2013年11月23日

野の実21 ユズリハとマユミ 2013.11.23

ユズリハの実
ユズリハ(譲葉)植栽 トウダイグサ科ユズリハ属
古い葉と新しい葉の世代交代に独特の風情を醸すのがこのユズリハの譲葉たる所以…。春、新葉が伸びてくると古葉は己が地位を譲るように下に垂れ始めます。そしてやがて新葉が大きく育てば古葉は安らかに散り落ちるのです。親子愛を象徴したかのような奥床しい樹木、譲葉の名は必然と言える運命的な美名ですね。素晴らしい…。
 
雌雄異株であるため、実が成るのは雌木だけです。団地の植え込みにも数本の譲葉の木がありますが、実が成っているのは一本だけでした。その貴重な一本がこの写真の木です。漆黒に熟した実が鈴生りに付いていました。 

マユミの実 マユミの実
マユミ(真弓)ニシキギ科マユミ属
枝が良くしなう事で解るように、弾力と硬度を持ち合わせた材が得られる真弓。昔はこぞって弓に用いられたがために、真弓の名が付きました。花は地味ですが、ご覧のように実は中々に存在感があります。それは美しく熟した淡紅色の刮ハ(さくか)が四裂し、中から鮮紅の仮種皮に包まれた種子が垂れ下がります。面白くも味わいのある個性際立つ良い実です。この樹木も雌雄異株であり、従ってこれは雌木です。

*刮ハ=乾性の子房(雌しべの一部)の発達した果実、熟すと縦裂して種子を散らす。
 
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2013年10月14日

野の実22 秋酣、野の実華やぐ 多摩丘陵 2013.10.13

多摩丘陵の一角にあるNちゃん家こと娘夫婦の家。そこをもう直ぐ引越すのだそうで、私達夫婦はKさんの引越し荷物整理を捗らせるべく、Nちゃんお遊び係を買って出ました。私達がNちゃんと遊ばせて貰って?いる内に、その隙をついてKさんは整理整頓をする、一石二鳥のグッドアイディアでした。

 その内、Nちゃんのオッパイタイムとなり、お邪魔虫の私は近隣にお散歩へ。山辺伝いに揺ら揺らと、彼方此方にある野の実・野の花を愛でて歩きました。小一時間の寛ぎ、僅かに残る多摩丘陵の自然を楽しみました。

カラスウリ 
カラスウリ(烏瓜)別名:タマズサ ウリ科カラスウリ属
人間の他の生き物への蔑視が表れた命名“カラスウリ”。これは人の食べられる良い品の瓜ではなく、カラスか何かが食べる代物…。そんな意味が籠められた名です。でも良いじゃないですか、カラスも瓜も大切な生き物、況してやカラスウリは素敵な植物。赤い実も綺麗ですが、その花が美しい、正に真夏の夜に咲く真夏の夜の夢の如き幻想の花…。来年こそ紹介致しましょう。藪の中、闇が訪れないと開かない花、闇に紛れて撮るのが困難な花…。

ゴンズイ
ゴンズイ(権萃、野鴉椿《生薬名》)別名:キツネノチャブクロ(狐の茶袋)、クロクサギ(黒臭木) ミツバウツギ科ゴンズイ属
魚のゴンズイ(権瑞)とは同名ですが、漢字ではズイ違いです。されど命名の経緯は関係があるようで、材が役に立たない事を食べられない魚・ゴンズイに例えたとか…。別名の狐の茶袋は実の形から、黒臭木はこの材の臭みから名付けられたと謂われています。目立つ美しい実であり、遠くからでもその彩は確かな存在感で垣間見えます。森の中腹にあり、ズームを大きく使い写しました。

ムラサキシキブ 
ムラサキシキブ(紫式部)別名:ミムラサキ クマツヅラ科ムラサキシキブ属
日本の誇り・文豪・紫式部を名に持つ樹木。恐れ多いと恐縮しているかと思いきやとんでもなく、庭に植えばそれなりに蔓延ります。されど野にあれば、他の木々や草々と馴染み合い、程良く清楚に実ります。この季節、何処の山にもこの式部は存在します。光源氏は何処にいるかしら…

ヒヨドリジョウゴ
ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)別名:ホロシ ナス科ナス属
上戸とは酒好きを指した言葉。そこから何かを愛好する事やその愛好者を上戸と言い慣わすようになりました。野鳥の鵯が好む実にこれがあり、狂ったようにこの実を食べるとか、正に上戸の体…、故にこの草はヒヨドリジョウゴの名となりました。青い実も赤く熟した実も美しい光彩が照り映えます。まるで珠玉の様…。私は大好きですが、この宝玉、実は毒の持ち主でもあるのです。まあ毒くらい持たなければ何にせよ、艶美の域には達せないのかも知れません。よくぞそこまでこの艶美を…、私は歓喜します。
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野の実21 クヌギのドングリ 横浜市旭区 2013.10.13

クヌギ(椚) クヌギの若い実 クヌギのドングリ
クヌギの木          若い果実       クヌギのドングリ、中央にあるのが殻斗(カクト) 
クヌギ(櫟、椚、橡、櫪)別名(古名)ツルバミ(橡) ブナ科コナラ属
クヌギは国ノ木(クノキ・クノギ)が訛ってクヌギとなったとされています。漢字名も数種ご覧のようにありますが、普通は“椚”が多く使われます。古名は“ツルバミ”で、こちらは橡と書き、これはつるばみ色に繋がっています。このドングリ(団栗)の殻を煮出した汁で染めた色を言い、黒染色、にびいろ(鈍色)とも言います。濃い鼠色(淡い黒色)で、古の喪服に用いられたそうです。

写真は同日に撮ったもので、まだ青いドングリ(写真・中)が枝先に写っていますが、これは本年受粉された果実で、今年は熟さず落ちません。来秋に完熟を果し落果するのです。ここが同属のコナラとの差異で、コナラは一年(同年)で受粉・完熟を果しますが、クヌギは二年掛かるのです。クヌギのドングリはその姿形から“オカメドングリ”と愛称されています。

またクヌギは薪炭(シンタン、たきぎとすみ)としては、同属のコナラやウバメガシ(高温の炭・備長炭の材)と並んで最高の材料と言う事です。特にコナラやミズナラの炭は湯炭(茶の湯の釜炊き用)として珍重され、その見映えから菊炭の名で親しまれています。茶道界になくてはならぬ逸品と言う事です。
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2013年10月13日

野の実20 コナラとクヌギのドングリの違い 2013.10.13

コナラとクヌギのドングリの違い
同じブナ科コナラ属の仲間なのに、大きさと言い姿と言い、大分違いがありますね。味もコナラの方が美味しいらしく、クヌギは灰汁が強いそうです。しかし太古の人々には大切な食糧であったようで、クヌギも食べた形跡が各地の遺跡に残されているようです。今年はコナラ同様クヌギも豊作だったようで、木の下には多くの熟したドングリが落ちていました。現代では人は余程の事が無い限りこの実などは食べませんが、山の動物達には吉であり、さぞかし喜んでいる事でしょう。山を太古の昔に戻してやりたいですね、ブナ科の木を増やして飢えの無い豊かな山に…
posted by 三上和伸 at 22:47| 野の実 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

野の実19 コナラのドングリ 横浜市旭区 2013.10.13

コナラの木 散乱したドングリ 採取したドングリ
コナラ(小楢)別名:ホウソ・ハハソ・ナラ ブナ科コナラ属
クヌギと共に日本の雑木林を代表する樹木。農家はこの材を使って炭を作ったり、椎茸栽培の原木にします。何故子楢(小のナラ)かと申せば、より大柄なミズナラを大楢(オオナラ)と言い、それに対し小柄なこの種を小楢と呼んだから…。秋にはコナラと呼ぶに相応しい可愛いドングリが出来ます。今年は豊作であり、ここ暫くの間、道端に落ちたドングリが方々に散乱した状態で観る事ができます。可愛いドングリでしょ、帽子を被ったものも見付けられます。これを観ても今年の山の実りは恐らく良い筈であり、熊を始めとした動物達は満腹で冬を迎えられる事でしょう。熊の人への被害も減るでしょう? 

追伸:コナラやミズナラのドングリは、明治の時代まで大切な食料として、田舎では食べられていたようです。先程調べ直して判明いたしました。失礼をしました。別名の“ハハソ”は母にかけて言う言葉ですが、富を与えてくれるこの属の樹木を、昔の人々は母なる木と定めていたのでしょうか? 何か私は、当たり前に観ていたこれら木々を、今回改めて見直しました。素敵な木なのですね。
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2013年06月13日

野の実18 ヤマザクラのサクランボ(植栽) 横浜市 2013.06.02

山桜のサクランボ 山桜のサクランボ
咲いてから二カ月くらい経つと実が熟します。黒紫色の艶々と美しい実で、観るからに美味しそうです。写真の山桜は、私のウォ−キングロードの一角にあり、私はその下を歩く度、数個摘んでは口に運びます。やや渋く青臭いですが、甘味が強く、体に活を入れられます。この時期ならではの私専用のウォーキングのオヤツです。

山桜は野生の桜ゆえ、自然交配で、子孫を残します。まあ、野では、誰も挿し木や取り木はしてくれませんので、自力で繁殖を図るのです。数多の果実を美味しく実らせ、野鳥に食べさせ、タネを運んでもらいます。そしてそのタネは、新たな土地に芽を出して成長し始め、繁殖を完了させます。また桜全体に言える事ですが、山桜も、遺伝的優位を保つ為、自分の花粉では交配はしないのです。更に種の独立を目指し、他種の桜の花粉とも原則的には交配をする事がありません。従って山桜は、自分と同じ種で、自分以外の木(株)の花粉で交配をするのです。よって山桜は、園芸種(染井吉野等)に比べ個体差が甚だしく、花や若葉に色の幅が強く出ます。山桜の濃淡のグラデーションは、春山の風物詩と言えますものね。
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2011年12月17日

野の実15 クサギ 横浜市 2011.11.13

クサギは野の実のカテゴリでは、二回目の登場です。また先月に撮った写真で日にちが前後してしまうのですが、美しい実でしたので掲載させて頂きます。

クサギ
クサギ(臭木)クマツヅラカ科クサギ属
花の頃、まだ筒状だった紅色の萼片が、実の頃になると星形に開陳します。そしてそこには黒碧色の丸い実が結実しています。何と個性の際立つ、美しい果実なのでしょうか…。何回出会っても感動します、素晴らしい…。

さらにクサギの名の起こりとなった茎や葉にある悪臭が、若芽を摘んでしばらく置くと臭みはなくなり食用(美味しいらしい)になる、面白いですよね。また果実は灰汁で煮出すと草木染めの染料になり、美しいあさぎ色(浅葱色・みずいろ)に染まるとの事。古来から親しまれてきた有用な植物だったのですね。自然と人の交わり、調べれば調べるほどに新たな発見があります。感心してしまいます。

参考:広辞苑、山溪日本の樹木
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2011年12月16日

野の実14 イイギリ 横浜市 2011.11.17

イイギリ
イイギリ(椅)イイギリ科イイギリ属
椅子の椅と書いて“イイギリ”と称します。特段、椅子とは関係はないようですが、材は器具類や下駄に使われるそうなので、何らかの係わりはあるのかも知れません…。花は花と言える程のものではなく地味なのですが、実が素晴らしい…。微妙にくすんだ紅の、しっとりと落ち付いた色調が何とも言えず眼に染みて来ます。しかも大木に幾百もが鈴なりに実る様は、何はさて置き、圧巻と賞して偽りはありません。食用とはなりませんが、秋の実りの豊かさを実感させてくれる得難い果実です。

この実のこの写真を、年賀状のテーマに使う積もりです。
posted by 三上和伸 at 21:57| 野の実 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月15日

野の実13 カラスウリ 横浜市 2011.11.13

カラスウリ
カラスウリ(烏瓜)ウリ科カラスウリ属
晩秋になると突然目立つのが、このカラスウリです。散歩やハイキングで郊外を歩いていると、葉が落ちて裸になった林や藪の縁に、よくぶら下がっています。楕円球の丁度良い大きさの赤い実、愛くるしくていいですね。人間は食べないカラスの実だからカラスウリ。でも果肉は化粧水になり、タネは食べられるそう、昔は有用な植物だったようです。まあ、現代には他に良い物が沢山あるので、殊の外、この実に頼る必要はないようです。

特筆すべきは夏に咲くこの草の花。でも、実物を見た事がある人は、そう多くはないでしょう。この花は闇に咲く花。それはそれは美しい闇に息づく日影の白花。真に夜の花であり、陽光の下では観られないからです。もし観ようとするなら、懐中電灯をぶら下げて、真っ暗闇の藪の中を歩かなければなりません。余り気持ちの良いものではありませんよね。何時か…、来年には?…、写真でご覧に入れられるかも知れません。でも私に写真が撮れるかしら。私は真っ暗闇が怖いのです。まあ、図鑑で調べれば出ていますけどね。 
posted by 三上和伸 at 23:29| 野の実 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月15日

野の実12 ヘクソカズラ 横浜市 2011.11.13

ヘクソカズラ
ヘクソカズラ(屁糞蔓)別名:ヤイトバナ アカネ科ヘクソカズラ属
藪などに多く見掛ける蔓(つる)草。全草にオナラのような悪臭があるのでこの屈辱的な名を授かりました、可哀想な草…。それでも秋になると割かし綺麗な黄色の実をつけ、人目を誘い、面目を施します。この時点ではもう、あの嫌な臭いは大分失せているようです、有り難い事に…。

ヘクソカズラの花
別名のヤイトバナは、花の色と姿がヤイト(焼処・灸)を想わすゆえの命名、なるほどなるほど、時代を偲ばす連想ですね。
posted by 三上和伸 at 23:03| 野の実 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月14日

野の実11 コセンダングサ 横浜 2011.11.13

 コセンダングサ
コセンダングサ(小栴檀草)キク科センダングサ属
写真奥にピンボケで観える黄色が花で、道端の荒れ地に群生して良く見られます。舌状花はなく筒状花ばかりでやや貧相に観えます。従って雑草として扱われるのも已むなしと言うところでしょうか。特筆すべきは果実で、その先端には棘があり、人の衣服や動物の毛につき、遠くへ運ばれていきます。賢くも一端に、繁殖の範囲を広げているのです。

名のセンダングサのセンダンは“栴檀は双葉より芳し”の栴檀(名のある香木)で、葉の形が似ている事により授けられました。大層名誉な事ではありますね。否、身分不相応かしらね…。まあ、兎に角、凄い名が付けられました。
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2011年11月13日

野の実10 ゴンズイ 横浜市 2011.11.13

気分が乗らず一週間、ウォーキングを休みましたが、もうそろそろ歩いてみようかと思い、漸く歩き出しました。今日は何時ものウォーキングは止めにして、自然探しの長散歩を試みました。僅かな花と木の実が私を待っていてくれました。

ゴンズイ
ゴンズイ(権翠)ミツバウツギ科ゴンズイ属
昨秋に紹介した草のトキリマメの実によく似た果実、これは木ですがトキリマメ同様、その莢の紅と果実の黒の対比が粋で素晴らしい…。誠に秋は木の実が美しい季節、木の実を目当てに歩くのも楽しいもの、野でも一つや二つは必ず見付けられるものです。この権翠の名と果実との関係は薄いようで色々書物を当たりましたが、その命名の由来は不明でした。

追伸:ゴンズイ(権翠)をネットで調べたところ、その名の由来の言い伝えの一説が出ていました。やはり魚のゴンズイ(権瑞)に関係があるようで、毒魚(鰭の剣棘に毒がある)で食材として役立たない権瑞に倣い、その材が利用に適わない植物の権翠にゴンズイの名を当てたのだそうです。まあ、案外そんなところかも知れませんね?。
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2011年08月09日

野の実9 ツチアケビ 本栖湖 2011.08.05

ツチアケビ
ツチアケビ(土木通) ラン科ツチアケビ属

 これは葉緑素を持たない腐生植物…。根の中にナラタケ(楢茸・キノコ)の菌糸束を取り込み共生し成長します。ラン科にはこのような腐生植物が多く、このツチアケビもその代表的な種類です。この写真で見られる緑の葉は、ツチアケビの茎に絡み付いた蔓植物でこのツチアケビの一部ではありません。全く葉緑素を持たない草なので、茶色の花を咲かせ、最後はこのグロテスクな赤い実を実らせます。まるで昔の赤いウィンナーソーセイジのようで、奇怪ではありますが滑稽でもあります。名の由来は読んで字の如しで土から出たアケビのようだからですが、この名をつけた昔人は、やはりウィンナーソーセイジを知らなかったのですね。私なら“ウィンナーもどき”と名付けますがね…。


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2011年08月08日

野の実8 ナワシロイチゴ 本栖湖 2011.08.05 

ナワシロイチゴ
ナワシロイチゴ(苗代苺) バラ科キイチゴ属

 日当たりの良い湖畔のお花畑に、ホタルブクロやカワラナデシコ、それにクサフジに負けじと野苺が最も目立つ深紅の色を主張していました。とても愛らしい苺でした。恐らくこれはナワシロイチゴだと想います。と言うのは苺類は種類が多く見分けが難しいのが特徴で、生える場所、茎と葉の生え方、花の色と大きさ、実の色と姿形の様子が揃えば何とかなるのですがね…。ここでガサゴソとこの植物をいじくり回すのもなんでしたので…、しつこい詮議は止めにしたのでした。ない物ねだりですが、花の色が判ればね…、ナワシロイチゴは極小で紅紫色の花が特徴であり決め手なのですが…。

 瑞々しい紅色、果汁が豊かそうなふっくら感、とても美味しそう…。一つ摘まんで口に放り込みました。…甘酸っぱい…。でも、やはり野生の苺、しっかりしたタネが歯に残り口触りを悪くして、今一つでした。
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2011年07月26日

野の実7 スミレの実 2011.07.26

スミレの実 スミレ
スミレの果実とタネ        春のスミレの花
私のウォーキングロードの一角に生えたスミレ、スミレ科スミレ属の野(野生)のスミレです。濃い紫の花を咲かせるスミレで、名は何も冠が付かないただのスミレ…、スミレと言えばこの草を指します。こんなアスファルトの割れ目の隙間を好むのがこの草の性質で、ここは春の一時、割れ目伝いに紫が群れていました。その時、写真は撮り損ねましたが大変美しいものでした。

今は夏、夏のスミレはこの写真で分かるように花はありません。花は春の盛りの一瞬で終わります。でも果実(右上の紡錘形の莢)とタネ(左上の莢が三裂してタネが見えている)は確かにあります。この三裂した莢は乾燥と共に収縮し上に乗せているタネを次々に撥ね飛ばします。タネはここより遠くへ飛んで行き、スミレはより広範に繁殖する事が出来るのです。

ところでこの果実とタネは春に咲いた花のものだと思われますか? 先程申したようにスミレは春の一時しか咲かない花なのですから…。でも春四月に咲いて出来たタネ(五月頃には飛散する)はもうとっくに新天地に降り立ち芽を出して成長中です。では今のこの果実とタネは何処から来たのでしょうか? 実はこの果実とタネは咲かない花・閉鎖花(へいさか)から実ったものなのです。スミレは花弁を持って咲くのは春だけ、その後秋口まで蕾は出来ますが、花弁の無い閉じた花で、その中で自家受粉をしてタネを作るのです。何とも…謎めいた花なのです。

スミレは面白い性質を持つ特別の草。変な所に生え、変な繁殖をし、変に居たり居なくなったりの神出鬼没の草。でもとっても愛くるしい妖精のような不思議花…。
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2010年11月27日

野の実6 ノブドウ 横浜市 2010.11.26

ノブドウ
ノブドウ(野葡萄)別名:うまぶどう(馬葡萄)・へびぶどう ブドウ科ブドウ属
何か微妙な色合いの宝玉のような印象が残りました。不思議なデザインで極めて無機質な鉱物的な質感が観受けられました。どうも何の実か分からず、図鑑やネットで片っ端から調べ上げました。その判定結果はどうやらノブドウに落ち着きました。図鑑とこの写真とでは、色合いは同様でしたが、この写真の実には細かな斑点模様が浮いて観えます。図鑑ではこの模様が認められなかったのです。しかしその葉は確かにブドウ属の特徴が濃く表れており、私はノブドウと判定しました。

 この不思議な美しさ、その出会いの驚きと喜び、それがいかばかりであったか?、皆様はお分かりになってくださいますか?
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野の実5 トキリマメ 横浜市 2010.11.26

トキリマメ
トキリマメ(吐切豆)別名:タンキリマメ(痰切豆)・ういろうまめ・きんちゃくまめ・きつねまめ
昨年に私の歳時記で紹介した果実。シックな色合い、でもとても愛らしい造形を持っています。この一見矛盾した印象がこの豆の大きな魅力、大人の知性と少女の愛嬌が同居しているように観えます。余り類例のない、個性豊かな得難い果実ですね。

 この草は全草と莢果が痰切りの煎じ薬として使われています。人に役立つ薬草の一つです。
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2010年11月26日

野の実4 ムラサキシキブ 横浜市 2010.11.26

ムラサキシキブ
ムラサキシキブ(紫式部)クマツヅラ科ムラサキシキブ属
葉が落ちているので、ムラサキシキブかコムラサキか区別が付きかねましたが、明るい日の下での紫色は美しいものでした。その紫を尊ばれ、平安の古の女流文学者に因んだ名を授かりました。さぞやこの植物も誇らしい事でしょう。これにより幸運にも、人からの永遠の愛顧を獲得したのでした。目出度し目出度しですね。
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2010年11月17日

野の実3 ヤブミョウガ 神武寺裏参道 2010.11.07

ヤブミョウガ
ヤブミョウガ(藪茗荷)ツユクサ科ヤブミョウガ属
光を反射し、この実本来の藍色とは異なる夢幻的なライトブルーに写りました。写した私もびっくりの色でしたが、これはこれで美しいので掲載してみました。本当はもっと地味で渋い藍色です。

 ヤブミョウガの名は葉が食用にする茗荷に似るからでしょうが、花の付き方はまるで違います。茗荷は地際に咲き大きな花ですが、ヤブミョウガは茎の頂点に白い小花を総状に咲かせます。夏に咲き秋にはこの藍色の実が成るのです。独特の風情を放ち、花も実も茶席に使われます。

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2010年11月11日

野の実2 ヤブコウジ 三浦半島鷹取山 2010.11.07

ヤブコウジ
ヤブコウジ(藪柑子)別名:あかだまのき・やまたちばな・深見草 ヤブコウジ科ヤブコウジ属(常緑低木)
とっても小さく草にしか見えないけれど、実はこれは木なのです。でもその小さな体の割りには果実は以外に大きいですね。大柄な千両と同程度の大きさがあります。万両、千両、百両(カラタチバナ)と続きますが、十両は実はこのヤブコウジを指すとの事、一両の名は聞きませんので最下位ですが、それはこの数ですから当然ですよね。紅くて愛らしい珠玉の分身、藪柑子にとって掛け替えのない大事な子宝なのです。
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2010年11月10日

野の実1 クサギ 鷹取山 2010.11.07

クサギ
クサギ(臭木)別名:くさぎり・くさぎな クマツヅラ科クサギ属
葉や茎に臭気があるそうで、私は嗅いだ事はないのですが、かなりの悪臭だそうです。でもこの若芽(若葉)は山菜なのです。不思議ですが摘んで置いておくと臭気は飛んでなくなり美味しく食べられるのだそうです。またこの美しい碧色の果実をわらの灰汁で煮出して染めると浅葱色(淡青色)に染まるそうです。

 紅色の萼片に碧い果実、その美しい宝石との出会いは驚きに満ちたものでした。野にいる幸せを感じる一瞬でした。  
posted by 三上和伸 at 23:59| 野の実 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする