2012年05月08日

今宵の宿 石山寺・月乃屋山荘 2012.05.03

 迷路の如き混濁の頭脳を持つ私、それが迷路のような複雑怪奇な関西の道路とぶつかり合ったのだから堪りません。彦根から二時間以上も経っているのに迷いの子羊のままの私達、私が「もう、家へ帰りたい!」と言ったら妻と喧嘩になりました。娘の気転で事なきを得、無事、私達は宿の客に納まりました、ご苦労さん…。

 「宿が決まり、訪問先が絞れました」の項で、この宿「月乃屋山荘」が温泉ではないと報告しましたが、実は温泉でした。ラジウム鉱泉と言う弱放射能泉で、それを沸かしているとの事…。私が「ラジウム泉は、普通冷泉で入るのよ、沸かすと効能が薄くなるの…」と言って『しまった、余計な事を言っちゃった…』と口をすぼめましたがもう遅い、若女将?が怪訝な顔をなさったので、慌てて苦笑い(でも明るくニッコリ)を作り胡麻化しました。でも、妻は熱い温泉が好きなので大喜び、以前に二回程、冷泉に無理やり入れられて(私に、棧《かけはし》温泉や増富ラジウム泉で)、それ以来冷泉嫌いになっていたのでした。湯舟はそれ程大きくありませんでしたが、数人ならゆったり入れる広さがありました。やや温め(ヌルメ)、私の好み、いい湯でした◎。ところで、温泉や銭湯は老若の差により好みが変わりますね。娘は部屋付きの温泉バスを利用しました。私なんぞは我が家の狭い風呂に嫌気が差しているので、足の伸ばせる大浴場が大好きなのですが…。勿論、他人と芋洗い状態は嫌なので、混んでいれば入らず、時間をずらして大風呂に一人で入るタイミングを狙っていますがネ。

朝餉
朝餉(5月4日、朝食)
極めてシンプルな献立、過剰なサービスのない、まあ、名物料理とは言い難いですが、基本に忠実な上品な味付けでした。これはこれで大変美味しく、結構なものでした。

まあ、調度も古く薄汚れて見えますが、不潔ではなく、居心地は悪くありませんでした。二間続きの部屋で、奥に妻と娘が寝、手前の部屋に私が一人寝しました。熟睡できたのは、この旅館の自然な佇まいと簡素な接客、そして一人寝の賜物と思えました。

posted by 三上和伸 at 22:48| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月30日

食べ歩き・昼餉 満福寺・茶房・義経庵のシラス丼 2012.04.29

 源義経と武蔵坊弁慶に縁のある龍護山満福寺。この寺の前景は勿論相模湾の海ですが、何とその間には江ノ電の線路が割り込んでおり、満福寺を訪ねるには踏切を渡る事になります。鎌倉の寺は以前に紹介した横須賀線が境内を走る円覚寺を始め、面白い立地の寺が多いようです。狭苦しいと言えば狭苦しいですが、江ノ電ならではの風情があり、こんな新旧の混合はいいですね。

 *シラス丼
義経庵のシラス丼
満福寺は宿坊も兼ねているので、食事を提供するのはお手の物…。今流行りのシラス丼も食べられます。出される料理には一般的な釜揚げのシラスを使うので、生のシラスが所望の方々には不向きな店です。この日も、それとは知らぬ客が現われ、がっかりして帰って行きました。私なんぞは、生より火の通った魚介が好きなので、何でそんなに生に拘るのか気が知れません。火を通せば味が濃くなり(アミノ酸の数値が上がる)旨味が増すのです。シラスは釜揚げに限ります。但し、シラスのかき揚げは食べたかった…。それが食べられる料理屋は長蛇の列…。腰越の“かぎ屋”や“しらすや”、江の島の“とびっちょ”などは下手すりゃ数時間待ち…。これでは食べに来ただけで観光はできません。だから私達は直ぐに食べられる義経庵にしたのです。しかし、馬鹿にしてはいけませんよ。ここの釜揚げシラスのシラス丼、ホントに美味しいんだから!! しかも付いてる味噌汁が更に美味しい! 是非、何時かはご賞味あれ!

因みに、週末の昼時には、音楽家の石井秀憲氏が電子ピアノの生演奏をしています、凄いでしょ。曲目は彼自身のオリジナル曲で、中々秀逸な曲想をもっています。優しく撫でるような柔らかなタッチの響きは耳に心地よく、食事をより豊かにしてくれます。
posted by 三上和伸 at 22:58| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月27日

食べ歩き・テイクアウト 遅れ馳せのホワイトデイ・葉山鴫立亭の洋梨のタルト 2012.03.27

洋梨のタルト
何時もの事ですが、今年のホワイトデイの捧げ物も、遅れ馳せのものとなりました。まあ、不器用な私としては精一杯の事をなしており、今年も家族の大好きな葉山鴫立亭の洋梨のタルトを送る事ができました。この鴫立亭は妻の従兄がやっている店で、あの皇室のあの方もここの洋菓子のファンですとか…。余りマスメディアに顔は出していませんが、彼は知る人ぞ知る名パティシエです。この洋梨のタルトは絶品です。是非一度お試しあれ、貴方の舌を唸らす事請け合います。 ¥1800

私が四分の一のカットにしました。一寸、下手でした。

追伸:昨夜の私の炊事当番のメニューをお知らせします。
塩麹漬けの鰆の蒸し物と粉吹き芋を作りました。蒸し物は初めて料理しましたが、鰆の下に葱、韮、シメジを敷いて、案外美味く出来上がりました。長女の絶賛を浴びました。エヘン! 粉吹き芋はチ-ズ掛けにしました。
posted by 三上和伸 at 23:46| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月18日

食べ歩き・昼餉 ヨットハーバーのレストラン・クリッパー 2012.03.18

 朝早く始動したお陰か、無事、雨にも降られぬ内に、三つのお墓のお参りを済ます事ができました。父に義父、また三上家の先祖や母方のおばあちゃんもきっと喜んでくれているでしょう。墓前に捧げた薔薇やチューリップが殊の外美しく、どんよりとした天候ながら、清々しい気分にさせてくれました。

@レストラン・クリッパー
レストラン・クリッパーから観えるヨットハーバー
その後、母に妻、そして私と三人で、先日漫ろ歩いた浦賀燈明堂近くのヨットハーバー・マリーナ・ヴェラシスの中にあるレストラン“クリッパー”で昼御飯を頂きました。海が観えると言うよりはヨットが観えるレストランで、その名のクリッパーは、十九世紀に活躍した快速帆船・クリッパー号から頂いたものだと言う事です。正にこの景色に打って付けの洒落た名であり、料理が益々楽しみになりました。

A地場野菜?のサラダ
野菜サラダ
やはり横須賀三浦は野菜の王国、特にサラダにする野菜には定評があります。どんな路端の野菜簡易販売所で買っても、とても美味しい…、ましてそれを洒落たレストランで食べれば尚更の事です。あの観音崎の“マテリア”で食べた食感がこの日再び蘇りました。

B真鯛のソテーとハンバーグステーキ
真鯛のソテー、茸のソース ハンバーグステーキ
妻と母は真鯛のソテー、私は肉が食べたかったのでハンバーグステーキにしました。鯛もご相伴に与かりましたが、全体に薄味で一寸拍子抜けしました。それでも、素材の味をよく伝えており、上品な味わいがありました。私は田舎者で、もう少しパンチの利いた味が好みですが、妻は大変気に入ったようでご機嫌でした。母はと言えば、私に輪をかけた田舎者で、味が薄いと洩らしていました。因みに私のハンバーグの上に乗ったブロッコリーは歯触りと言い、味付けと言い、絶品でした。

Cデザート
デザート
コーヒーは今流行りの泡の立った奴、私は酸味のあるクラッシックタイプのコーヒーが好きなので、これには角砂糖を入れて飲みました。シフォンケーキとフルーツケーキ、それにバニラアイスは、どれも素敵な香りの立つもの、私好みの優れた品々で幸せでした◎。
posted by 三上和伸 at 23:29| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月07日

食べ歩き・間食と昼餉 西浦賀の餅菓子屋さんと東浦賀の海の観えるパン屋さん“ワンこぱん” 2012.03.17

@紺屋町の餅菓子屋さんの鹿の子餅と桜餅
鹿の子餅と桜餅
蔵を観て西叶神社を参拝した後、私は意気揚々と歩き出し、しかもワクワクと心弾ませ船出を楽しみに、渡し船の桟橋につきました。そこには既に船があり、乗船して船頭さんに「生憎小銭がないので千円でお釣りくれる」と尋ねたら、「御免、今、昼休みなのね、もう少し待ってくれますか?」と肩透かしの答えが返って来ました。「そーか、もう昼時か、じゃあ、僕も昼御飯にして、時間を潰してくるね」と言って、紺屋町界隈で食事処を探したのですが、さっぱり見付かりません。仕方なく小腹を満たすのと船代にする釣銭欲しさに、丁度見つけた餅菓子屋で甘味を二品買い求めました。店の女将さんに「ここら辺は食事処が全然ないね?」と尋ねたら、「昔(浦賀ドックがあった頃)に比べ寂れてしまってね、皆潰れたんだよ」と悲しそう、私は変な事を言っちゃったなと反省して「ニカッ」と笑い、「でもこうして立派に和菓子屋さんをやっていらっしゃるじゃない、凄いよ」と慰めを言ってその場を凌ぎ、ばつが悪そうに店を退出しました。それから餅を片手にブラブラしましたが、何だか紺屋町の町そのものまでが悲しげに見えて閉口しました。鹿の子餅と桜餅、渡し船の待合椅子で食べました。甘くてほんのり桜葉の良い香り、美味しかった!

A海の観えるパン屋さん“ワンこぱん”の自家製天然酵母のパン
窓越しの海の景色 パン三種
窓越しの風景           “ワンこぱん”のパン
東叶神社のご近所にあるヨットハーバーのクラブハウス・サニーサイドマリーナ浦賀の二階にあるのがこの海の観えるパン屋さん“ワンこぱん”。若いパン職人の女性オーナーが切り盛りしています。

餅菓子二つで我慢してた私もここらが限界で、海の観えるパン屋さんの看板を目にしては最早我慢ならず、イートインの綴りを見てはこのパン屋さんに飛び込んでしまいました。商品棚には沢山のパンが並んでおり、若き女性オーナーに案内されてアンパン(手前)、クリームパン(左)、シナモンロールの三点とクリームスープを選び、海の観える窓辺のテーブルに席をとりました。先ずはおもむろにアンパンを手に取り「パクリッ、モグモグ、うーむ、ずっしりの餡子、甘くて美味しい!」、次にクリームパンを「パクリッ、モグモグトローリ、カスタードのまろやかさがいいね」、最後にシナモンロール「大好きなんだよね〜シナモンの香りが…、あっ、天然酵母と小麦の香りも混ざっていい感じ」と独り言を言いながら美味しく食べました。全体にはしっかりとした噛み応えのあるパン、窓越しの海の景色を観ながらゆっくり咀嚼して満腹となりました。空腹後満腹イコール大満足!

お勘定を済ませ帰りしなに女性オーナーと交わした会話は「如何でしたか?、また、宜しくお願いします」、「うん美味しかった、景色も良いしまた来るね、繁盛を祈っていますよ、頑張って!」。最後は激励の言葉を投げ掛けていました。

posted by 三上和伸 at 22:51| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月08日

食べ歩き・昼餉 観音崎マテリア 2012.01.02

正月二日に横須賀の母を訪ねた私達は、新春の食事会を大好きなイタリアン・観音崎マテリアで開きました。私用で不参加の弟を除き、三上家全員(とは言っても母と私達夫婦に長女と次女)が参加したのでした。昨春に続きマテリアを選んだ訳は、私が大好きなレストランだからもありますが、この雰囲気、初めての次女にも教えてやりたかったからでした。海の観えるレストラン、本当に素敵なレストランです。

1、グリーンサラダ
グリーンサラダ
マテリアの紹介は二回目なのですが、初めは再度の紹介は避けようと腹で決めていたのです。ところがこのサラダが余りにも美味しかったので、そしてついでながら写真が良く撮れたので、掲載することにしたのでした。

横須賀三浦の地場野菜を使ったサラダ。決して強くないのですが、パリッ、シャキッと歯切れ良いリズミカルな歯触り、溢れる水分と芳香、生野菜を食べる幸福を味わえました。先日食べた山手ロシェとはこのサラダ一点のみにおいて、段違いの差がありました。やはり野菜の質、そして新鮮さで地場の野菜が勝りました。

2、シラスのピザ
シラスのピザ
見るからに美しく美味しそうでしょ! 事実凄く美味しいのです。外側の生地からしてパリパリに焼けたナポリ風。シラスにトマトソースとチーズがよく絡み合い、シラスの風味がよりマイルドに…。散らされたオリーブがアクセントとして存在感を示し、さらにピザを美味しくしていました。

3、烏賊墨のスパゲッティー
烏賊墨スパゲッティー
誰が注文したのか?判らない烏賊墨の…、私が「こんなの食べたら、御歯黒の江戸女になるよ!」と。丁度、妻と次女は着物を着ていたのでしたから尚更…。我が家の女共は着物大好き女たち、お正月になれば誰か彼か着物を着ています。昨春は長女が元旦から一週間、着物を着てあちこち出掛けていました。私は何時も傍で観る側幸せ者側?、良いものですよ着物姿は…、大好き…。大和撫子の皆様、一年に一度でいいから着物を着ましょう。もしそうなれば壮観ですね。一気に外国人旅行者で日本の正月は溢れかえりますね。

案の定、皆は江戸の女に変身していました。おお、怖…。

4、シーフードカレー
シーフードカレー
これは勿論、私の注文の品、このシーフードカレーライスは絶品なのです。これが無かったら私はここにはいなかっただろうとこの時本気で思ったほどでした。最高!シーフードカレー、万歳、マテリア!

5、庭から望む浦賀水道
浦賀水道
料理も素晴らしい、従業員も優しい、でも私はこれだけではそうそう簡単にこのレストランを褒めそやす事はしないでしょう。もう一つの特筆すべき美点…、それは海が観えるレストランだからです。今回は寒風の中、皆して食後庭に出てみました。そして満々と水を湛える浦賀水道を眺め、遠くの船や房総半島を指差し語り合いました。最後には素敵な中年のウェイトレス嬢?にお願いして全員で記念写真を撮って貰いました、海を背にしてフカフカの柴地に整列して…。寒風に半袖ユニホームでカメラを構えるウェイトレスの…、その優しさが胸に染みました。
posted by 三上和伸 at 21:36| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月02日

食べ歩き・夕餉 山手ロシュのクリスマスディナー 2011.12.23

夜の観光でしたので何処かで夕飯を食べる必要があり、どうせ食べるなら美味しいところが良いと、出掛ける前にあれこれ思案したのでした。但し、予算はなるべく負担の無いようにと…難しい注文もありました。場所は山手か元町で、ディナーコースでお安くと、そんな線に沿って二三拾い出したのが元町“梅林”、“山手十番館”、それに“山手ロシュ”でした。まず元町梅林は値も張り料理も多く重すぎると言う事でパス。山手十番館は驚くほどに高額過ぎるでパス。そして今回の私達の目論見に程良く適ったのが山手ロシュでした。すかさず妻が電話一本で予約してくれました。ここは昔ながらの洋食屋の味を残したレストラン、平素はオムライスやスパゲッティなどの一品料理が適切な値段で楽しめる優れたお店です。この日はクリスマスメニューの特別の日、¥4500のクリスマスディナーコースを、食事だけ参加してきた長女(ずるい?)を交えて楽しんだのでした。

1、前采
前采
 @ノルウェーサーモンのマリネとフィーヌゼルブ(写真上)
ノルウェーサーモンのマリネ(サーモンをオリーブ油、ワイン酢、ワインで漬けこんだもの)にフィーヌゼルブ(ハーブ《仏》)を添えたもの。 

 A若鳥のクネル詰めバロティーヌ(右下)
骨を除いて広げた若鳥で(に)挽き肉やフォアグラなどのクネル(ミンチ)のファルス(詰め物)を包み込んだもの。

 B才巻き海老のカレー風味エスカベッシュ(左下)
才巻き海老(成体前の小型のクルマエビ)を揚げ、香味野菜と共にカレー風味のワインビネガー、オリーブオイルに漬け込んだもの。

01.03の朝、ネットで料理の名や意味、そして簡単な調理法を調べました。

2、スープとパン
スープ パン
 @スープ 
男爵芋のクリームポタージュ
男爵芋の風味が立ち奥深い味わい、優しい舌触りが素晴らしいスープ。

 Aパン
一般に言われているソフトフランスパン、風味に甘さがあり口当たりも良い。歯に優しい私の大好きなパン。

3、サラダ
 グリーンサラダ
これが最も平凡でした。生野菜を食べる喜びが感じられなかったです。

4、肉料理
ビーフシチュー(和牛)ヌイユ敷き
ビーフシチュー(和牛)ヌイユ敷き
古き良き洋食屋の味、正に文明開化の横浜・洋食屋の独壇場です。かなり甘めのデミグラスソース、されどその甘さが極上のマイルドさと濃くを生み出します。そのソースが蕩ける和牛の肉の繊維の芯まで絡まって絶品でした。これほど満足感のあるビーフシチューは初めて食べました。
ヌイユとはパスタの事。

5、デザートとコーヒー
デザート
余りに小さくて一寸もの足りなさは残りますが、それは美味しいケーキです。全てここの職人の手作りだそうです。
コーヒーは苦目の濃い目。
posted by 三上和伸 at 23:30| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月12日

食べ歩き・昼餉 横浜・野田岩の鰻重 2011.12.11

一寸した用足しをした後、折角義母と会ったので、チョイと贅沢をして、横浜野田岩に鰻を食べにいきました。

レトロな店内
東京麻布が本店の野田岩ですが、有難い事に横浜西口にも横浜店があります。住所としては横浜市西区北幸ですかね。こじんまりとした瀟洒な店で、店内もレトロな落ち着いた雰囲気が床しく、私は気に入りました。美味しい鰻と共に、ゆったりと静かな時間が過ごせました。

鰻重
ここは老舗の鰻の名店、天然ウナギを供するお店です。最初から食べる気は更々ありませんでしたが、興味本位に仲居さんに聞いてみました。「今日は天然ウナギはないのかしら?」、「生憎、漁期も終わりになり、今日はございません」。「ああ、そうですか、それは残念!」と返答している最中に、妻が指差したメニューの断り書きには、天然ウナギの漁期の終了と入荷が無い事が書かれていました。「ハハハハハー、恥掻いちゃった…」と赤い顔をし高笑いをして取り繕い、その場をしのぎました。

一番安価なものを注文した時、仲居さんが「ご飯の量は如何致しますか?」と尋ねて来ました。「はて、如何なものか?」と、皆一瞬戸惑いましたが、それは食べ始めたのち得心がいきました。かなり多めのご飯の量、ご婦人にはチト重た過ぎたかもね…。でも妻も義母もあっと言う間に残さずたいらげました。ふわふわとろーりの鰻に絶妙のタレ、素晴らしい川魚の香りがご飯を美味しくさせ、人を夢中にさせ、食べ尽くすまで逞しい食欲を維持させていましたね。

今となって(食べた直後でもそうでしたが)一つ残念な事は、ご飯の中にもウナギが入っている中入れ丼を注文しなかった事。野田岩は天然ウナギも然る事ながら、この中入れ丼が名物だとか! 残念!
posted by 三上和伸 at 22:20| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月03日

食べ歩き・間食 桜葉ソフト(クリーム) グリーンヒル土肥 2011.09.11

 写真を撮り損ねたので掲載をためらったのですが、このドライブイン、ボツにするには余りにも惜しいので、言葉だけでご紹介致します。

 金山で有名な土肥から国道136号線を土肥(船原)峠に向かう道すがらに…、ポツンと佇むたった一軒の店。グリーンヒルズ土肥の名の下におおき牛乳の屋号が書かれた看板が見目麗しく飛び込んできたのでした。「ここ!、ここに寄って!」と妻が…、「え!、ここ!」と言った途端、私は急ブレーキをかけUターンをして車を駐車場に着けました。

 「面白そうなお店でしょ、今朝ここの前を通った時、目を付けていたのよ!」と嬉しそう。まずは店内の食堂を見て驚きました。何とラーメンのスープが醤油、味噌、牛乳となっていて選べるではないですか。流石は牛乳屋の店、この通称牛乳ラーメンは西伊豆の名物になっているらしく店は若者の姿が目立ちました。また一寸高額?ですが、牛乳も美味しそう…。でも私はラーメンも牛乳もパスし、聞き慣れない不思議な名の“桜葉ソフト”を食べました。それは得も言われぬ桜の葉の爽やかな風味、かなり甘いですが、そこらで売っているソフトクリームとは格が違う秀逸なものでした。暑かったので妻と一緒にぺロリぺロリ…、舌と喉が喜びました。おいしかった! よろしかったら皆様もおおき牛乳にお立ち寄りください。
posted by 三上和伸 at 23:29| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月02日

食べ歩き・昼餉 堂ヶ島・瀬浜寿し 2011.09.11

地魚寿し
平目、金目、槍烏賊、鯵
蛸、柚子塩の達磨烏賊、鮑、印度鮪の赤身
チョイと少なめの地魚のにぎりでしたが、旅館の朝飯を食べ過ぎたので程良い加減で腹に収まりました。この日は暑く、やはり残暑の季節には爽やかな寿司が有難い食べ物となりました。金目、鯵、鮑、中々のご馳走でした。
posted by 三上和伸 at 15:25| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月28日

今宵の宿 伊豆船原温泉秘湯を守る会会員旅館“うえだ” 2011.09.10~11

根が正直者の私は旅行でトラブルが絶えません。修善寺の駐車場でも料金の事で係の女性にイチャモンをつけ女性を困惑させました。そして今度は旅館で客の一人と詰まらぬ喧嘩をしたのです。何ね、沢山ある貸切風呂の順番取りで揉めたのです。相手が悪いのですよ。順番取りにもたついた私に「早くしろ!」などと偉そうに言うから…。「黙れ、大人しく待っていろ!」と大声を上げながら口汚く罵り合いました。妻とあちらの家族と係の女性はオロオロ。でもね、それでお終い、そんなの引きずるようでは男ではありません。さっとお開きにしてそれぞれで楽しむ事にしたのです。お風呂、それはそれは素晴らしかったのです。

大露天風呂 小露天風呂
大露天に小露天、それにジャグジーと男女の内湯、何とも贅沢な秘湯を守る会の会員旅館。これでお客7組限定なのですから温泉好きには笑いが止まりません(この日は3組)。内湯以外が全部貸切風呂になるのも肯けますよね。一組40分でそれぞれの貸切風呂を二回ずつ入れるので都合六回も入浴できるのです。ホントに凄いでしょ! でもね、はっきり言って、そのローテーションを守るのは至難の技でした。私はとうとう、ジャグジーは割愛してしまいました。番取りで喧嘩したのは何だったんだ! やっぱり馬鹿は……。勿論、私達は一人風呂でしたよ…フフフ…。

全て源泉かけ流し、泉質はアルカリ単純泉、この泉質は何度でも入れ、長湯もできます。でも流石の私でもチト入り過ぎ、少しのぼせました。

夕食の献立 朝食
食事も素晴らしかったです。夕餉は懐石風でしたので、写真は止めにして食べる事に専念しました。お造りと松茸、鮎にビーフシチューが気に入りました。特にお造りの鱸(スズキ)が素晴らしかった。新鮮、臭みなし、脂乗れども爽やか、白身魚最高。

朝餉も好きな物ばかり、甘い玉子焼きには陶酔を覚えました。
posted by 三上和伸 at 22:20| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月25日

食べ歩き・昼餉 港南台・大輪の蕎麦 2011.09.24

横浜港南台の大輪 桜海老搔き揚げ天ざる
アメリカの人工衛星は無事何処其処に落下したそうで、日本に落ちなくて良かったですね。昨日の亡き義父のお墓参りの際も、私は時偶天を仰いで見ていました。これは正しく中国のことわざ・杞憂そのもの、いらざる心配、取り越し苦労、他人には滑稽に見えるでしょうね。でもね、絶対の杞憂ではないのです。20兆分の1の確率はあるのですから…。不謹慎に面白がったりまた怖がったりしながらも注意している事は大事な生き方ですよ。安全安心に生きる、これこそ太古からの生き物の生き延びる原点です。

墓参の後は義母と義姉、それに妻と次女を交えて会食をしました。特段の評判を聞いてこの店を選んだのではなく、ただ通りすがりに「中々風情のある店だね」だとか、「きっと、美味しいかも?」などと言って通り過ぎていたのをこの日は通り過ぎず試してみました。当て感の試しは正解でした。腰のある更科の蕎麦、その喉越しはサラリとして澱みがなく、噛めば程良い弾力が心地よい…。香りもあり中々の逸品でした。搔き揚げ天はボリュームはあれど軽い揚げ上りで香ばしいものでした。大変気に入りました。隠れた名店といってよいでしょう。
posted by 三上和伸 at 08:59| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月20日

食べ歩き・昼餉 禅寺そば 修善寺禅風亭な❜番 2011.09.10

禅寺そば
店内を見渡せば取材に来た有名タレントやメディアの色紙が多く飾られ、ここが有名店である事を物語っていました。しかし、その色紙のサインの字面を見て何時も不思議に思うのですが、その色紙の主が誰某かはっきり認識出来るものは滅多にありません。まあサインは真似されては困るものですから、さっぱり分からないふうに書くのが肝要なのかも知れませんね。“知る人ぞ知る”で良いのでしょう? でも子供でも分かるように書けば自分をアピールできるのにね、勿体ない…。それでもあれこれ穿って詮索すれば、恥ずかしさや戸惑いでおちゃらかす素振りもあるようですね…。オー恥ずかし…

中々に仕掛けの多い凝った蕎麦でした。写真真ん中には葉付きの山葵の根、その手前にはおろし金、左奥が手打ちの蕎麦、その手前に薬味の入った小皿(上)と汁入れ猪口(下)、右奥のひょうたん型の容器には蕎麦汁(上段)、地の山菜(中段)、とろろ蕎麦(下段)、その手前は白ゴマ入りの小擂り鉢と山椒樹の擂り粉木。山葵をおろしたり、胡麻をすったり、容器のあちこちをいじり回し山菜食べたり、とろろ食べたりで結構忙しい蕎麦食いとなりました。でも美味しい…、山葵が最高!、とろろも旨い。
posted by 三上和伸 at 18:54| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月19日

食べ歩き・喫茶間食 「福太郎」餅 2011.09.10

福太郎餅
三嶋大社の名物餅「福太郎」は境内の茶屋で食べられます。お茶付きで出てくるので一寸した休憩には持って来いの食味です。ヨモギを練り込んだ餅に烏帽子の形に添えた餡、お田打ち祭の福太郎を模した餅ですが、歯応えのあるヨモギ餅で元気が出る事請け合いです。ヨモギが邪気を払い餅が生命力を宿すと言われる福を呼ぶ百薬の餅、従って縁起餅の福太郎と呼ばれているそうです。

 流石はお茶処と言われている静岡県の三島、美味しいお茶が頂けました。暑さの中人心地が付きました。

 *お田打祭
 三嶋大社では毎年一月七日に古代田祭(お田打)神事が行われています。この神事は平安時代に起こり、鎌倉時代に盛んに行われ、今に伝承されたものです。黒いお面をつけた婿の福太郎が、白いお面をつけた舅の徳長とともに、苗代所の選定からタネ蒔き、鳥追いなどの所作を狂言形式で行い、その年の五穀豊穣、天下泰平を祈るお祭りです。 (縁起餅福太郎の栞より)
posted by 三上和伸 at 19:10| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月05日

食べ歩き・昼餉 馬車道十番館 2011.09.04

義姉夫婦(夫婦とも同い年、私より年少)の還暦祝いにガス灯で名高い馬車道にある十番館でランチを頂きました。お祝いの席を設けるに当たって、遠慮深いこの夫婦はランチで良いと言うので、比較的安価に済み私としても大助かり?でありました。しかしランチと言えども味はディナーと同じ、とても美味しい気の利いた料理でした。

@馬車道十番館
馬車道十番館
馬車道十番館の玄関口、赤レンガ造りのレトロな落ち着いた店です。店の前にはこれまたレトロな電話ボックスあり、昔懐かしい公衆電話の文字が…。思わず文明開化のあの頃にタイムスリップしてしまいそうになりました。否、私は既にあの時代の客となり、気取って雲の上?を進むように指定席まで歩みました。

馬車道十番館は馬車道大通りを北(北西)へ一辻入った六道の辻通りにあります。斜向かいには豚カツの名店・勝烈庵馬車道総本店があります。この辺り、日本の食文化の西洋化の一つの先駆けとなった所なのです。

馬車道とは?=開港時の交通は牛馬が主であり、生糸検査所辺りから外国人を乗せた馬車や荷馬車が頻繁にこの道を通った事に依り命名されたのだそうです。

六道の辻通りの六道(ろくどう)とは?=あらゆる人々(生物)が善悪の業によって至る六種の迷界の事。即ち、@地獄(現世の悪行の報いを受ける所、閻魔と鬼が罪人を呵責する)、A餓鬼(飢え渇きに苦しむ…)、B畜生(人に養われるもの、禽獣、虫魚の棲む所)、C修羅(闘争心の盛んな鬼のいる所)、D人間(人の世界、善人の行く所)、E天上(天上にある世界、最上の善を施した者の行く所)で、どの迷界に行くかはその人の業次第…。  参考:広辞苑

A十番館前にある牛馬飲水槽
牛馬飲水槽
現在は馬車道十番館の前に設置されていますが、これは大正六年に磯子区の八幡橋付近で設けられたもの、当時は生糸検査所(馬車道の直ぐ北にある)や高島町及び久保山ガード付近にも設置され、牛馬の休憩所の役目を果たしていたそうです。

Bエンブレム入りグラス
十番館のグラス
ガス灯のエンブレムの透かし模様が入ったグラス、素敵でした。

C開化ステーキ(看板料理)
開化ステーキ
私の注文の品・開化ステーキランチの醤油風味の和風ステーキ、長崎県産の黒毛和牛のヒレ肉を使用しているそうで柔らかく濃い味の私好みのステーキでした。焼き方はウェルダンで、血生臭いのが苦手な私の最良な焼き具合でした。肉は良く焼けてなければ美味しくないのです。生肉、大っ嫌い!!

D義姉のデザート
バースデイデザート
義姉のためにシェフがわざわざ作ってくれたデザート、義姉の顔が柔らかく崩れました。仄々とした時が過ぎ行きました。会話も途切れることなく盛況でした。

posted by 三上和伸 at 23:23| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月16日

食べ歩き・昼餉 熱川温泉にしきの海鮮料理 2011.08.13

金目鯛の煮付け 磯納豆丼 桜海老のから揚げ定食

 もう五六年前になるでしょうか、テレビの旅番組を観て知っていた妻が伊豆の旅の折の昼食にこの店を指名したのでした。この時、比較的安く美味しい魚介が楽しめたので一家でファンとなり、この日で三度目の食べ歩き訪問となりました。私達は訪ねる度に異なる品を注文し、今回、妻は丼をパスし刺身定食を、納豆好きの次女は磯納豆丼(新製品?)を、生魚が今一つで天婦羅大好きの私は桜海老のかき揚げ定食を試してみました。更に妻のビールのつまみ兼我らが箸休めに金目鯛の煮付けも頼みました。食べ終えた時、そっと二人の顔を覗き込みました。まあるい(丸い)満足のお顔が窺えました。勿論私の桜海老のかき揚げ定食布海苔の味噌汁付きも素敵でした。カラリとした煎餅のような食感に香ばしい揚げ海老の香り、布海苔共々香りが美味しかった…。

 *妻が注文した刺身定食は写真を撮り損ねました。
posted by 三上和伸 at 22:24| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月02日

食べ歩き・夕餉 横浜野田岩の鰻をお家で食べる 2011.08.0

横浜野田岩の鰻
今日は土用の二の丑の日、今年の土用は二度鰻が食べられるのです、嬉しい…。しかし考えてみれば何か変な言い回しですね。土用の丑の日に取り立てて鰻を食べなくたっていいし、沢山食べたければ毎日食べたっていい…、好きにすればいいのですが、そう言えるのは今も昔も一部のお金持ちに限られるのではないでしょうか。現代の私を含め一般庶民は源内さんが掛け声を掛けてくれなかったなら、そうそう鰻などの高級品はおいそれと食べられなかったでしょう…。まあ、鰻などたまに食べるから有難いのであって、やっぱり土用の丑の日に食べるのが今も昔も時代を超えて一番美味しいのではないですかね…。土用の丑の日、やっぱり、鰻を食べましょ!!! 一寸した贅沢として…。

いくら野田岩で買ってきた鰻であろうとも、自宅で食べたのでは“食べ歩き”とは可笑しいですかね? 私はともかく妻は歩いて買って来てくれたのですけどね…?。でもね、とっても綺麗に焼けていて凄く美味しかったのでどうしてもブログに載せたく思いました。そして書き始めたところでカテゴリーはどうしようかと迷いましたが、エーイ、食べ歩きに載せてしまえと英断?蛮勇?を奮って決めてしまいました。 

タレは辛からず甘からず、さらりとして爽やかな絶品…。鰻はふっくらとして蕩ける舌触り、皮などないみたいで脂が甘い…、この二つ味が相俟って絶妙な風味を醸し出していました。我が家の白飯にもよく絡み合いつゆだく御飯も美味しいものでした。流石はミシュランの星獲得店、辛口ダレの雄(名店)“横浜わかな”の上を行くかも知れません…。
posted by 三上和伸 at 21:42| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月19日

食べ歩き・昼餉 天婦羅・横浜天吉 2011.06.18

妻の実家で梅摘みをした後、梅を分けてくれた義母へほんのお礼にと、横浜関内の天吉に天婦羅を食べにいきました。ここは創業明治五年、横浜の天婦羅屋では老舗中の老舗です。確かに高級なコース料理もメニューにあります。でもランチもあり、庶民的な一面も見せるのです。味は勿論老舗の誇り高きもの、ランチセットと言えども一切の手抜きはありません、天婦羅は今一つと言う妻も食べてご機嫌!の保証済みの味ですよ。

天吉の玄関
天吉
横浜関内北口から一分、一寸根岸寄りに戻った所にあります。中々いい雰囲気のお店でしょ、決して敷居が高そうではないでしょ…。すんなり入れて心地よく食べられる気楽に楽しめる老舗なのです。

ところでここはあのサザンオールスターズの原由子の実家なのです。それでも店内を見回した限りではそれらしい雰囲気はさらさらないのですけどね…。原は中々の才媛だったそうで、ピアノにギター、そして学業にも才を発揮したと言う事です。まあでも、その最たるものは夫選びだったかも知れませんがね? 一寸軽そうなあの男、でも最近は大人の歌を歌えるシンガーになりましたね。あっ、この項目は音楽の話ではなかったのでしたね…。失礼しました。

かき揚げ丼ランチセット
かき揚げ丼ランチセット
ランチタイムだけですが、これが¥1470です。安いでしょ。かき揚げの中身は小海老ですが、プリプリの海老がこれでもかと言うぐらいに入っています。たれは色濃く味濃い関東風、汁だくで御飯にかき揚げの油と混じり、得も言われぬ美味さを醸します。私は大好きです。
posted by 三上和伸 at 23:27| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月07日

食べ歩き・昼餉 法事・会席膳 葉山日影茶屋

父の一周忌の法要の膳として父の思い出深い葉山の日影茶屋を使いました。創業三百年と言われる老舗の料理屋であり抜群の雰囲気を醸しており、心落ち着けて故人を偲ぶ事ができました。
日影茶屋
日影茶屋玄関
入って直ぐの待合所で案内の順番を暫く待ちました。この日は多勢で盛況と見受けられましたが、定刻には案内を受け座敷に通されました。まあ、座敷とは言っても椅子席が設えてあり、それは足腰に難がある母の希望であり、よい姿勢でリラックスして食事ができました。

部屋の照明
部屋の照明
大正ロマンか昭和レトロか良く分かりませんが、古い日本家屋の天井には仄々とした照明が灯されていました。私達もこの灯りの如く遠い昔の客となり、仄々とした錯覚の内に美味しい食事が楽しめました。

先付け
先付け 焼き茄子と素麺の琥珀寄せ 

前菜
前菜 魳の棒寿司・青梅の蜜煮・海老梅肉射込み

椀
椀 紫陽花仕立て里芋辛子まんじゅう
色のついたあられを紫陽花に見立ています。あられの風味が一興です。

造り
造り 季節の魚盛り合わせ
鮪、金目鯛、平目
平目が逸品でした。縁側も一切れ乗っていました。

焼き物
焼き物 若鮎の塩焼き・蓼酢
季節料理の日影茶屋は鮎に拘りがあるようです。されど若鮎なので珍重はされますが、脂の乗りはいま一つ、香りは良かったですが…。二年前、棧温泉で食べた子持ち鮎が忘れられません、あの丸々と太った鮎が…。

煮物
煮物 帆立貝と若鳥の野菜蒸し
やや中華風の味付けでした。私の好みの味、薄味ですがこくがありました。

酢の物
酢の物 新蓴菜・薯蕷豆腐
正に旬の食材・蓴菜、その歯触りはこの季節特有のもの。涼しさが口中を巡ります。

新生姜ごはん
新生姜ごはん・赤出汁・香の物
季節の料理の極意でしょうか、爽快が食欲を高めます。

水菓子
水菓子 抹茶ムース

庭
花菖蒲が咲き出し、庭の風情も料理の味付けに貢献しています。この庭にこの料理、大いに季節を堪能しました。ご馳走様。

なお、写真は次女が担当してくれました。
posted by 三上和伸 at 23:52| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月24日

今宵の宿 飯田城温泉・天空の城三宜亭本館 2011.5.14

私達が利用宿泊した飯田城温泉は今から十余年ほど前に掘削湧出した新しい温泉です。高台の飯田城跡に隣接した立地にあり、崖下の飯田市内のみならず、東面に優れた眺望があるのが特徴です。伊那谷の背後には南アルプスが控えており、南アルプスを一望出来る宿が謳い文句となっています。但し、南アルプス前衛の伊那山地が本峰主脈への視界を遮っており、残念ながら一部仙丈ヶ岳や間ノ岳が観えるのみで、看板に偽りありと言うのがある意味妥当かも知れません。でも観える事は観えるので許してやりましょう。

また、城下町を今に伝える飯田城跡ですが、美術館などの公共施設がそこを占め、これもまた残念ながら城跡とは言っても名ばかりであり、かなり寂しいものがあります。唯一、旅館のすぐ向かいにある長姫神社だけが昔日の面影残しているのみです。この長姫の名は一時期、城の名に使われ、この飯田城は長姫城と呼ばれる事もあったと言う事です。この社の手水舎の水(湯)も飯田城温泉が使われています。温かいのです。

1、夕餉
鯉の甘煮
懐石料理でしたので妻は大喜び、大変満足したと仰せ?でした。しかしブロガーの私にはこの料理、厄介なものなのですよ〜。小出しに出される料理、食べるのと写真を撮るので大忙し、中々落ち着いて深く味わう事ができないのです。但し、この鯉の甘煮(うまに)だけは十分堪能しました。甘辛の濃厚な味付け、金目鯛などもこのようにしますが、鯉も独特の旨味を出し素晴らしい味わいがあります。私は妻と正反対で生ものが今一つなのですが、その代わり熱を加え調理した肉に魚介は大好物なのです。我が意を得たりで得心し賞味しました。

 *温泉
 どうも南信州はかけ流しではない温泉施設が多いようですが、ここ飯田城温泉は源泉かけ流しと循環の併用のようで、内湯には二か所に源泉の湧出口があり、飲用が可能でした。宿の主人に「何故、100%源泉かけ流しではないのですか?」と聞いたところ、「湯量は豊富なのですが、源泉温度が39度と低いため、広い湯舟では冷めてしまうので、循環加温をしています」との事でした。泉質は単純泉と言う事で、成分の種類は多いのですが、総含有量は少ないのだそうです。だから刺激が少なく肌に柔らかい入り心地の良い湯だそうです。確かに何時までも入っていられる実に安心な楽しめる湯でした。私は夕食前に1回、夕食後に1回、寝しなに1回、翌早朝に1回と、都合4回の湯浴みをしました。正に極楽の一夜を過ごさせて貰いました。
 
 温泉の効能は浴用では神経痛、リュウマチ性疾患、骨折や外傷の療養に効果があるそうで、飲用では胃炎の緩和に効果的との事でした。

 深夜の湯浴みは露天の星空の下で…、得も言われぬ眺め、素晴らしいの一語に尽きました。たった一人で湯舟に横になり、天を仰ぎました。東天に高く夏の大三角が…、この日は殊の外白鳥座が見事で、白鳥のくちばしに当たる三等星のアルビレオも良く観え感動しました。横浜では余り良く観えないのに…。更に南天にはさそり座が美しい…、さそりの心臓に当るアンタレスが赤々と煌めき更に美しい…。私は自分の心臓の辺りを押さえていました。

 私の心臓もあんな風に赤く美しいのかな…。もう何十分入っているのかな? あぁ、この幸せを終わらせたくない! 実を言えば、この宿泊費は次女が捻出してくれたのでした。それは私達夫婦の結婚記念日のプレゼントとして…。長女はスカンディアの食事を次女はこの宿泊費を…。私は幸福に酔いしれ湯舟でつらつらとそんな事を考えていたら、大好きな星星は次第に滲んで観えてきたのでした。私は既に朦朧としていました。ふっつと眠りそうになりました。危ない危ない、さぁ、出るとしますか…。


2、朝の散歩の折に偶然見付けて、市立追手町小学校
追手町小学校
昭和4年に建てられた鉄筋コンクリート3階建ての校舎。文化庁の登録有形文化財に指定されています。そして何より素晴らしいのはこれが現役で小学校として使われている事なのです。このような古い校舎が現役で使われているのは珍しいそうで、他に松本の深志高校があるそうです。

私達は朝の散歩で見付けました。年季の入った重厚な佇まい、古き良きものを観ると何故だか心が和みますね。よくぞ風雪を耐え忍んで来たものだと…。人間もそうありたいと今、この記事を書いてふと思いました。

実はこの散歩は名物?の金鍔焼き(きんつばやき)を買う目的もあったのです。愛らしい仲居さんに道順を聞いて飯田市街を下駄で漫ろ歩き、金鍔屋を目指したのです。朝早かったのですが、丁度店主が出勤してきて首尾よく買い求める事ができました。十万都市とは言えそこは田舎町、田舎者の私には大変歩き心地のよい愛らしい街でした。

*金鍔とは刀の金の鍔(つば)の事、他に銀鍔もあります。その鍔を模して焼いたのが金(銀)鍔焼き。米粉を煉り餡を包み、油を引いた金属板で焼いたもの。
posted by 三上和伸 at 22:57| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月19日

食べ歩き・昼餉 絶品の田舎蕎麦・下栗の里はんば亭の盛蕎麦 2011.05.14

はんば亭のもりそば
漸く下栗の村落に着いたのは午後二時前。着いた所がはんば亭なる蕎麦処、ここはあの下栗の里の俯瞰ポイントへ向かう入り口に当たる休憩地。私達はここで蕎麦を食べて、その後にその俯瞰ポイントへ行く積もりでいました。期待を籠めて入店したところ、お店のおばちゃん達は何と客席で賄いの食事の真っ最中…。私が「食べられる?」て聞いたところ、「ああ、だいじょぶだー、だども今では盛蕎麦しかないけんど…」。「うん、それでいいよ、蕎麦を食べに来たんだからね」と私。極めて飾り気のない素朴な会話…、でも何となく温かみがありました。そして出された蕎麦も極めてシンプル且つ素朴な風情。では早速と「ズルズル・ゴリゴリ・モグモグ・ゴックン」美味い、そして溢れ出る蕎麦の香り、私は感動してもう夢中「ズルズル、ゴリゴリ、モグモグ、ゴックン。…、…、…。」はいこれでお終い。「絶品だ!」と私。「もっと食べたいわね」と妻。強腰の太麺、正に噛む蕎麦、量ではなく咀嚼での食べ応えのある蕎麦、否、噛み応えのある蕎麦? 汁は塩辛くない濃い味、蕎麦湯をなみなみと注いでも薄まらぬ濃い口…、堪能しました。蕎麦本来の素朴な味を何の衒いもなく巧みに引き出す、これが本当の蕎麦の味なのだと確信しました。

壁に吊るしてある額入りの大きな写真を観ると、何とそこでは画家の原田泰司と歌手のさだまさしがここの座敷で向かい合い蕎麦を啜っていました。「ムムー、奴らも来ていたのか…」、それもその筈だよね、この美味さならね。
posted by 三上和伸 at 23:18| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月17日

食べ歩き・間食 五平餅と芋田楽 しらびそ高原・ハイランドしらびそ食堂 2011.05.14

五平餅と芋田楽
しらびそ高原や下栗の里がある長野県飯田市上村は正に寒村の雰囲気を残す鄙びた山里、標高500m辺りは新緑に萌えており、至る所藤の花が咲き乱れていました。そんな昔懐かしい田舎道をひた走るドライブの楽しさに浮かれていましたが、やがて延々とした上り道となり、行けども行けどもしらびそ高原は遠く、とうとう疲れが出始めた頃、山稜の上部にレストハウスのハイランドしらびその赤屋根が見え、ほっと胸を撫で下ろしたのでした。

飽きるまで南アルプス観望を堪能し満足をし終えた時、そろそろ昼時となり急にお腹の減った事に気付きました。でも昼御飯はこの先の下栗の里でする希望を持っていたので、ここでは一寸した間食をする事にしました。信州はそんな間食には打って付けの食べ物が数多ある素敵な土地なので、如何様にも食の楽しみが得られます。ハイランドしらびその食堂に入り、散々迷いましたが大好きな五平餅と上村名物の二度芋(年に二度取れるじゃが芋、小さい芋)の田楽を注文しました。どちらも甘い胡桃味噌味で素朴さの中にも旨味の濃い食べ応えの有るものでした。美味しかった。
posted by 三上和伸 at 23:01| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月01日

食べ歩き・夕餉 北欧料理スカンディア 2011.05.01

ピアノ発表会を終えた後、私達は予約をして置いた北欧料理店スカンディアへ向かいました。私達夫婦の結婚記念日を祝うために娘夏子が招いてくれたのでした。もう、店に着く前から私達四人はお腹がペコペコで、もの凄くその料理を楽しみにしていました。スカンジナビア・バイキングの流れを汲む本格料理とは如何なるものか? ワクワクドキドキ期待に胸を膨らませ、晩餐の宴の待つ二階席へ通じる重い扉を開きました。

席に案内された私達は、若く感じの良いウエイトレスにバイキング料理を注文し、シャンパンと炭酸水で乾杯をしました。暫く後、運ばれたオードブルの料理の一つのエスカルゴを口にした途端、私達の期待は見事に叶えられました。想わず皆は一瞬絶句しすぐに腹の底から唸ったのでした。「旨い!」、「美味しい!」、「凄いね!」、「期待通りだわ!」と…。それからはほぼ無言で跡形も無くその前菜の姿が消えるまで、私達の口と胃袋は休む事はありませんでした。

スカンディアのバイキング料理は誤解されているビッフェスタイルではなく、各テーブルに設えられるもので、そこに人数分の様々な素材の料理が前菜主菜を合わせて12品目並べられます。従ってお客は多くの品を少量ずつ満足の行くまで味わえる仕組みとなっているのです。この日初めてそれに会い見え、感心したのでした。

1、店内の様子
店内
暗い照明の中で浮かび上がるロマンの香り、二世紀前の佇まいを魅せるダイニング、ここに入った途端、古きヨーロッパの空気が感じられたと言えば、チョイと乙女チックに過ぎると嗤われるかも知れませんね…。でも、いい雰囲気で食事が楽しめるのは素敵な事です…。事実、本当にリラックスできました。

2、オードブル

中心にデンマーク産キャビア、左上がエスカルゴ、左中に鰊のスモーク、左下はサーモンのスモーク、右上は鰊の酢漬け、右中に鰻のスモーク、右下が鴨のオレンジ風味。

決して上品であったり芸術的な見た目はありませんが、質実剛健、味本位、実質主義なのです。これがバイキング料理、濃厚な旨味の肉と魚介が程良く盛られています。前菜では鴨以外は魚介が主でしたが。

私の好みでは鰊、サーモン、鰻の各魚のスモークが良かったですが、更にそれを上回るものとしては鰊の酢漬けがありました。全く臭みはなく魚の旨味と酢が良く練れていました。絶品と称して差し支えないでしょう。全員がその味と舌触りに感動したのでした。

3、二種類のパン
パン
スライスされているのがライ麦パン、ふっくら丸いのは全粒粉のパン、どちらも素朴な味です。端に添えられているオリーブオイルに浸して頂きます。噛んでいると仄かな麦の香りがします。食べるに従って段々美味しくなるパンです。お代わりは自由です。幾らでも食べられます!!!

4、メインディッシュ
メインディッシュ
中央にはデンマークシュリンプのサラダ、左上が子羊のミートボール、左下に和牛のローストビーフ、右上は和牛のタルタル、右下に鰻のソテー。

一寸野菜が足りないようですが、野菜なんぞ日常で食べればいいのです。今はグルメ、美食に徹するのが何より肝要です。どっぷりと脂肪と蛋白質に浸り切るのです。

脂とアミノ酸のたっぷり詰まった旨味成分、この深い濃くと味がバイキング料理の神髄です。正に食べ応え十二分の満足度NO1。健啖と陶酔の一時でした。和牛のローストビーフに鰻のソテー、こんな美味いもん、食べなきゃ損です。是非皆様もどうぞ!

5、メインディッシュの後のチィーズ二種類
チィーズ
満足に夢心地で終えたメインディッシュ。料理もここまで来ると最早緊張感を欠き、私はチィーズの銘柄等どうでもよくなり、優しきウエイトレスがソプラノの声で囁くように教えてくれても記憶できませんでした。西洋ではどんな家庭でも食事の最後にチィーズを嗜むそうです。食の満足に駄目を押すのでしょうか、このレストランでもこの慣わしは行われていました。私達はもう十分過ぎるほどに満足しているのにね…。

6、銅の器と磁器のコーヒーカップ
銅の器 コーヒーカップ
デザートはバニラアイスクリーム。デンマークは酪農の国、その美味しさに一切の偽りはありません、本物の美味しさです。喫茶はコ−ヒーにしました。一寸苦味が強いコーヒー、この日、唯一の私の好みにそぐわない風味、まぁ、許しましょう。

スカンディアは名店の誉れ高いレストラン、小食器にも夢と拘りがあるようです。北欧とは夢多いメルヘンの国、夢の空間での寛ぎと美食、堪能の時間をありがとう。

*予算はかなりの高額です。ワインを付けて一人¥8000位です。
posted by 三上和伸 at 23:11| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月14日

食べ歩き・昼餉 北欧料理スカンディア 横浜市中区海岸通 2011.04.10

花見クルーズを終えた私達はお腹がペコペコ。大桟橋から直ぐの北欧料理のスカンディアでお昼にしました。妻お勧めのランチで、「ここは夜に比べ昼は安いのよ。ここにしましょう」ですと…。

スカンディア
開港広場前の交差点の一角にあるスカンディア。珍しい北欧料理のレストランです。写真でお分かりのように軒の庇の赤に白十字はデンマークの国旗であり、この店はデンマーク料理が主体なのですね。北欧ではバイキング料理が有名ですが、正にこの店の売り物もバイキング料理(単なるブュッフェではない)で、それは二階席でのディナーで振舞われるそうです。昔、未だ新婚の頃、妻とディナーを頂きましたが、残念ながらその時は初心者でしたのでコース料理を注文してしまったのでした。

この日は一階の食堂でランチを頂きました。低価格なのでそれ程の品ではありませんが、北欧の家庭の味が楽しめました。とかく、アングロサクソンやノルマンの料理はラテンに比べ美味しくないのが定説ですが、そんな事はないのです。日本風に味付けられた北欧料理は中々イケるのですよ。

ランチョンマット
可愛らしい民族衣装の男女が描かれたランチョンマット。何とも愛らしかったのでウエイトレスに尋ねてみました。「何処の衣装なの?、アルファベットの文字は何を意味してるの?」、「あっ、それはデンマークの民族衣装で、足下の文字はデンマークの町の名です」とウエイトレスが…。「ふーん、可愛いものだね、ありがとう」と私…。皆も感心して「ふーん!」。

スカンディア・プレート
デンマークキャビア・フォアグラのムース・玉子とサラダと鶏のもも肉。
妻が注文した品。キャビアもフォアグラもフランスパンに盛られたもの。鶏肉は私も一口相伴に与かったもの。燻製されていたようです。 

ノルウェー人の家庭料理
私と義母の注文の品。温野菜とエビ・ポーク・ポテトの三種のコロッケ風
多少薄味の余り油っぽくない揚げ物。揚げ物大好き人間の私には答えられない好物。ガーリックピラフと共に堪能しました。

ランチは全品¥1300。お値打ちでしょ!
posted by 三上和伸 at 22:38| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月20日

食べ歩き・喫茶とスィーツ イタリアン・ラッツォ 横浜新山下 2011.03.20

 暑さ寒さも彼岸まで、正に今日は春の彼岸の暖かい陽気となりました。この日は義父のお墓参りに出掛けました。義母と義姉夫婦に私共夫婦と娘・夏子が参列し、義父の冥福を祈りました。お昼の会食の折、義姉が夏子に「貴女のマンションを見たいので、これから皆で行ってもいいかしら?」と願い入れました。夏子は「いいけど、部屋に着いたら五分待ってくれますか。部屋干しの洗濯物を取り込みたいので…」。義姉は「ええ、いいわ。それじゃあ、是非見せてね!」。そんな訳で皆で夏子のアパートを訪ねる事になりました。実を言えばこのマンションを借り受ける時に義兄に保証人になって貰っていたのでした。義姉は夏子のその部屋の使い振りに感心をし、「綺麗に使っているのね」と褒め、にこりと笑みを浮かべました。夏子は照れて「それ程でも?」と言い相好を崩しました。

 その後、夏子は「この近くに素敵なイタリアンがあるのでお茶しませんか?、ジェラートが美味しいし、素朴でいい雰囲気なので…」。すると義姉は「ああ、ラッツォね。美味しくて素敵なお店よね」。そこで皆でラッツォでジェラートを食べる事にしたのです。 

ピザとジェラートのラッツィオ
山下橋東の交差点の端にあるイタリアン・ラッツォ。近くには山下公園や横浜人形の家があり、背には山手のフランス山が控えています。元町中華街の駅にも近く、利便のよい立地にあります。この佇まい、何処か南イタリアの路地裏の食堂の雰囲気がありますね。私はイタリアには行った事はないのですが何となく…、素敵です。

この日のスィーツ
このボードに書かれてあるのが本日のスィーツ。ご覧のようにジェラートが看板メニュー…。横文字は外人さん用?

カプレーゼ
これがカプレーゼ、クルミ入りチョコレートケーキとオーガニックバニラのジェラート。爽やかな後味のジェラートと濃くのあるチョコレートケーキ、これぞイタリアの甘味ですね。

ピザもパスタも絶品だそうです。次回には是非…。場所柄かその味わいか?外人さんの姿も多く見掛けるそうです。その風情も見たいものですね。さながらイタリア・ナポリ辺りにいるが如くに…、ネ…。
posted by 三上和伸 at 20:12| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月25日

食べ歩き・昼餉 永平寺門前の団体向け食堂 2011.02.06

永平寺の蕎麦と胡麻豆腐
この強行軍弾丸バスツアーでは食事は殆どが車内弁当と言う始末…。まあ、そんなに不味くはなかったのですが、流石に同行の皆さん並びに私も不満タラタラ…。腹を満たすだけではチト物足りませんよね…。しかもこの朝のホテル(設備はよいビジネスホテル)の食事も弁当よりも貧弱なもの…。この日永平寺に来てやっとの事で座敷に座って御膳を並べられました。まあ、団体さん向けの大量提供のもので推して知るべしですが、料理の中には優れて美味しいものもありました。

上の左からゼンマイの煮付け、天婦羅、生の甘エビ。中の左からナスの辛子味噌、胡麻豆腐、下の左から御飯、禅味噌、オシンコ(たくあん)、永平寺蕎麦。

天婦羅が冷えて冷たかったのはこう言う膳にはよくある事、しょうがない…。オシンコは問題外酷かった…。しかし、永平寺蕎麦は滑らかな太麺で口に含んで存在感があり、薄口の汁はごくごくと喉で飲めます。ゼンマイの煮付けもナスの辛子味噌も出来合いのようでしたが、いい味が付けられていました。永平寺味噌に一工夫をした禅みそを付けて食す胡麻豆腐は絶品、思わず唸る美味さ…。甘エビは更に秀逸で、全く臭みがなく新鮮そのもの、海老蟹魚介に神経質な私でも太鼓判を押す美味さ…。そう言えばここは越前、山寺であれど海はそう遠くではありません。新鮮で美味しい訳ですよね。この旅唯一の舌で味わう食事ができました。
posted by 三上和伸 at 23:55| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月23日

食べ歩き・昼餉 保土ヶ谷宿場蕎麦・桑名屋 2011.01.23

今日は妻と二人、ぶらっと徒歩で旧東海道の保土ヶ谷宿辺りを歩きました。権太坂下辺りから旧東海道に入り、保土ヶ谷宿一里塚、本陣跡、そして江戸方見附跡まで…。江戸の昔を偲びゆるゆると歩きました。そしてお昼にはこの漫ろ歩きに相応しい、宿場蕎麦桑名屋の鴨のつけ蕎麦と楽しい小判型の蕎麦掻を頂きました。

レトロな下駄箱
レトロな店造りはとてもお洒落、しかも落ち着きもあり、ゆっくり寛いで食事が頂けます。粋に蕎麦焼酎を飲む妻の姿は正に絵となり、この店の佇まいに溶け込んでいました。

一両小判の蕎麦掻き
楽しい一両小判型の蕎麦掻き、アイデアマンの店主の面目躍如たる逸品と申せましょう。とろりと滑らかな口当たりながら質感があり、香りも豊かで、私は気に入りました。

鴨のつけ蕎麦
やや甘口な暖かい汁が美味しく、そこに冷たい蕎麦をさらりと洗い口にする。優しい味わいが口中に広がります。蕎麦はやや柔らか目、私はもう少し強目が好みなのですけどね…。それが叶えば満点でした、惜しい…。
posted by 三上和伸 at 23:58| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月03日

食べ歩き・昼餉 海の観えるレストラン・観音崎“MATERIA” 2010.01.02

 お正月の二日、私と妻に娘夏子は私の母を誘い新年の食事に出掛けました。街の主だった料理店はお休みが多かったので、リゾートのレストランで一度行ってみたかった観音崎のマテリアを選びました。昨年夫(私の父)を亡くした母ですが、今は心身共に元気そうであり、夫を弔うのを生涯の務めとして生きて行きたいと申していました。私も一安心と言ったところです。

海の観えるレストラン“マテリア
ここの素晴らしさは料理は勿論ですが何よりも海が観える事。広い芝の庭の先には碧い浦賀水道が満々としています。美味しく食べては海を仰ぐ、その繰り返しに得も言われぬ幸福を感じるのは私だけでしょうか…。碧い海は白い山・緑の高原と同様に料理の素敵な味付けになります。イタリアン・マテリアは観音崎でも一番奥まったところ、自然博物館の隣にあります。

オードブル サザエの壺焼ガーリックバター
お酒を嗜む妻と夏子はそれぞれ赤と白のグラスワインを注文しました。運転手で下戸の私はテイスティング?も出来ずにただ二人の飲みっぷりを笑みを湛え眺めるだけでした。母は美味しそうに舌鼓を打ち嬉しそうでした。楽しい食事は皆の心が通い合うものですね。

 料理は他にピッツァ、パスタ、シーフードカレーライスなどを指名しました。そしてケーキセットのデザートもね。満腹でマテリアを後にし家路に就きました。
posted by 三上和伸 at 11:20| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月30日

食べ歩き・昼餉 築地・磯野家の寿司(磯寿司) 2010.12.11

 書きそびれて大分とうの立った話ですが、年を越す前に生まれ出たいと話題が申しますので、恥ずかしながら掲載させて頂きます。これでこの寿司どもも鮮度切れ?を免れ、美味しく?頂けたのではないかと安堵した次第です。如何でしょうか? 失礼は承知の上です、どうぞ呆れないで下さいまし…。
築地・磯寿司 インド鮪のにぎりと煮穴子のにぎり
大江戸などの超人気店ではありませんが評判の高い寿司処です。さほど行列に並ばなくてもすんなり食べられます。だから外人さんの顔もちらほらと見受けられます。ここの鮪はインド鮪で中トロが逸品です。インド鮪は本鮪と甲乙を競う高級の鮪で中でも中トロが素晴らしいと言われているのです。写真左は大トロに近いもの、次が赤味、その次が中トロ、そして煮穴子の握り。お好みではないのですが、食べながら次々に握って出してくれます。ですから写真に全品を並べられなかったのです、残念。柔らかい握り具合であっと言う間に口で崩れ蕩け、胃袋に収まり満足至極でした。しかしその美味の官能の余韻に浸る間の無い忙しなさがここ築地のもの足りなさかも知れませんね…。並んで待っているお客の事を考えてしまいますのでね…。
posted by 三上和伸 at 22:36| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月30日

食べ歩き・昼餉 養老渓谷の自然薯料理 2010.11.27

自然薯のとろろ飯
写真上の左:卵黄入り自然薯のとろろ青海苔かけ 右:煮物
写真下左から:白飯、オシンコ、若布と豆腐の味噌汁
紅葉狩りと滝見物に手間取り大分昼を過ごして仕舞い、慌てて車に乗り食事処を探しました。丁度名産の自然薯の季節であると知り、私たちは麦とろを食べる事にしたのです。すこし探したところ、ありました、麦とろと記された幟が。その幟から路地を入ったところには田舎料理の緑川が…。ところが敷居を跨いで案内を求めたところ、店のおばさんが「あっ、今日はもう材料がなくなっちゃたんで、お終いです。ごめんね」だと…。腹ペコの私はムッとしましたが、材料がなければ仕方ありません。苦笑いを作ってすごすごと引き下がりました。後日ネットで調べたところ、この田舎料理の緑川は中々の有名店だそうで、“おばさんの作る田舎料理”が人気を呼んでいるのですと…。今思えば誠に残念な事をしたと思っています。一時間前に訪ね着いていたならばね…。ネットの料理の写真、ホントに美味しそうでした。特にオシンコが…。

 そこで、この写真の温泉旅館・鶴の家で漸く自然薯のとろろ飯にありつけました。ここは旅館業の傍ら日帰り入浴と昼食の提供も兼ねた旅館で、何と食事室は宴会場でした。まあ、情緒などはありませんが、ざっくばらんで、とろろ飯を音を発ててすすり込むには丁度よいと、私は内心喜んでいたのです。但し、ここのは麦飯ではなく白飯だったので、麦とろではなくとろろ飯でありました。グルメの妻はそこが如何にも口惜しそうで、憤懣遣方ない風情を見せていました。でも自然薯のとろろ飯、本当に美味しかったのですよ! 妻には悪いのですが…、こう言うの私は好きですね。水っぽさは皆無で濃厚な旨味、青海苔の風味が利いていました。
 
posted by 三上和伸 at 22:28| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月15日

食べ歩き・昼餉 横浜平沼橋の角平 つけ天蕎麦 2010.11.13 

横浜角平のかき揚げつけ天
昼に少し空き時間ができたので妻と義母を誘い蕎麦を食べに行きました。そこはかねてよりその評判を聞き、一度行ってみたいと思っていた横浜平沼橋の角平で、妻の実家の近くにあるのです。

 私と同い年の昭和25年の創業と言う事を知り、何か親近感を覚えました。創業60年、まあ蕎麦屋としては老舗と言われる年数でありましょう。

 ここの売りは何と言っても「つけ天の蕎麦」で、温かいつけ汁をつけて蕎麦と天婦羅を食べる独特の方式です。天ぷらの風味が一層引き立ち思わず唸る美味しさでした。また汁に入った温かい蕎麦とは違い、まっさらの蕎麦を温かいつけ汁にくぐらせてすするその美味しさ、その風味、正に絶品でした。天婦羅も海老天のほか、かき揚げ、精進揚げなどがあります。私が食べたかき揚げの中身はエビのブツ切りで歯に躍りプリプリでした。
posted by 三上和伸 at 08:36| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月07日

昼餉 富士河口湖手打ちそば“砂場” 2010.10.23

砂場の殿様御膳
富士奥庭の唐松の黄葉と素晴らしい南アルプスの大観を楽しんだ後は昼御飯にしようと蕎麦屋を物色しました。丁度、「静岡・山梨のうまい蕎麦83選」と言う冊子を携帯していましたので、それで探してみたら一軒だけでしたがありました。それが国道139号線沿いにある手打ちそば“砂場”で一寸迷いましたが、呆気なく店は見付かりました。

 私が選んだのは「殿様御膳」で、とてもお腹が減っていたのとそこに添えられてあるぜんざいに目が眩んだからでした。でもそのぜんざいは期待外れで私はしくじり内心忸怩たる?ものがありました。

 それでも北海道幌加内産の玄蕎麦を使い富士の伏流水で打った細打ちの蕎麦は絶品であり、私は大満足をしたのでした。但し、つけ汁は非常な辛口であり、私にはきつ過ぎました。蕎麦をすくいその蕎麦の裾をチョイと汁に浸けズズズ……と啜りました。でも美味しい…、ホントに美味しい!。天婦羅もカラッと揚がり蕎麦とはベストマッチングでした。

 ところで、今日はこれからハイキングに行って来ます。一人旅です。フフフフ、ウキウキ…。
posted by 三上和伸 at 10:24| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月20日

昼餉 お墓参りの後で敬老の祝い 野島の島寿し

 今日は彼岸の入り、義母に義姉夫婦とその娘、そして私達夫婦と次女が集い、義父のお墓にお参りをしました。私としては半年振りの詣で、御無沙汰を詫び冥福を祈りました。まだ彼岸花は蕾が出たばかりで姿はなく、残念ながらこの花の咲く頃のお参りは叶いませんでした。
 また今日は敬老の日でもある訳で、墓参りの後は一寸贅沢をして皆で義母の敬老の祝いにお寿司をたべました。金沢野島の名店の誉れ高い島寿しを訪ねました。
並ちらし 
並ちらし ¥2500 
イクラ、卵焼き、青柳、鳥貝、鯵、二通り鮪、平目、ズワイガニ、干瓢、田麩などが盛り沢山に、淡い酢飯に乗っています。

上にぎり
上にぎり ¥2800
私が食べたにぎり寿司。大きなタネと大量のシャリ、お腹がはち切れそうになる事請け合いです。鯵、中トロ、煮穴子、平目のにぎり。鮪とアボカドの鉄火巻き。海胆、イクラ、ズワイガニの軍艦巻き。どれも逸品でしたが、私としては鯵と煮穴子のにぎりに海胆の軍艦が素晴らしかった。蕩ける舌触りで全く嫌な臭みはなく、むしろ仄かな芳香が鼻に抜け見事な風味を醸し出していました。
 また、酒の摘みで味わったなめろうともずく酢は絶品でした。
posted by 三上和伸 at 19:18| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月29日

夕餉 私の還暦の祝い 2010.08.29

 私の還暦の祝いの宴を義姉夫婦がセッティングしてくれ、横浜藤棚のイタリアン・ピザーリア・スペリアーノで会食をしました。義母に義姉夫婦と家族、それに私の家族全員で私の還暦を祝ってくれました。美味しい料理を味わいながら和気あいあい、それぞれの近況やこの夏の旅行の話などを報告しあいました。私だけがガス入りミネラルウォーターで外の人は赤ワインを飲み大いに盛り上がりました。ところがノンアルコールの私が一番浮かれ、やはり祝われるのは嬉しいらしく、自分では還暦などさして関心は無かったのですが、今日は終始ご機嫌でした。ありがとう、皆!

 ピザーリア・スペリアーノの料理
生ハムとソーセイジの盛り合わせ
生ハムとソ-セイジの盛り合わせ

モッツァレラチーズとトマトにバジリコのオリーブオイル掛け
モッツァレラチーズとトマトにバジリコのオリーブオイル掛け

ホカッチャ
ホカッチャ

ヒラメのカルパッチョ
ヒラメのカルパッチョ ヒラメ、ゼリー、アボカド、タマゴ、バルサミコ酢

手作りソーセイジにポテトとチーズのオーブン焼き
手作りソーセイジにポテトとチーズのオーブン焼き

茹で野菜、ニンニク、アンチョビー、生クリームのソース
茹でた野菜(安納イモ、カリフラワー、ブロッコリー、コーン)のニンニク、アンチョビー、生クリームのソース

ピッツァ・マルガリータ
ピッツァ・マルガリータ

平打ち生麺のパスタ
平打ち生麺のパスタ 牛肉、生ベーコンと鶏レバーのソース

*ピザーリア・スペリアーノ
  横浜市西区藤棚1−121−2
posted by 三上和伸 at 22:18| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月23日

今宵の宿 燕温泉・樺太館 2010.08.15

 過去に使った坂巻や葛の温泉と同じ日本秘湯を守る会の会員旅館である燕温泉・樺太館。期待が大きかっただけにややがっかりしたと言うのが私の本音です。自然の深い奥地なので虫が多いのはやむを得ませんが、私達の部屋に大群の羽蟻が押し寄せ、布団も羽蟻だらけとなったのには驚きました。私は「これでは寝られない!」と烈火の如く怒り、仲居さんを叱りつけました。女将にも厳しいクレームを付けました。恐らく、布団を敷く際に窓を開け放ったのが原因で、そこに一気に羽蟻が侵入したと言うのが真相でしょう。夕餉から帰り、部屋に入った刹那の私達の驚愕と困惑は想像がお出来になるでしょう。その後の対応も緩慢であり、私のこの旅館への採点は落第点となるのは当然でしょう。残念でした、もっと町(都会)の人間の事情に沿って心して対応して欲しいと思いました。町の婦女子は虫が苦手であるのですよ!全く…。

樺太館の夕餉
樺太館の夕餉
川魚と山菜が主体の料理、山女の塩焼き、根曲がり竹(姫竹)の天婦羅や焼き物など、それぞに山の恵みの深い味わいがありました。少人数での持て成しゆえ忙しそうで、料理の詳細は聞きそびれ、ここでは詳しく述べられませんが、悪しからずご容赦ください。総じて味付けはよく美味しい料理でした。特に翌朝の朝餉は私好みのしっかりした濃い味で三杯飯をかき食らいました。お陰で動けずにその後の観光に支障をきたしました。腹八分目が大事ですね、フーフー

 野中の野天風呂(旅館街の外れにある湯、黄金の湯と呼ばれる) 朝風呂2010.08.16 
露天風呂・黄金の湯
白濁した硫黄泉の素晴らしい泉質。源泉かけ流しの清潔で豊かな湯量、その浸かり心地の気持ち良さは最高でした。但し、内湯も野天も湯舟が狭く、しかも人気の温泉なので込み合い、せせこましく気遣い合い、落ち着いた優雅な湯浴みをするには絶望的でした。シーズンオフが狙い目ですかね…。
 反省点ー湯舟の広さを必ず尋ねる事。
posted by 三上和伸 at 22:53| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月21日

昼餉 戸隠・徳善院蕎麦・極意 2010.08.15

和の膳 季節の楽しみ膳
妻の注文の品         私の使命の料理
昼食には必ず蕎麦を食べると決めていましたが、何処の店にするかは前もって決めず、あやふやにしていました。まあ、二三の店は見当に入れていまして、その場の雰囲気で決める事にしたのでした。

 丁度、中社の門前にはうずら屋と徳善院蕎麦・極意があり、どちらも名店の誉れ高く迷いましたが、私達は何となく茅葺屋根で風情ある店構えの極意に入りました。恐ろしく待たされたのでその間に気晴らしに、私はこの店の裏山を探索し、首尾よく、先にご紹介したツリフネソウを始め四種の野花の撮影に成功したのでした。

 さて戸隠蕎麦とは、玄そば乃至甘皮を残した蕎麦の実を石臼で挽き篩(ふるい)に掛けた“ひきぐるみ”の蕎麦粉を使用した蕎麦である事。そして水を切らずに円形の竹の笊に盛る事。その盛り方は五六束の小分けにして馬蹄形に並べる事(ぼっちもり)。薬味には戸隠大根と呼ばれる辛味大根を添える事等の決まりがあるそうです。ズルッとした喉越しのよい、ふくいくたる蕎麦の風味の立った美味しい蕎麦だと思いました。

 私達が頼んだ品には見た目にも素敵な数種の料理が添えられてありました。何れも山の恵みそのものといった食味が嬉しく、大いに堪能できました。

 写真左の品は、左よりボッチ盛りの戸隠蕎麦、下左から時計周りに辛味大根とネギ、山葵の薬味と汁、甘納豆の葛寄せ、豆腐麦味噌添え、蕗、ゼンマイ、根曲がり竹の煮物、揚げ蕎麦団子の餡かけ、ツルムラサキのお浸し、中央にお神酒。 ¥1630

写真右の品は、上の左が山かけ、右がとろろ昆布かけの戸隠蕎麦、中央に精進揚げのナス、カボチャ、ズッキーニ、ピ−マン、下左が古代米オコワと揚げ蕎麦団子の餡かけ、下右はツルムラサキのお浸し。 ¥1340


posted by 三上和伸 at 23:18| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月07日

夕餉 横浜わかなの鰻丼 2010.08.07

わかなの鰻丼
食べかけではありません。鰻の肉の質感を表したかったのです。
 行列に並んでから口にするまで、一時間以上待たされました。でも最近の私は楽しんで待つ事ができるようになりました。その方が美味しく食べられますものね。馬鹿な私ですね、ようやくそれに気付くなんて、今の若者はその意味で大した者です。皆そうして楽しみながら並んでいますものね。やはり食事は心落ち着けて食べないとね。貧乏性は止めましょう。

 口の中で砕けとろける鰻、皮の質感は全く消え失せています。辛口のたれで焼かれた蒲焼は仄かな芳香を漂わせ、強烈な食欲を煽ります。ここの鰻丼は御飯が茶碗三杯分の多さですが、あっと言う間に食べ尽くしてしまいます。それに肝吸いは絶品でした。不思議ですが、お腹が喜ぶのです。まだ食べられるって、お腹が健やかな雄叫びを上げます。

 わかな: 横浜市中区港町5-20 鰻丼¥2310
posted by 三上和伸 at 22:21| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月24日

昼餉 亡き父を偲んでの会食

 法要納骨の後は葉山の日蔭茶屋で亡き父を偲んで会食をしました。ここは以前、父が還暦の折の祝いに使った料理屋で、父の思い出が多く残る所でしたから。入口を抜け庭を横切る間も建物や庭の佇まいが懐かしく、その時の父の笑顔、楽しい語らい、そして山海の珍味を並べた卓上の様子の僅かな記憶が思い出されました。

 会食の中頃では料理の話に及ぶと私と弟が述べる父の食の嗜好が見事に一致し、皆を感心させました。それは魚介類と麺類ですが、特に海鼠(ナマコ)の酢の物には目が無く、旨そうに目を細めて食べていた父の姿を憶えている事も一致していました。

 また、私より十五歳年上の父方の従姉が、まだ独身時代の父の写真を持参してきて卓上に置きました。そこには若き父と父の兄夫婦とその娘である従姉が並んでいました。恐らくこの従姉は父に淡い思いを重ねていたのであろうなと想像され私はフッと微笑んでしまいました。それ程に写真に観る父は小柄ながら爽やかな男前でした。

 母は静かに皆の話を聞きつつ、時には笑顔を、時には涙を浮かべ、しかし楽しげでした。私は母にこう言いました。「さあ、お父さんの事はもう忘れて最後に一花咲かせてください。お母さんが元気ならお父さんは安心するからね」と…。母は静かに頷きました。
posted by 三上和伸 at 23:57| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月10日

昼餉 安曇野・蕎麦どころ常念 2010.05.02

馬刺しと蕎麦がき とろろ蕎麦
馬刺しと蕎麦がき         とろろ蕎麦
JRほたかの駅からしばらくアルプスに向かって走ると、穂高南小の先に蕎麦どころ常念は見えてきます。ここは地元では一二を争う蕎麦の名店であり、大勢の客の絶える事はありません。一昨年の安曇野漫歩の折にも紹介しましたが、今回写真が撮れましたので掲載いたします。

私達は旅先で食堂に入ると、メインの料理の外に一品は土地の名物を食べる取り決め?をしています。この日は信州の名物馬刺しと妻の好物の蕎麦がきを注文してみました。しこしことした歯応えの馬刺し、爽やかな旨味が病みつきになり、あっという間に皿は空になりました。
蕎麦がきは口中でトローリとした舌触りのもっちりで、蕎麦の香が優しく広がりました。妻は如何にも美味しそうに食べました。その口の動きがその美味しさを雄弁に物語っていて、私は見ていて楽しめました。フフフ…

ここは安曇野、山葵の名産地です。常念の切り蕎麦は山葵の風味で食べる蕎麦…、蕎麦と山葵が絶妙のハーモニーを奏でます。思い出したら、また食べたくなってしまいました。ゴックン!
posted by 三上和伸 at 21:22| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月09日

今宵の宿 葛温泉・仙人閣 2010.05.01

 私が宿を取る場合、大抵はお天気を睨み予報の確実性を見計らってその数日前ないし当日に決めます。自然を愛でる旅では天候は最も重要であり、雨や嵐では絶対に出掛けません。面白くないし危険です。まあ都会や名所旧跡を訪ねる旅では、時には雨も情緒があり、良いかも知れませんが…。しかしそれでは望みの宿は簡単に取れないのでは? と思われますがそれはそれでいいのです。宿のために旅をするのではなく、あくまで自然が目的であり、旅は安全に家に戻るのが鉄則です。晴れた日に旅に出て自然と遊び、そこそこの宿に泊まり、無事に家に帰る、それでよいのです。

 *仙人閣
葛温泉・仙人閣
 葛温泉・仙人閣もそこそこの宿でした。特に風呂は素晴らしく、関節痛や筋肉痛に効能があると風呂場の壁の温泉調査票に書かれてありました。事実、私の疲労回復の一助になった気がします。源泉は高温で湯量豊富であり、内風呂は循環式を取り入れていますが、三つある露天風呂は源泉かけ流しの気持ちの良い風呂です。午前三時に入った時は丁度山の端に十八日の月が現われ、風流な月見風呂を体感しました。たった一人の贅沢極まりない湯浴みでした。

 *仙人閣の庭先から観た北アルプス・唐沢岳
唐沢岳
 深い山間の宿・仙人閣の庭先からは北アルプス・唐沢岳が望めます。この季節、雪に覆われた白銀の峰として、前山の狭間に形よく現われます。またこの山は露天風呂からも望め、白日の下で浴すれば絶景を独り占めにした入浴が可能です。まあ、様々な時間の入浴をお勧めします。きっと自然の深さを実感する一時となります。

 *宿の夕餉
宿の夕餉
 イワタケやヤマウドなどを使った天婦羅、土筆や蕗味噌の先付け、ニジマスの塩焼きに猪の鍋など、殆どが山の恵み山の料理でした。どちらかと言えば私は川魚や山菜を好む男、大変嬉しく満足でした。刺身や海産物を好む我が妻もこの日の料理には合格点を与えていました。でもやはり海のものがいいらしい…。「次は海がいいね!」とのたまいました。人の食味は様々ですね。
 
   
posted by 三上和伸 at 22:45| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月13日

昼餉 高遠そば・ますや 2010.04.10

高遠そば
 昼は高遠そばと決めていましたが、屋台や土産物屋を兼用した店を使うのではなく、本格の手打ち蕎麦処を当てにしていました。城址公園からの帰路、そんな店は直ぐに見付けられました。高遠中学校傍の高遠そば・ますや。混んでおり、一時間近く待たされましたが、手打ちの蕎麦は一流であり、大満足でした。

 二通りの挽き方で作る蕎麦は一方が滑らかなのど越しもの、また一方は噛み応えのある強い腰のものがあり、二つの食味が楽しめます。但しこの日は強腰の方は売り切れており、味わえませんでした。喉越で食す蕎麦の内、妻は写真の焼き味噌を擦り込んだたれのものを、私は辛味大根をたっぷりと入れたたれのものを食べました。天ぷらなどは一切なく、ただ蕎麦とたれと薬味で食べる手打ち蕎麦、その三味が一体となり醸された芳香と食味は絶品であり、久方振りで旨い蕎麦を食べた幸せを感じました。なお蕎麦は二笊出されますが、まず一笊が出され、時間を置いて新たに茹で上げられたもう一笊が出されます。先に申した二通りの食味の蕎麦を一笊ずつ楽しめるようになった品もありました。
posted by 三上和伸 at 23:27| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月21日

昼餉 ヒルサイドガーデン・テラッツォ

今日は義母の誕生会、義理の姉夫婦の提案で新山下にあるヒルサイドガーデンのイタリアン・テラッツォで祝いの食事をしました。実はこのレストランには一年前に訪れ、ランチを頂き気に入っていました。今回は定番のフルコースだそうですが、比較的安価であり美味しかったです。 フルコース・一人前、¥3150円

ヒルサイドガーデン
 ヒルサイドガーデンの前面は新山下の下町があり、背後には山手のフランス山があり、森が迫っています。丁度フランス山の丘の壁面にあり、その地形に因みヒルサイドガーデンの名を称したようです。

前菜
前菜とホカッチャ
前菜はミネストローネ・スープ、大麦と烏賊のカラスミ(鯔子)和え、ピザ生地の揚げ物生ハム添え、帆立貝
 お代りができるホカッチャが殊の外美味で、私は三つ頂きました。オリーブオイルの香りが柔らかく効いていました。


スパゲッティ、鶏肉とキャベツのぺペロンチーノ フェットゥチーネ、ツナとケッパのトマトソース
 パスタ 左、スパゲッティ、鶏肉とキャベツのペペロンチーノ 右、フェットゥチーネ、ツナとケッパのトマトソース どちらかを選ぶ
 私の食べたスパゲッティ・ぺペロンチーノは程よいアルデンテで私は気に入りました。もっと食べたかったのですが、そこは日本人向けのコース料理、極めて上品な盛り付けの量で物足りませんでした。

魚料理 
魚料理、真鯛とアサリのバター
 真鯛の質感溢れる舌触りとアサリの歯応え、二つの旨味がバターに溶けて異国の磯のご馳走になりました。

肉料理
肉料理、和牛のステーキ、インゲンマメのトマト煮添え
 肉は赤みが残っていますが噛み応えのある質感が残り、私の好みでした。添えられたインゲンマメは素朴さの中に旨さがありました。
 
デザート
デザート、塩ミルクのアイスクリームとケーキ
 このデザートはこの店の定番らしく、前回の折にも食べました。ミルクの味が塩で更に濃厚となり美味しく、義姉の夫は大変気に入ったようでした。「美味しい!」を連発していました。

ピアノ演奏
食事を楽しんだ後の余興
 ピアノがあったので我が娘・三上夏子先生に弾いて貰いました。調律は狂っていましたが、気持ちよく弾いてくれました。娘はモーツァルトとショパンをさらりと弾いてのけました。私と義姉の夫がかぶり付きで熱心に聴き入りました。こんな時、音楽の愛好の度合いが判りますね…。でも八十歳になる義母にもその孫の思いは届いたでしょう。
posted by 三上和伸 at 23:55| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月31日

原三溪縁のもてなし料理 隣花苑 本牧三之谷

 早春の一日、私と妻は義母を誘って本牧三溪園を訪ね、観梅と洒落込みました。この頃はもうそこかしこで梅の便りが聞かれ私達も満を持しての梅の花詣でとなりました。そしてそのついでと言っては何ですが、久し振りの一寸した贅沢として、憧れの隣花苑での昼餉を楽しみました。

隣花苑
隣花苑の前景
 横浜の隠れ家のような田舎家、伊豆の地より移築されたもので築六百年の足利時代の建築物…、それは鄙びた床しい雰囲気を醸し出してひっそりと佇んでいます。心静かに落ち着いて食事が楽しめる得難い食事処であり、何方でも自然とその雰囲気に溶け込んで親しめます。庭には隣花苑の名に相応しく四季折々の花が咲き揃い、この日は寒椿が咲き、梅が綻び始め、三椏(みつまた)の蕾は膨らんでいました。

土間の椿 
玄関の土間
 玄関の引き戸を開けるとそこには広い土間が現われます。古の香り漂うその空間には庭で手折った椿が活けられおり、早春の息吹が感じられました。土間からは板の間に上がりそこには長方形の囲炉裏が切られ、藁灰の囲みの中には備長炭が赤く燃えていました。暫くの間、私達は案内を待つのにこの囲炉裏端で談笑をして楽しみ、静寂の中、それは暖かく快い待ち受けの時間を過ごしました。

 原三溪縁のもてなし料理
 隣花苑の料理とは、美食家・原三溪の賓客もてなしの料理が三溪の命を受け代々伝えられたもの、今日では現継承者で三溪の末裔に当たる西郷槇子氏が熱心に伝えています。その味はよき伝統の上に創意工夫が施され、季節の素材が豊かに香り、味わい深いものでした。

 献立、一月三十一日 
 先付け
先付け 黒豆甘煮 あられ寒天

前菜
前菜 左上:菜の花・からし和え 中上:芹・黒胡麻和え 右上:大和芋・茶巾しぼり、夏蜜柑の皮・甘煮
左下:春菊、ごぼう、しめじ・白和え 中下:サーモン、三つ葉、大根・柚子胡椒風味 右下:胡瓜、若布、紫蘇・甘酢 
 盛り沢山の旬の素材、早春の香りのシンフォニー。

豆腐
豆腐 揚げ出し豆腐
 まったりとした豆腐、汁は濃い目でした。
 
お椀
お椀 白味噌仕立て雑煮 京人参 三つ葉 鴨団子 大根 柚子
 焼いた餅が香ばしく白味噌と絡み、絶品でした。

三溪蕎麦
三溪蕎麦
 独特の蕎麦、蕎麦粉を使った蕎麦ですがその味付けは中華風です。

御飯と漬物
御飯 大根葉 漬物 大根 白菜 昆布
 ふわりと握ったお結び、口の中でほろほろと崩れました。

 以上はランチメニューであり、比較的安価です。
posted by 三上和伸 at 22:54| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月04日

富士の昼餉とオヤツ

 1、忍野八海・天祥庵の「ぶっかけ」
PB030742.JPG
 富士山の伏流水で打ったそば粉八割の手打ち蕎麦。喉越しのよい爽やかな食味が特徴かと思います。名物の「ぶっかけ」は汁に焼き味噌を混ぜて冷蕎麦にかけ、お好みの薬味を添えて食べるもの。薬味には、なめこ、きくらげ、しそ、ねぎ、みょうがが並べられてあり、全部掛けて食べればそれらの味が渾然一体となり、蕎麦に深い風味をもたらします。

 2、ホテル・マウント富士のケーキ
PB030752.JPG
 ブルーベリーのタルト、そしてコーヒーとも大変美味しかったのですが、接客に落ち度があり、妻は珍しく従業員を叱っていました。妻はコーヒーのお供としてケーキを食べたかったのにコーヒーが待てど暮らせど運ばれてきません、ケーキを食べ終えた後、しばらくしてそれはやってきました。しかし更にそのコーヒーがぬるかったのでさあ大変!、とうとう妻の堪忍袋の緒が切れてしまったのでした。妻は厳しくそれを突き返し取り返えさせました。…私は猫舌なのでそんなに気になりませんでしたが…。熱いものを好む人は許せないのでしょうね…。
 また富士を見ながらゆったりとお茶と思いきや、午後は立地的にこのラウンジからは太陽と富士が重なり、眩しくて儘なりませんでした。午前中か夕刻がお勧めです。

 お散歩日誌
 歩数=6881歩
posted by 三上和伸 at 09:38| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月16日

今宵の宿 棧(かけはし)温泉 2009.10.10

今宵の宿に選んだのは木曾の棧(かけはし)から名をとった棧温泉…、ここの湯は温泉は温泉でも摂氏13度の冷泉であり、二酸化炭素泉の肌に柔らかい優れた泉質です。浴槽は二つあり、一方が冷泉の源泉のもの、もう一方が加温して温泉としたもの。冷たい源泉に入るのは一寸した勇気が必要で、私はいっぺんに源泉に入らずに、加温した湯で充分に温まり、やおら源泉に入りました。最初は冷たさが身に染みましたが、暫くすると慣れてきて、とても安らいだ心持ちになりました。何故か体が軽くなる気がしたのでした。そして十分浸かった後、再び加温の湯で体の芯まで温まりました。またその後の湯浴みでは交互に何回も出入りを繰り返しましたが、それはそれで中々の入り心地で面白かったのでした。皮膚に効くようで痒み肌の私でも、その晩の睡眠時には肌は痒くはならず、快適な睡眠が得られました。流石に名湯の名はだてではなかったですね。

 棧温泉温泉旅館の夕餉
棧温泉旅館
 子持ち鮎の塩焼きがふっくらと温かで絶品でした。板前が腕を振るった料理ではなく、主人の家庭的な味の趣向が反映した私の舌に合ったものでした。美味しかったですよ!
 
 女将とは色々あり多くを語り合いました。私はこう述べました。「これからは観光の時代、海外からも沢山のお客がみえますよ…前途洋々ではありませんか、足踏みなんかしていてはいけませんよ! 至れり尽くせりの良い仕事をして繁盛させてください。」これが私のこの女将への願でした。


 木曾の棧 芭蕉の句碑
芭蕉の句碑
 棧とは川にかける橋ではなく、川の断崖に沿った板の道の事。15世紀はじめに造られた波計桟道であり、後の明治の頃には石垣で造られました。現在もその石垣は残っているそうですが、私には良く見えず分かりませんでした。
 木曾川を挟んで宿の向かいに木曾の棧があり、宿の前にはその棧を吟じた芭蕉の句碑が建っていました。遥かなる昔がそこにありました。
 
 棧や いのちをからむ 蔦かづら  松尾芭蕉

posted by 三上和伸 at 23:39| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月02日

旅の食事 北海道 2009.9.22〜23〜24 

1、羽田蕎麦 2009.9.22
羽田蕎麦
羽田空港レストラン街の一角、京風和食の“京ぜん”の一品
 私が蕎麦を食べたいと言い出したので、妻は店の値踏みに奔走し、一件の京風和食の店を見付けだしました。その成果は勿論二重丸でした。
 メニューを見渡したところ、羽田蕎麦なる品を見つけ「ハハーン」と合点し、私は早速これを注文しました。妻はどうも私と同じ物は避ける傾向にあり、天ぷら御膳を頼みました。
 羽田蕎麦と名乗るだけあって、温かい蕎麦の上にアナゴにハゼ、キスなどの羽田沖の魚?の天ぷらが乗っており、心憎いほどに私の好みに合わせて?ありました。絶品でした!。
 京風和食とあってその汁は薄口に仕上げられており、爽やかな切れがあり、しかも豊かな風味が感じられました。ごくごくと喉越しを味わいながら飲む事ができ、それは旨かったのです。北海道へ行く前の旅の端緒から旨いもんを食べさせてもらえるなんて縁起が良く、ご機嫌で羽田を後にしました。
 
 2、旅館・“湖畔亭”の食事 2009.9.22
湖畔亭の夕食
 夕食の御膳は茹でたズワイガニが主役で、他は鱒と烏賊の刺身、豚肉の焼き物に海藻の酢の物、茸の煮物に香の物などが並び、その中でもズワイガニが逸品でした。またデザートの寒天ヨーグルトが殊の他旨く、いやが上にも北海道を意識させていました。
 
 *2009.9.23朝
 朝は和洋のバイキングで、私は根っからのパン食い人なので、食パンやバターロールを鱈腹食べました。お数にはこれまた大好物のソーセイジにポテト、スクランブルエッグを選びました。どうもお子様メニューでありますが、私はこんなものが好物なのです。これでは下腹が出るのも肯けますよね…。妻はご飯を選び、これまた健啖であり、御代りしていたように見受けられました。烏賊の塩辛も旨そうでしたしね。

 3、昼はツァー会社からお弁当が支給され、バスの中で食べました。ガイドのマチャミや添乗員の美幸さんは一緒に食べませんでした。何時食べたのかしら?、私達が動物園見物をしている間かしら?…。ちょいと気になりました、一緒に食べたかった…。

 4、札幌ビール園のジンギスカン 2009.9.23
 夜、新札幌にあるシェラトンホテルに到着しました。ガイド・マチャミとはここでお別れとなりました。…と言うのも、私達はここからツァーの皆と別れて別行動を取る事にしたのです。マチャミも私も別れが辛くなり、ここで惜別の握手をしたのです。マチャミは力強く私の手を握りました。心が籠っていました。
 その後、部屋で支度をして、いよいよ予約をしておいた本日のメインイベントディナー、目眩く初めての札幌ビール園へ向かいました。
北海道を型どったジンギスカン鍋ジンギスカンに夢中
ジンギスカン鍋(北海道の形をしてます。) 変な顔ですが御容赦ください
 ラムの薄切り二人前、ラムチョップ二人前、ラムのソーセイジ、野菜大盛り、そしてガーリックトーストを注文し、飲み物は私がジンジャーエール(下戸のため)二杯、妻は札幌クラシックビールを?杯(イケる口のため)飲みました。否、飲み干しました、あっぱれ!
 柔らかく蕩ける旨さのラム肉、付け垂れとの相性は抜群でした。正にその芳醇な味わいに酔いました。…ビールも飲まぬのに…。
 本場のジンギスカン、最高です。

 5、シェラトンホテル内・仙雲の中華粥 2009.9.24
中華粥
 料理はやや塩加減がきつかったのですが、これが中華料理、粥によく合い、昨日の大食の後では恰好の朝食でした。
 30階の展望も爽快であり、よい朝を過ごしました。さあ腹ごしらえは完了です。いざ!、小樽、札幌の漫ろ歩きに出発です。

 6、小樽・福寿司の海鮮丼 2009,9,24
海鮮丼 
色鮮やかな海鮮丼、妻が注文したものです。「美味しいかい?」と尋ねたら、妻はニコッと微笑みました。その笑顔が答えと言う事に致しましょう。私はいまいち生ものは得手でないので、マグロの漬け丼を選びました。口に蕩けました。

 7、新千歳空港・ラーメン共和国 味の時計台のネギ味噌ラーメン 2009.9.24
ネギ味噌ラーメン
 下ろしニンニクと一味唐辛子を大量に入れ、隠し味に黒胡椒を入れて頂く、その野性的な香りと味噌の甘味が太麺に絡み付いて箸が止まらなくなります。スープも残さず飲み干してしまいました。塩分オーバーか?
posted by 三上和伸 at 23:04| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月30日

今宵の宿 洞爺湖畔亭 夢か現か幻か 旅先での出来事

 洞爺湖畔亭は洞爺湖温泉街にあり、前面に洞爺湖がゆったりと広がり、有り難き借景を戴いています。夜には湖で花火が打ち上げられ、殊の他、観光振興に熱心と見受けられました。私はさほどではありませんが、妻は花火が大好きなのでとても喜んでおりました。夕食後一風呂浴びて、私は普段着(浴衣が苦手)で、妻は浴衣に丹前で仲良く並んで見物しました。

 寝る前にも入浴をしました。ナトリウム塩化物泉の温泉は肌に柔らかく、よく温まる優れた湯でした。真に入り心地の良い広々とした湯船で、思う存分手足を伸ばしました。屋上の露天は満天の星空で心地良い風が吹き、半身を浸かり半身は風に吹かれて爽快な湯浴みでした。

 早朝、目が覚めてしまい仕方なく、朝風呂と洒落込み湯船に浸かりました。ところがただならぬ気配、何とそこは女湯だったのです。時間で男女の湯浴み場が入れ替わっていたのでした。私の老眼の目はそれを知らせる看板を認められなかったのです。早朝なのでガラガラでしたが、一人いました。ぼうっと浮かぶシルエット、正にうら若き女性のものでした。私は素早く着物を着け一目散に隣りの男湯に逃げ伸びました。男湯の湯舟に浸かった私のその時の心境は、夢か現か幻か…。今もってその心持ははっきりとしません。

 相変わらずのドタバタの旅で、夕食時にも問題を起こしました。気の効かぬ仲居さんの落ち度を厳しく諫めてしまったのです。真に情けない…気の毒な事をしました御免なさい…、反省しきりです。

 そんなこんなでよく分かりませんが、問題児扱いにされたのか、次の日の私達のバス座席は一番前となりました。ガイドのマチャミ(久本雅美によく似たベテランガイド)と添乗員の美幸さん(仮名・笑顔の素敵な美人さん)の傍で一日を過ごしました。私は二人と打ち解けあい好きになりました。マチャミとはお別れの際、惜別の握手までしたのでした。「ありがとう!、楽しかったよ」。…また会えたらいいね…。
posted by 三上和伸 at 08:51| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月10日

今宵の宿と明日香村の花々

宿の膳
祝戸荘の夕食 アマゴの塩焼きなど
 雨の吉野を発ったのが夜の六時過ぎ、最早薄暗くなり闇は降り始めました。今宵の宿の“飛鳥の宿・祝戸荘”に電話を入れたところ「初めての方は暗くなると迷われるので気を付けていらしてください。石舞台古墳までいらしたら電話してください、誘導します。」と言われ、嫌な気になっていたら案の定、迷子になりました。皆でああだこうだと言い合いもめながらも、やっとの事で宿に辿り着く事ができました。もう私達以外の宿泊者は全員夕食をとっていて、私達も早速、食卓に着き料理を賞味しました。メインの品はヤマメの南日本型であるアマゴの塩焼きで、香ばしく中々の珍味でした。風呂は温泉ではありませんが、よく温まる清潔な湯で、思う存分足を伸ばして極楽気分を味わいました。また部屋は二十畳の広大な畳敷きで、中央に三人の女子がのうのうと寝て、私は隅でひっそりと寂しく、しかし安らかな眠りに就いたのでした。ここは国営飛鳥歴史公園祝戸地区内にあり、飛鳥保存財団が運営する宿舎です。

 翌日は飛鳥の遺産を巡りました。そしてその合間には明日香村の野に咲く花々を愛で、写真に収めました。このあと順次、その素敵に愛らしい花達を紹介して行きます。お楽しみに…。
posted by 三上和伸 at 21:02| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月27日

昼餉・東照宮日光金谷ホテル食堂にて

 昼餉
金谷ホテルの食卓
 二荒山神社、東照宮、輪王寺を巡り参拝を済ませると丁度昼時となり、私達は昼食を取る事にしました。今回は前もって食事処を決めていなかったので、思案しながら境内を歩いていた所、その一角に休み処が設えてあり、その一店に金谷ホテルの出張食堂がありました。私達は即座に気に入り、迷わずその店に入店しました。プレハブながら店内の内装は中々お洒落に造られていて居心地はまずまずでした。愛らしい田舎娘のウェイトレスが注文を取りに来、私達はドリンク付きでハンバーグ・ステーキとライスを求め、私は紅茶を、妻はコーヒーを指名しました。肉は香辛料の甘い香りがふくいくとし、かなりレアーで肉汁が滴り、口の中でとろけました。単純な料理ですが、しっかりとした旨味があり、老舗のホテルの味とはこう言うものなのか…と感心しました。暫く談笑に耽り、ふと時計を見ると午後も大分進み、慌てて勘定を済ませ店を出ました。そしてもう一つの大きな楽しみ、残りの時間を全て費やしての紅葉狩りへと向かいました。
*日光金谷ホテル 
 日本最古の西洋式ホテルと言われ、明治6年にカッテージ・イン(民宿)として創設されました。その経緯は、この2年程前、アメリカ人宣教師ヘボン博士が西洋人として初めて日光を来訪した事に始ります。その折りに博士の宿泊の世話を焼いたのが後の創業者、東照宮・雅楽楽師の金谷善一郎でした。その接待に快い満足を得た博士は今後の外国人の日光来訪の増加を確信し、金谷に外国人に好まれる洋式ホテルの経営を進めました。その後博士の言葉どうり、多くの著名な外国人が日光を訪れるようになり、金谷のホテルは評判を呼び、日本の国威向上と共に内外の著名人や一般人までが利用するようになりました。その宿帳にはヘボン博士のほか、高名な英国人旅行家イザベラ・バード、英国の王子コンノート公、アインシュタイン博士やヘレン・ケラー女史などの著名人のサインも残されているそうです。(時間旅行へのご案内より)
*写真の料理の下のランチョンマットには金谷ホテルのあれこれが書かれています。
*写真右上のしおりは日光案内図で、これを頼りに今回の旅を楽しみました。因みにこのしおりは境内脇の土産物屋で仕入れました。 
posted by 三上和伸 at 22:18| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月10日

今宵の宿・坂巻温泉 2008.10.04

 今回の旅を計画した際、宿選びは一冊の温泉ガイド本を用いました。それは“ガイドのとら・信州温泉”と言う冊子で、信州の名湯・秘湯の四百湯を集めたもので使い勝手がよく、中々の選れものです。このガイド本に依れば坂巻温泉は、湯温が高く加水であるが源泉掛け流しで露天風呂も男女共にあると書かれてありました。更に一軒宿で自然の静かな佇まいの中に存在するとあり、私は気に入り宿に電話を入れ予約を取りました。そして一泊の世話になり、その私の感想は概ね良好のものでした。料理は決して手の込んだ物でなく、昔の信州の素朴な味が食卓に並びました。その象徴的な物と言えば鯉の洗いと鯉濃でしょう。現代の私達にはそれはそれ程の御馳走ではなかったのですが、メタボの私にはヘルシーな料理であると妻に諭され、有り難く頂きました。サービスや接客もあっさりとしたもので、私としては煩くなく、居心地は悪くなかったのでした。とにかく、ここの売りは温泉であり、炭酸水素質の塩化物泉で軟かく滑らかな肌触りのする入り心地のよい、よく温まる湯でした。因みに、湯舟の床には黒い砂利石が敷き詰められており、体重のある私には歩くと痛く閉口しましたが、清潔感は勝るので、妻は喜んでいました。
 夜更けの湯浴みは露天の星空が真に素晴らしく、今も私の眼の中でその清冽な像を結びます。
posted by 三上和伸 at 00:02| 今宵の宿・食べ歩き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする