂います。梅雨の末期に咲く花で雨が強ければ強いほど香りは増します。それは鋭利な香りの刃となって澱んだ空気を切り裂くのです。梅雨は他のどの季節よりも名花の香る、最高の花の季節です。
posted by 三上和伸 at 19:12| 野の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする